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公開番号
2025103357
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-09
出願番号
2023220706
出願日
2023-12-27
発明の名称
二酸化炭素の固定方法、及び、炭酸マグネシウムの製造方法
出願人
住友金属鉱山株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C01F
5/24 20060101AFI20250702BHJP(無機化学)
要約
【課題】クロム及びマグネシウムを含有しマグネシウム濃度が5質量%以上である「Cr及びMg含有鉱石」を用いて行われる「二酸化炭素固定のプロセス」において、「Cr及びMg含有鉱石」からのMgの溶出性を高めるために行われる加熱処理よって溶液中へ溶出した有害物質であるCr(VI)を除去すること。
【解決手段】「Cr及びMg含有鉱石」を、500℃以上800℃以下の温度で加熱する、加熱処理St1と、加熱処理St1後の鉱石の溶液への装入及び溶液への二価鉄化合物の添加を行う、溶液精製処理St2と、溶液精製処理St2後の溶液中において、鉱石から溶液中に溶出したマグネシウムを、二酸化炭素と反応させる、二酸化炭素固定処理St3と、を含んでなる、二酸化炭素の固定方法とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
クロム及びマグネシウムを含有しマグネシウム濃度が5質量%以上である鉱石を、500℃以上800℃以下の温度で加熱する、加熱処理と、
前記加熱処理後の前記鉱石の溶液へ装入及び前記溶液への二価鉄化合物の添加を行う、溶液精製処理と、
前記溶液精製処理後の前記溶液中において、前記鉱石から前記溶液中に溶出したマグネシウムを、二酸化炭素と反応させる、二酸化炭素固定処理と、
を含んでなる、二酸化炭素の固定方法。
続きを表示(約 480 文字)
【請求項2】
前記溶液精製処理において、前記加熱処理後の前記鉱石の前記溶液への装入及び前記溶液への二価鉄化合物の添加の後に、更に、前記溶液のpHを7以上10以下とするpH調整を行う、
請求項1に記載の二酸化炭素の固定方法。
【請求項3】
クロム及びマグネシウムを含有しマグネシウム濃度が5質量%以上である鉱石を、500℃以上800℃以下の温度で加熱する、加熱処理と、
前記加熱処理後の前記鉱石の溶液への装入及び前記溶液への二価鉄化合物の添加を行う、溶液精製処理と、
前記溶液精製処理後の前記溶液中において、前記鉱石から前記溶液中に溶出したマグネシウムを、二酸化炭素と反応させる、二酸化炭素固定処理と、
を含んでなる、炭酸マグネシウムの製造方法。
【請求項4】
前記溶液精製処理において、前記加熱処理後の前記鉱石の前記溶液への装入及び前記溶液への二価鉄化合物の添加の後に、更に、前記溶液のpHを7以上10以下とするpH調整を行う、
請求項3に記載の炭酸マグネシウムの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素の固定方法、及び、炭酸マグネシウムの製造方法に関する。本発明は、詳しくは、マグネシウム及びクロムを含有する鉱石に二酸化炭素を固定する二酸化炭素の固定方法、及び、マグネシウム及びクロムを含有する鉱石と二酸化炭素から炭酸マグネシウムを製造する炭酸マグネシウムの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
近年の地球温暖化の急速な進行に伴い、排出される二酸化炭素(CO
2
)の排出量の削減と併せて、排出されたCO
2
を鉱物等に固定化することによる炭素隔離利用技術(CCSU,Carbon Capture,Storage,and Utilization)の実用化が求められている。炭素隔離利用技術(CCSU)の具体的実現手段としては、海水深くにCO
2
を圧入する方法、或いは、CO
2
を地中に圧入して貯蔵する方法等、各種のCO
2
の固定方法が検討されている。しかし、これらの何れの方法もCO
2
の処理に多くの費用を要して経済的ではなく、又、その後の環境に与える影響が不明瞭であり実用化には未だ多くの問題を抱えている。
【0003】
一方、上記の炭素隔離利用技術(CCSU)の一つとして、マグネシウム(Mg)やカルシウム(Ca)等を含むケイ酸塩鉱物をCO
2
と反応させて炭酸塩として固定化する技術(炭酸塩鉱物化技術(Mineral Carbonation Technology))が注目を浴びている(特許文献1参照)。炭酸マグネシウム(MgCO
3
)や炭酸カルシウム(CaCO
3
)等の炭酸塩は、常温・常圧で非常に安定であり、環境変化による影響を受けにくいため、長期に亘ってCO
2
を安定的に鉱物中に固定し続けることができるからである。そして、尚且つ、上記方法によるCO
2
の固定化に伴って生成されるMgCO
3
やCaCO
3
は、何れも、中和剤、ゴム、プラスチックの増強剤、農薬、肥料、飼料の材料等、広範な工業分野で利用可能であり、尚且つ、カーボンニュートラルな材料であることから、今後の更なる需要の増加が見込まれている。
【0004】
ここで、上記の炭酸塩鉱物化技術(Mineral Carbonation Technology)を用いて行われることによって、CO
2
の固定にも寄与することができる製造プロセスの一例として、「Mgをケイ酸塩鉱物として含有する鉱石を用いて行われる炭酸マグネシウム(MgCO
3
)の製造プロセス」を挙げることができる。この製造プロセスにおいては、CO
2
と反応させるために、Mgを上記鉱石から溶液中に十分に溶出させる必要があるが、上記鉱石中において、Mgは複雑な結晶構造を有するケイ酸塩鉱物(例えば、Mg
3
Si
2
O
5
(OH)
4
、Mg
3
Si
4
O
10
(OH)
2
等の化合物)として含有されているため、Mg
2+
としての溶出は容易には進行しない。従って、上記製造プロセスの実施に際しては、上述の鉱石に対して溶液中へのMg
2+
の溶出を促進させるための何らかの前処理を行うことが必要とされていた。
【0005】
炭酸塩鉱物化技術(Mineral Carbonation Technology)を実施する際に必要となる上記の前処理の具体的手段としては、従来、Mgをケイ酸塩鉱物として含有する鉱石を加熱する加熱処理によって、当該鉱石に含有されているMgの溶液中への溶出を促進する技術が提案されている(特許文献2、3参照)。
【0006】
ここで、上記の「Mgをケイ酸塩鉱物として含有する鉱石を用いて行われる炭酸マグネシウム(MgCO
3
)の製造プロセス」には、5質量%以上の濃度でMgをケイ酸塩鉱物として含有する鉱石を好ましく用いることができる。ところが、それらの鉱石の多くは、併せてクロム(Cr)を含有するものであることが多い。例えば、ニッケル製錬の原料鉱石として用いられるリモナイト鉱の他、サプロライト鉱等の酸化鉱や、リザダイト、クリソタイル、エンスタタイト、フォレステライト、タルク、マグネサイト、サーペンティン、オリビン、スメクタイト等が、そのような鉱石に該当する。以下、本明細書においては、これらの各鉱石を含め、Cr及びMgを含有しマグネシウム濃度が5質量%以上である鉱石のことを、「Cr及びMg含有鉱石」と称する。
【0007】
そして、上述の炭酸塩鉱物化技術(Mineral Carbonation Technology)に技術的に密接に関連するプロセスであって、「Cr及びMg含有鉱石」を用いて行われる「二酸化炭素固定のプロセス」及び「炭酸マグネシウム(MgCO
3
)の製造プロセス」においては、ケイ酸塩鉱物として鉱石に含有されているMgの溶液中への溶出を促進するために、上述の加熱処理を行うと、鉱石中のCrの酸化が進行して、溶液中に有害物質である六価クロム(Cr(VI))までもが溶出されてしまうことが新たな問題として認識されるに至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平10-249153号公報
特表2012-500718号公報
特表2013-505124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の実情に鑑みて提案されたものであり、クロム及びマグネシウムを含有しマグネシウム濃度が5質量%以上である「Cr及びMg含有鉱石」を用いて行われる「二酸化炭素固定のプロセス」及び「炭酸マグネシウムの製造プロセス」において、「Cr及びMg含有鉱石」からのMgの溶出性を高めるために行われる加熱処理よって溶液中へ溶出した有害物質であるCr(VI)を除去することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、「Cr及びMg含有鉱石」からのMgの溶出性を高めるために行われる加熱処理によって溶液中に溶出されたCr(VI)を、二価の鉄イオンを溶出可能な二価鉄化合物(本明細書において「二価鉄化合物」と称する)を用いて除去することによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に本発明は、以下のものを提供する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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