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公開番号2025090590
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-17
出願番号2025020924,2022518150
出願日2025-02-12,2021-04-30
発明の名称抗体医薬品溶液の保存容器
出願人日産化学株式会社
代理人弁理士法人 津国
主分類A61J 1/05 20060101AFI20250610BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】本発明はコーティング処理による簡単で汎用的な技法によって、抗体医薬品の凝集体形成を抑制するだけでなく、容器表面への吸着を抑制することができるコーティング膜形成用組成物、及びそれにより製造できる抗体医薬品溶液の保存容器を提供する。
【解決手段】親水性を有するコーティング膜を表面の少なくとも一部に備える、抗体医薬品溶液の保存容器であり、前記コーティング膜が、親水性官能基を有するモノマーの重合体を含むことが好ましい。前記親水性官能性基が、リン酸、ホスホン酸及びそれらのエステル構造;ベタイン構造;アミド構造;アルキレングリコール残基;アミノ基;並びにスルフィニル基から選ばれることが好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
親水性を有するコーティング膜を表面の少なくとも一部に備える、抗体医薬品溶液の保存容器であって、前記コーティング膜が、リン酸、ホスホン酸及びそれらのエステル構造;ベタイン構造;アミド構造;アルキレングリコール残基;アミノ基;並びにスルフィニル基から選ばれる親水性官能基を有するモノマーの重合体を含み、かつ水中(25±5℃)での気泡の接触角が150°以上である、容器。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記コーティング膜が、下記式(a)で表される基を含む繰り返し単位と、下記式(b)で表される基を含む繰り返し単位と、下記式(c)で表される基を含む繰り返し単位とを含む共重合体:
TIFF
2025090590000021.tif
65
165
[式中、

a1
、U
a2
、U
b1
、U
b2
及びU
b3
は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し;


は、炭素原子数4~18の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素原子数3~10の環式炭化水素基、炭素原子数6~10のアリール基、炭素原子数7~14のアラルキル基又は炭素原子数7~14のアリールオキシアルキル基(ここで、前記アリール部分は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基で置換されていてもよい)を表し;
An

は、ハロゲン化物イオン、無機酸イオン、水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表す]を含むコーティング膜である、請求項1に記載の抗体医薬品溶液の保存容器。
【請求項3】
上記抗体医薬品の凝集が抑制される、請求項1又は2に記載の抗体医薬品溶液の保存容器。
【請求項4】
上記抗体医薬品が、抗体とその抗原結合断片の少なくとも一方を含む、請求項1~3何れか1項に記載の抗体医薬品溶液の保存容器。
【請求項5】
上記抗体医薬品が、キメラ抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、及びこれらのドメイン抗体からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1~4何れか1項に記載の抗体医薬品溶液の保存容器。
【請求項6】
上記抗体医薬品が、オファツムマブ、セツキシマブ、トシリズマブ、ベバシズマブ、カナキヌマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、エクリズマブ、オマリズマブ、トラスツズマブ、ペルツズマブ、アダリムマブ、デノスマブ、モガムリズマブ、リツキシマブ、ラニビズマブ、インフリキシマブ、アフリベルセプト、アバタセプト、エタネルセプト、ゲムツズマブオゾガマイシン、パニツムマブ、バシリキシマブ、セルトリズマブ ペゴル及びパリビズマブからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1~5何れか1項に記載の抗体医薬品溶液の保存容器。
【請求項7】
リン酸、ホスホン酸及びそれらのエステル構造;ベタイン構造;アミド構造;アルキレングリコール残基;アミノ基;並びにスルフィニル基から選ばれる親水性官能基を有するモノマーの重合体、及び溶媒
を含む、抗体医薬品溶液の保存容器製造用コーティング膜形成用組成物であって、水中(25±5℃)での気泡の接触角が150°以上であるコーティング膜を与えるものである、組成物。
【請求項8】
(i)下記式(a)で表される基を含む繰り返し単位と、下記式(b)で表される基を含む繰り返し単位と、下記式(c)で表される基を含む繰り返し単位とを含む共重合体:
TIFF
2025090590000022.tif
65
165
[式中、

a1
、U
a2
、U
b1
、U
b2
及びU
b3
は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し;


は、炭素原子数4~18の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素原子数3~10の環式炭化水素基、炭素原子数6~10のアリール基、炭素原子数7~14のアラルキル基又は炭素原子数7~14のアリールオキシアルキル基(ここで、前記アリール部分は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基で置換されていてもよい)を表し;
An

は、ハロゲン化物イオン、無機酸イオン、水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表す]及び
(ii)溶媒
を含む、抗体医薬品溶液の保存容器製造用コーティング膜形成用組成物。
【請求項9】
抗体医薬品溶液中の抗体医薬品の凝集を抑制する方法であって、リン酸、ホスホン酸及びそれらのエステル構造;ベタイン構造;アミド構造;アルキレングリコール残基;アミノ基;並びにスルフィニル基から選ばれる親水性官能基を有するモノマーの重合体を含むコーティング膜を表面の少なくとも一部に備える容器中に、抗体医薬品溶液を保存する工程を含む、抗体医薬品溶液中の抗体医薬品の凝集を抑制する方法。
【請求項10】
前記コーティング膜が、水中(25±5℃)での気泡の接触角が150°以上である、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は抗体医薬品の凝集体の形成及び保存容器への吸着を抑制するため処理方法及び、容器に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
抗体医薬品を保存する際に、抗体間の会合と凝集が起こり、それらが不純物となり、副作用などの問題を及ぼす可能性が懸念されている。これらを解決すべく、凝集阻害剤の導入が提案されているが、阻害剤の混入による長期的な安定性や安全性の懸念の課題がある。特許文献1には、非イオン性界面活性剤の濃度が低いタンパク質溶液製剤を充填した場合であっても、長期保存後のタンパク質の凝集を抑制しうるプレフィルドシリンジが記載されている。特許文献2には、生体物質の付着抑制能を有するイオンコンプレックス材料及びそれを用いた生体物質付着抑制コーティング材料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2020/026926号
国際公開第2016/093293号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はコーティング処理による簡単で汎用的な技法によって、抗体医薬品の凝集体形成を抑制するだけでなく、容器表面への吸着を抑制することができるコーティング膜形成用組成物、及びそれにより製造できる抗体医薬品溶液の保存容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以下を包含する。
[1]
親水性を有するコーティング膜を表面の少なくとも一部に備える、抗体医薬品溶液の保存容器。
【0006】
[2]
前記コーティング膜が、親水性官能基を有するモノマーの重合体を含む、[1]に記載の抗体医薬品溶液の保存容器。
【0007】
[3]
前記親水性官能性基が、リン酸、ホスホン酸及びそれらのエステル構造;ベタイン構造;アミド構造;アルキレングリコール残基;アミノ基;並びにスルフィニル基から選ばれる、[2]に記載の抗体医薬品溶液の保存容器。
【0008】
[4]
前記コーティング膜が、下記式(a)で表される基を含む繰り返し単位と、下記式(b)で表される基を含む繰り返し単位と、下記式(c)で表される基を含む繰り返し単位とを含む共重合体:
TIFF
2025090590000001.tif
67
165
[式中、

a1
、U
a2
、U
b1
、U
b2
及びU
b3
は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し;


は、炭素原子数4~18の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素原子数3~10の環式炭化水素基、炭素原子数6~10のアリール基、炭素原子数7~14のアラルキル基又は炭素原子数7~14のアリールオキシアルキル基(ここで、前記アリール部分は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基で置換されていてもよい)を表し;
An

は、ハロゲン化物イオン、無機酸イオン、水酸化物イオン及びイソチオシアネートイオンからなる群から選ばれる陰イオンを表す]を含むコーティング膜である、[1]に記載の抗体医薬品溶液の保存容器。
【0009】
[5]
上記抗体医薬品の凝集が抑制される、[1]~[4]何れか1に記載の抗体医薬品溶液の保存容器。
【0010】
[6]
上記抗体医薬品が、抗体とその抗原結合断片の少なくとも一方を含む、[1]~[5]何れか1に記載の抗体医薬品溶液の保存容器。
(【0011】以降は省略されています)

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