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公開番号2025101859
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-08
出願番号2023218924
出願日2023-12-26
発明の名称ポリシリコン還元炉、および、ポリシリコンの製造方法
出願人高純度シリコン株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C01B 33/035 20060101AFI20250701BHJP(無機化学)
要約【課題】クロロシランポリマーの発生を抑制するとともに、高純度のポリシリコンを製造することが可能なポリシリコン還元炉を提供する。
【解決手段】通電加熱した種棒5が収容された炉体10の内部にクロロシランを含む反応ガスを供給することで、種棒5にシリコンを還元析出させるポリシリコン還元炉1であって、還元反応中の炉体10の内面温度を40℃以上200℃以下の範囲内に調整する温度調整部20を備えていることを特徴とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
通電加熱した種棒が収容された炉体内にクロロシランを含む反応ガスを供給することで、前記種棒にシリコンを還元析出させるポリシリコン還元炉であって、
還元反応中の前記炉体の内面温度を40℃以上200℃以下の範囲内に調整する温度調整部を備えていることを特徴とするポリシリコン還元炉。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記炉体は、内周壁とこの内周壁の外側を覆う外周壁を有し、前記内周壁と前記外周壁との間に冷媒が流通する冷媒流路が形成されており、
前記温度調整部は、前記冷媒の入口温度を制御することで、前記炉体の内面温度を調整することを特徴とする請求項1に記載のポリシリコン還元炉。
【請求項3】
前記冷媒流路の出口から排出された前記冷媒の一部を前記冷媒流路に還流させる還流経路を有していることを特徴とする請求項2に記載のポリシリコン還元炉。
【請求項4】
前記温度調整部は、前記冷媒の入口温度と出口温度との差が10℃以下となるように制御することを特徴とする請求項2に記載のポリシリコン還元炉。
【請求項5】
前記温度調整部は、前記冷媒の持ち出し熱量から前記炉体の内面温度を推定して制御することを特徴とする請求項2に記載のポリシリコン還元炉。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のポリシリコン還元炉を用いたポリシリコンの製造方法であって、
還元反応中の前記炉体の内面温度を40℃以上200℃以下の範囲内に調整することを特徴とするポリシリコンの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、通電加熱した種棒が収容された炉体内にクロロシランを含む反応ガスを供給することで、前記種棒にシリコンを還元析出させるポリシリコン還元炉、このポリシリコン還元炉を用いたポリシリコンの製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、半導体や太陽電池の原料として利用される多結晶シリコン(ポリシリコン)を製造する際には、通電加熱した種棒が収容された炉体内にクロロシランを含む反応ガスを供給することで、前記種棒にシリコンを還元反応により析出させるポリシリコン還元炉が用いられており、いわゆるシーメンス法によって製造されている。
【0003】
このシーメンス法においては、製造されるシリコンを汚染源となる炉体などと接触させないことが特徴であり、炉体として使用されるのは、通常はステンレス鋼などからなる金属ベルジャーなどが挙げられる。
また、半導体向けの多結晶シリコンでは、近年極めて高い純度が求められていることから、例えば特許文献1に示すように、汚染を少しでも発生させないように、炉体が十分に冷却されている。
【0004】
しかし、還元反応する炉体の冷却を行うと、「クロロシランポリマー」などと称される高沸点化合物の生成・析出が起きやすくなり、排ガス配管にクロロシランポリマーが堆積して閉塞するという問題があった。
この対策として、例えば非特許文献1に示すように、当該配管を加温することによって、配管内のクロロシランポリマーの発生が抑えられ、クロロシランポリマーの堆積による配管閉塞を抑制可能であることが分かっている。
【0005】
一方、クロロシランポリマーは、排ガス配管以外にも冷却により温度が低下している箇所、つまり炉体の内面にも発生する。
ここで、例えば、非特許文献2に示すように、クロロシランポリマーは空気中の水分と反応して有害な塩化水素を発生させる一方、加水分解物は特定条件下で爆発性を示す性質があることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2017-190283公報
【非特許文献】
【0007】
化学反応場を知る講演会「半導体生産現場で見る化学反応の実際と設計」半導体システムイノベーション検討会 第8回検討会(平成19年12月5日)
Y-J. Lin, et al., “Characterization of Shock-Sensitive Deposits from the Hydrolysis of Hexachlorodisilane”, ACS Omega, (2019) 4, 1416.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述のシーメンス法はバッチ式の製造方法であり、通常3~7日程度の日数をかけて種棒にシリコンを堆積させてシリコンロッドの径を増大させ、その後、炉を開放してシリコンロッドを取り出す。
その際、炉体内部に発生したクロロシランポリマーを大気中に開放させることになり、空気中の水分と反応させてしまうので、加水分解物が生成し爆発等の災害が発生しやすくなる。炉体内部に多量のクロロシランポリマーを発生させることは、安全の観点から忌避すべきものである。
ここで、非特許文献1に記載されているように、クロロシランポリマーの発生を抑制する為には反応炉の内壁温度を上げることが必要と考えられるが、特許文献1に示すように、温度を過度に上げると金属汚染が発生し品質悪化へと繋がる。
【0009】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、クロロシランポリマーの発生を抑制するとともに、高純度のポリシリコンを製造することが可能なポリシリコン還元炉、及び、ポリシリコンの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明者らは、反応ガスの温度と製出されるポリシリコンの不純物量との関係ついて確認した。
反応ガス温度を30℃、100℃、150℃、200℃、250℃に設定し、生成されたポリシリコンロッドのリン濃度を比較した。比較実験の結果を表1にしめす。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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