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公開番号2025130721
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-08
出願番号2025029134
出願日2025-02-26
発明の名称酸素発生剤
出願人積水化学工業株式会社,国立大学法人 東京大学
代理人弁理士法人IPX
主分類C01G 49/00 20060101AFI20250901BHJP(無機化学)
要約【課題】電磁波の照射により効率よく酸素を発生し得る酸素発生剤を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、酸素発生剤が提供される。この酸素発生剤は、300MHz以上20GHz以下の周波数を有する電磁波の照射により、300℃以上770℃以下の温度環境下において酸素元素を離脱する特性を有する複合酸化物を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
酸素発生剤であって、
300MHz以上20GHz以下の周波数を有する電磁波の照射により、300℃以上770℃以下の温度環境下において酸素元素を離脱する特性を有する複合酸化物を含む、酸素発生剤。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
請求項1に記載の酸素発生剤において、
前記複合酸化物は、前記電磁波を照射した場合、炉による加熱のみの場合より低い温度で前記酸素元素の離脱を開始する、酸素発生剤。
【請求項3】
請求項2に記載の酸素発生剤において、
前記電磁波を照射しつつ、前記複合酸化物が前記炉による加熱のみで前記酸素元素の離脱を開始する温度より低い温度で使用される、酸素発生剤。
【請求項4】
請求項1に記載の酸素発生剤において、
前記複合酸化物の誘電正接は、0.05以上である、酸素発生剤。
【請求項5】
請求項1に記載の酸素発生剤において、
前記複合酸化物は、周期律表の第4周期に属する元素のうちの少なくとも2種を含有する、酸素発生剤。
【請求項6】
請求項1に記載の酸素発生剤において、
前記複合酸化物は、アルカリ土類金属及び遷移元素に属する元素のうちの少なくとも2種を含有する、酸素発生剤。
【請求項7】
請求項1に記載の酸素発生剤において、
前記複合酸化物は、ペロブスカイト型の結晶構造、スピネル型の結晶構造及びコランダム型の結晶構造のうちの少なくとも1つを有する、酸素発生剤。
【請求項8】
請求項1に記載の酸素発生剤において、
前記複合酸化物は、Ca

Sr
1-x
FeO

、SrTi

Co
1-x

2.8
、Cu

Mn
1-x
Fe



のうちの少なくとも1種である、酸素発生剤。
【請求項9】
請求項1に記載の酸素発生剤において、
前記酸素発生剤中の前記複合酸化物の含有量は、50質量%以上である、酸素発生剤。
【請求項10】
請求項1に記載の酸素発生剤において、
前記酸素元素を離脱した状態の前記酸素発生剤は、還元剤として使用される、酸素発生剤。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素発生剤に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、温室効果ガスの一種である二酸化炭素(CO

)は、その大気中の濃度が上昇を続けている。大気中の二酸化炭素の濃度の上昇は、地球温暖化を助長する。この地球温暖化を阻止するためには、二酸化炭素のような温室効果ガスの排出を削減することが重要である。そこで、二酸化炭素を排出しないエネルギー源として水素が注目されている。
このため、水素を高い効率で製造し得る技術が重要であり、例えば、ガドリニウムがドープされた酸化セリウムを利用した水の電気分解による技術が報告されている(非特許文献1参照)。
【0003】
非特許文献1に記載の方法では、予め、上記酸化セリウムをマイクロ波(電磁波)の単独照射によって酸素を離脱させておき、この酸素を離脱した後の酸化セリウムとの反応によって水を還元して、水素を製造している。しかしながら、マイクロ波の照射により酸素を離脱する特性を有する化合物の検討が十分に進んでいないのが現状である。
また、かかる特性に優れる化合物、すなわちマイクロ波の照射により効率よく酸素を発生する化合物(酸素発生剤)を見出すことができれば、水素製造のみならず、炭化水素合成、酸化反応のような他の反応にも有効に利用することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
J. M. Serra, et al., "Hydrogen production via microwave-induced water splitting at low temperature", Nature Energy volume 5, pages 910-919 (2020)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、電磁波の照射により効率よく酸素を発生し得る酸素発生剤を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、酸素発生剤が提供される。この酸素発生剤は、300MHz以上20GHz以下の周波数を有する電磁波の照射により、300℃以上770℃以下の温度環境下において酸素元素を離脱する特性を有する複合酸化物を含む。
【0007】
かかる態様によれば、効率よく酸素を発生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例1及び参考例1で得られたガスクロマトグラフのチャートである。
実施例2及び参考例2で得られたガスクロマトグラフのチャートである。
実施例3及び参考例3で得られたガスクロマトグラフのチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の酸素発生剤について、好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
[酸素発生剤]
本実施形態の酸素発生剤は、300MHz以上20GHz以下の周波数を有する電磁波の照射により、300℃以上770℃以下の温度環境下において酸素元素を離脱する特性を有する複合酸化物を含む。かかる複合酸化物を含む酸素発生剤は、照射された電磁波を速やかに吸収して、複合酸化物の結晶構造が振動することにより歪みを生じる。その結果、酸素発生剤は、酸素元素を効率よく離脱することにより。酸素を発生することができる。
電磁波の周波数は、500MHz以上10GHz以下であることが好ましく、700MHz以上5GHz以下であることがより好ましい。この場合、酸素発生剤(複合酸化物)からの酸素元素の離脱効率を十分に高めることができる。
【0010】
また、複合酸化物が酸素元素を離脱する特性を発揮する環境温度は、400℃以上750℃以下であることが好ましく、500℃以上700℃以下であることがより好ましい。この場合、比較的低温であっても、複合酸化物は酸素元素を離脱するため、エネルギー効率が高い。
具体的には、複合酸化物は、電磁波を照射した場合、炉による加熱のみの場合より低い温度で酸素元素の離脱を開始することが好ましく、具体的には50℃以上低い温度で酸素元素の離脱を開始することが好ましく、75℃以上低い温度で酸素元素の離脱を開始することがより好ましく、100℃以上低い温度で酸素元素の離脱を開始することがさらに好ましい。これにより、上記効果をより向上させることができる。
ここで、複合酸化物(酸素発生剤)は、電磁波の照射により加熱されるが、この加熱は、電磁波の照射のみで行われてもよく、電磁波の照射及び炉による加熱の双方により行われてもよい。炉には、好ましくは、電気炉、燃焼炉等が使用される。
(【0011】以降は省略されています)

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