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公開番号2025123144
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-22
出願番号2024019053
出願日2024-02-11
発明の名称オルト水素をパラ水素に変換する触媒
出願人日揮触媒化成株式会社
代理人個人
主分類B01J 23/889 20060101AFI20250815BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】オルト水素をパラ水素に変換する効率の高い触媒を提供する。
【解決手段】オルト水素をパラ水素に変換する触媒であって、活性成分のニッケルを含み、H2-TPRスペクトルの最も強度が高いピークの位置が100℃~350℃の範囲にあることを特徴とし、好ましくは、100℃~350℃の低温範囲に現れる最も高い強度のピーク強度(ILT)と、350℃~600℃の高温範囲に現れる最も高い強度のピーク強度(IHT)の比(IHT/ILT)が、1未満である触媒。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
オルト水素をパラ水素に変換する触媒であって、活性成分のニッケルを含み、H

-TPRスペクトルの最も強度が高いピークの位置が100℃~350℃の範囲にあることを特徴とする触媒。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
100℃~350℃の低温範囲に現れる最も高い強度のピーク強度(I
LT
)と、350℃~600℃の高温範囲に現れる最も高い強度のピーク強度(I
HT
)の比(I
HT
/I
LT
)が、1未満である請求項1に記載する触媒。
【請求項3】
ニッケルの結晶子径が6.0nm以下である請求項1または請求項2に記載する触媒。
【請求項4】
比表面積が50m
2
/g~400m
2
/gの範囲にある請求項1~請求項3の何れかに記載する触媒。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はオルト水素をパラ水素に変換する触媒に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
水素は、多様な資源から製造できるため、エネルギー供給・調達リスクの低減に資するエネルギー源として期待されている。 また、水素は、再生可能エネルギーによる水の電気分解や、化石燃料と二酸化炭素の貯留・再利用技術を組み合わせることによって、カーボンフリーなエネルギーとして活用可能であり、カーボンニュートラルの実現に向けて重要な役割を担う物質としても注目されている。しかし、水素は、常温で気体であるため、その体積が大きく運搬効率が低いという課題がある。その解決方法の一つとして、水素を液化して体積を小さくして運搬する方法が知られている。
【0003】
水素にはスピン角運動量の関係から、オルト水素とパラ水素の2種類の状態が生ずる。通常の気体水素(常温)ではオルト水素とパラ水素のスピン平衡組成比は概ね3:1であるが、パラ水素の方が回転のエネルギーが小さいので、低温の液体水素温度域では殆どすべてのオルト水素がパラ水素へ時間をかけて徐々に変換される(この反応を「オルトパラ水素変換反応」と云う)。この時に生じた反応熱によって液化した水素の一部が気化して、液体水素の生産効率が低下するという課題が知られている。このため、オルト水素からパラ水素への変換効率を高め、液化水素の気化を抑制して液体水素の生産効率を高めることができるオルトパラ水素変換触媒が求められてきた。
【0004】
特許文献1には、酸化鉄や酸化クロムなどの磁性体を触媒として用いることによって、オルト水素から低温で安定なパラ水素への変換を促進できることが記載されている。特許文献2には、含水酸化第二鉄を主成分とする沈澱を加熱脱水して酸化第二鉄とし、これを水素気流中で活性化処理して得たオルトパラ変換触媒が開示されている。特許文献3には、珪酸ソーダ水溶液に硫酸ニッケル水溶液を加え、アルカリを加えて中和し、ゲル化した後に水洗乾燥して得たシリカ・ニッケル触媒が開示されている。
【0005】
しかし、特許文献1,2の酸化鉄を活性成分とする触媒はオルト水素からパラ水素への変換効率が低く、特許文献3のシリカ・ニッケル触媒は、酸化ニッケルをシリカゲル中に分散させ、シリカゲルにされたオルト水素と酸化ニッケルを接触させて、オルト水素をパラ水素に変換する触媒であり、使用直前に水素雰囲気または真空中で活性化処理を行い、酸化ニッケルを還元して活性化しているが、酸化ニッケルは薄い酸化膜を有するニッケルよりも還元され難いので、活性化が不十分であり、オルトパラ変換効果が低いことが多い。今後カーボンニュートラル化が進み液体水素の使用量が増えることが予想されるため、オルトパラ変換効率の高い、高活性な触媒が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2001-12693号公報
特開昭52-17383号公報
特開昭49-41290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
オルト水素をパラ水素に変換する効率の高いオルトパラ水素変換触媒に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明者らは、活性成分であるニッケルの還元状態がオルトパラ水素変換の変換効率に大きな影響を与えることを見出した。本発明は、ニッケルを活性成分として含むオルトパラ水素変換触媒において、還元され難いニッケルの割合を減じる一方、金属ニッケルおよび還元され易いニッケルの割合を高めることによって、H

-TPRスペクトルを指標とし、該スペクトルの最も強度が高いピークの位置が100℃~350℃の範囲にあるようにしてオルトパラ水素変換効率を高めた触媒である。
【0009】
具体的には、本発明の触媒は、オルト水素をパラ水素に変換する触媒であって、活性成分のニッケルを含み、H

-TPRスペクトルの最も強度が高いピークの位置が100℃~350℃の範囲にあることを特徴とするオルトパラ水素変換触媒である。
【0010】
〔具体的な説明〕
以下、発明を具体的に説明する。なお、本明細書において、範囲を示す「~」の表示は、特に断りの無い限り、その範囲に上限と下限の値を含み、例えば、「X~Y」の表示は「X以上かつY以下」を意味する。本明細書において表される元素、族、周期は、IUPAC形式での周期表に基づく。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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