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公開番号2025098555
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-02
出願番号2023214770
出願日2023-12-20
発明の名称酸化マグネシウム粉末及びその製造方法、混合粉末、並びに樹脂組成物
出願人デンカ株式会社
代理人園田・小林弁理士法人
主分類C01F 5/08 20060101AFI20250625BHJP(無機化学)
要約【課題】樹脂中に充填した際に、低粘度及び高熱伝導率を両立できる酸化マグネシウム粉末及びその製造方法、前記酸化マグネシウム粉末を含む混合粉末、並びに前記酸化マグネシウム粉末を含む樹脂組成物の提供。
【解決手段】酸化マグネシウム粉末であって、前記酸化マグネシウム粉末を特定の条件で走査型電子顕微鏡により観察した際に、観察画像内に存在する全粒子の合計面積(A)に対する、前記全粒子内に存在する開気孔の合計面積(B)の割合(R)が9.0%以下である粒子群を含む、酸化マグネシウム粉末。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
酸化マグネシウム粉末であって、
前記酸化マグネシウム粉末を下記の条件で走査型電子顕微鏡により観察した際に、
観察画像内に存在する全粒子の合計面積(A)に対する、前記全粒子内に存在する開気孔の合計面積(B)の割合(R)が9.0%以下である粒子群を含む、酸化マグネシウム粉末。
(条件)
前記酸化マグネシウム粉末をエポキシ樹脂で包埋したのち硬化させる。その後、断面加工装置で加工を行い、前記酸化マグネシウム粉末の試料を作成する。前記試料の断面を、走査型電子顕微鏡により500倍の倍率で観察して得られた画像を画像解析ソフトで解析し、観察画像内に存在する全粒子の合計面積(A)を算出する。同様に、前記観察画像内の前記全粒子における、粒子表面に連通する開気孔の合計面積(B)を算出する。その後、前記合計面積(A)に対する前記開気孔の合計面積(B)の割合(R)を求める。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
前記酸化マグネシウム粉末中の、前記開気孔の割合(R)が9.0%以下の前記粒子群の割合が、80%以上である、請求項1に記載の酸化マグネシウム粉末。
【請求項3】
前記酸化マグネシウム粉末のメディアン径(D50)が30~150μmである、請求項1または2に記載の酸化マグネシウム粉末。
【請求項4】
前記酸化マグネシウム粉末の平均円形度が0.75以上である、請求項1または2に記載の酸化マグネシウム粉末。
【請求項5】
前記酸化マグネシウム粉末の比表面積(BET)が0.1m

/g以下である、請求項1または2に記載の酸化マグネシウム粉末。
【請求項6】
前記粒子群における前記開気孔の割合(R)が0.1%以上である、請求項1または2に記載の酸化マグネシウム粉末。
【請求項7】
請求項1または2に記載の酸化マグネシウム粉末の製造方法であって、
原料の酸化マグネシウム粉末を1500℃以上で2時間以上焼成して、前記原料の酸化マグネシウム粉末に含まれる酸化マグネシウム粒子内部の開気孔の数を減少させることを含む、製造方法。
【請求項8】
前記酸化マグネシウム粒子内部の開気孔の数を減少させることが、前記原料の酸化マグネシウム粉末に含まれる粒子群の開気孔の割合(r1)を、10%以上減少させることを含み、
前記開気孔の割合(r1)が、前記原料の酸化マグネシウム粉末を前記条件で走査型電子顕微鏡により観察した際に、観察画像内に存在する全粒子の合計面積(a1)に対する、前記全粒子内に存在する開気孔の合計面積(b1)の割合である、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
請求項1または2に記載の酸化マグネシウム粉末と、前記酸化マグネシウム粉末以外の無機粉末とを含む、混合粉末。
【請求項10】
請求項1または2に記載の酸化マグネシウム粉末と、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂から選択される少なくとも1つの樹脂とを含む、樹脂組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化マグネシウム粉末及びその製造方法、混合粉末、並びに樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電気機器の小型化及び高性能化が進行している。電気機器の小型化及び高性能化に伴い、電気機器を構成する電子部品の実装密度が高くなってきており、電子部品から発生する熱を効果的に放出させる必要性が高まっている。
【0003】
また、環境負荷の少ない電気自動車などのパワーデバイス用途においては、電子部品に高電圧が印加されたり、あるいは大電流が流れたりすることがある。この場合、高い熱量が発生するため、これに対処するために、従来よりも効果的に熱を放出させる要求が高まってきている。
【0004】
このような要求に対応するための技術として、熱伝導性の無機粉末をフィラーとして含む樹脂組成物が用いられている。熱伝導性の無機粉末としては、例えば、酸化マグネシウムの粉末が知られており、特許文献1には、特定の球状酸化マグネシウム粒子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-131378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、酸化マグネシウム粉末のみをフィラーとして含む樹脂組成物は、コンパウンド粘度が高いという問題がある。そのため、樹脂組成物の増粘を抑える観点等から、酸化マグネシウム粉末とその他の無機粉末とを組み合わせて樹脂中に充填することがある。この場合、組み合わせる無機粉末によっては熱伝導率の低下や、また硬度の高い無機粉末を組み合わせた場合は成形機や混練機が摩耗するといった問題が生じる場合がある。そのため、酸化マグネシウム粉末のみをフィラーとして樹脂中に配合した場合でも、コンパウンド粘度が高くならない酸化マグネシウム粉末が求められている。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、樹脂中に充填した際に、低粘度及び高熱伝導率を両立できる酸化マグネシウム粉末及びその製造方法、前記酸化マグネシウム粉末を含む混合粉末、並びに前記酸化マグネシウム粉末を含む樹脂組成物の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明者らは鋭意検討した結果、下記構成を有する酸化マグネシウム粉末であれば、上記課題を解決できることを見出した。
[1]酸化マグネシウム粉末であって、
前記酸化マグネシウム粉末を下記の条件で走査型電子顕微鏡により観察した際に、
観察画像内に存在する全粒子の合計面積(A)に対する、前記全粒子内に存在する開気孔の合計面積(B)の割合(R)が9.0%以下である粒子群を含む、酸化マグネシウム粉末。
(条件)
前記酸化マグネシウム粉末をエポキシ樹脂で包埋したのち硬化させる。その後、断面加工装置で加工を行い、前記酸化マグネシウム粉末の試料を作成する。前記試料の断面を、走査型電子顕微鏡により500倍の倍率で観察して得られた画像を画像解析ソフトで解析し、観察画像内に存在する全粒子の合計面積(A)を算出する。同様に、前記観察画像内の前記全粒子における、粒子表面に連通する開気孔の合計面積(B)を算出する。その後、前記合計面積(A)に対する前記開気孔の合計面積(B)の割合(R)を求める。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、樹脂中に充填した際に、低粘度及び高熱伝導率を両立できる酸化マグネシウム粉末及びその製造方法、前記酸化マグネシウム粉末を含む混合粉末、並びに前記酸化マグネシウム粉末を含む樹脂組成物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例1の酸化マグネシウム粉末の画像処理後の写真である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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