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公開番号2025107742
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-22
出願番号2024001132
出願日2024-01-09
発明の名称炭酸カルシウムおよび炭酸カルシウムの製造方法
出願人株式会社白石中央研究所
代理人弁理士法人グローバル・アイピー東京
主分類C01F 11/18 20060101AFI20250714BHJP(無機化学)
要約【課題】新規な階層構造を有する炭酸カルシウム、好ましくはカルサイト型炭酸カルシウムを提供すること、および前記炭酸カルシウムを製造する新規な方法を提供すること。
【解決手段】緻密構造を有する炭酸カルシウムの表面に、筒状、針状または柱状の細長構造を有する炭酸カルシウムを有する、階層構造を有する炭酸カルシウムである。前記緻密構造を有する炭酸カルシウムが、直径10-200μmの粒子であり、細長構造を有する炭酸カルシウムの断面直径が0.1-1.0μmの範囲であり、細長構造を有する炭酸カルシウムの長さが0.1-10μmの範囲であることが好ましい。また、前記緻密構造を有する炭酸カルシウムが、外直径10-200μmの中空粒子であり、細長構造を有する炭酸カルシウムの断面直径が0.1-1.0μmの範囲であり、細長構造を有する炭酸カルシウムの長さが0.1-10μmの範囲であることが好ましい。
【選択図】図2-A
特許請求の範囲【請求項1】
緻密構造を有する炭酸カルシウムの表面に、筒状、針状または柱状の細長構造を有する炭酸カルシウムを有する、階層構造を有する炭酸カルシウム。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
緻密構造を有する炭酸カルシウムが、直径10-200μmの粒子であり、細長構造を有する炭酸カルシウムの断面直径が0.1-1.0μmの範囲であり、細長構造を有する炭酸カルシウムの長さが0.1-10μmの範囲である、請求項1に記載の階層構造を有する炭酸カルシウム。
【請求項3】
緻密構造を有する炭酸カルシウムが、外直径10-200μmの中空粒子であり、細長構造を有する炭酸カルシウムの断面直径が0.1-1.0μmの範囲であり、細長構造を有する炭酸カルシウムの長さが0.1-10μmの範囲である、請求項1に記載の階層構造を有する炭酸カルシウム。
【請求項4】
以下の工程:
カルサイト型炭酸カルシウム粒子と、ゼラチンと、水とを混合し、加熱攪拌し、ゼラチン/カルサイト型炭酸カルシウム粒子混合スラリーAを得る工程:
界面活性剤を、油に溶解させ、攪拌し、溶液Bを得る工程:
ゼラチン/カルサイト型炭酸カルシウム粒子混合スラリーAを溶液Bに加え、攪拌し、エマルジョン乳状液Cを得る工程:
エマルジョン乳状液Cに、架橋剤を添加し、攪拌し、ゼラチン/カルサイト型炭酸カルシウム複合粒子を含む乳状液Dを得る工程:
ゼラチン/カルサイト型炭酸カルシウム複合粒子を含む乳状液Dを遠心分離して、ゼラチン/カルサイト型炭酸カルシウム複合粒子を得る工程:
ゼラチン/カルサイト型炭酸カルシウム複合粒子を焼成し、カルサイト型炭酸カルシウム緻密粒子を得る工程:および
カルサイト型炭酸カルシウム緻密粒子を、少なくとも二酸化炭素を含む雰囲気下に置き、炭酸カルシウム緻密粒子の表面に、筒状、針状又は柱状の、細長構造を有する炭酸カルシウムを有する、階層構造を有する炭酸カルシウムを得る工程
を含む、階層構造を有する炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項5】
ゼラチン/カルサイト型炭酸カルシウム粒子混合スラリーAにおいて、ゼラチンと、カルサイト型炭酸カルシウム粒子との質量比が、5:10-25:10の範囲である、請求項4に記載の階層構造を有する炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項6】
溶液Bにおいて、界面活性剤と、油との体積比が、1:100~5:100の範囲である、請求項5に記載の階層構造を有する炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項7】
ゼラチン/カルサイト型炭酸カルシウム粒子混合スラリーAと、溶液Bとの体積比が、1:10-10:10の範囲である、請求項5に記載の階層構造を有する炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項8】
ゼラチン/カルサイト型炭酸カルシウム粒子混合スラリーAと、溶液Bとの体積比が、1:10-10:10の範囲である、請求項6に記載の階層構造を有する炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項9】
ゼラチンと、架橋剤の質量比が、1:1-1:25の範囲となるように、エマルジョン乳状液Cに、架橋剤を添加する、請求項5に記載の階層構造を有する炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項10】
ゼラチンと、架橋剤の質量比が、1:1-1:25の範囲となるように、エマルジョン乳状液Cに、架橋剤を添加する、請求項6に記載の階層構造を有する炭酸カルシウムの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸カルシウムおよび炭酸カルシウムの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
炭酸カルシウムは、ゴム、プラスチック、紙、シーラント、塗料・インキ等の補強充填剤、食品、飼料等のカルシウム強化剤、肥料等におけるアルカリ剤などとして広く用いられている。これらの用途に使用される炭酸カルシウムは、水酸化カルシウム水性懸濁液に炭酸ガスを吹き込んで炭酸化反応を行うことにより得られる軽質炭酸カルシウムと、良質な石灰石を機械的に粉砕・分級することにより得られる重質炭酸カルシウムとに大別される。
【0003】
炭酸カルシウムにはカルサイト、アラゴナイト、バテライトの3種類の結晶相があることが知られている。これらのうちカルサイトは最も安定な結晶相であり、たとえばバテライトは、経時的にカルサイトに転移していく。カルサイト型炭酸カルシウムは、一般的には菱面体や立方体の結晶であり、密な構造を有する。すなわち炭酸カルシウムを常法にて結晶成長させた高次構造の炭酸カルシウムは、殆どの場合、菱面体や立方体の形状を有する安定なカルサイトの結晶となる。炭酸カルシウムは、低価格で、調製が簡単であり、白色度が高く、かつ生体性や分解性に優れるため、たとえば医薬品や化粧品等の分野における積極的な活用を意図して、様々な形態の炭酸カルシウムを作り分ける試みが多く成されている。
【0004】
特許文献1に開示された製造方法は、石灰乳に二酸化炭素を吹き込んでアラゴナイトを生成し、脱水した含水ケーキに分散剤を加えてから再度スラリー化し、湿式で粉砕した後、別の石灰乳と混ぜ、これに可溶性リン酸化合物を加え、再び二酸化炭素を導入する方法であり、原料水スラリー中にアラゴナイト結晶形炭酸カルシウムを存在させておくことにより、水酸化カルシウムの炭酸化反応で得られる炭酸カルシウムをアラゴナイト結晶形のものとすることに特徴がある。
【0005】
一方、特許文献2に開示された製造方法では、石灰乳に二酸化炭素を導入して炭酸カルシウムを合成し、炭酸化率が10~90%の範囲で二酸化炭素の導入を一時停止、次いでこの懸濁液に新たな石灰乳を加えて炭酸化を進め、再び炭酸化率が10~90%に達したところで二酸化炭素の導入を停止するプロセスを少なくとも1回繰り返した後、再び新たな石灰乳を加え、懸濁液の温度を40℃以上に保ちながら炭酸化反応を完了させることにより、針状や柱状の形状を有するアラゴナイト系炭酸カルシウムが凝集した、炭酸カルシウム凝集体が得られる。
【0006】
特許文献1や2の方法により製造される炭酸カルシウムは、いずれもアラゴナイト結晶形のものであるため、安定性が低く、容易にカルサイト形結晶形のものに転移する。そこで、より安定で、かつこれまでには合成できなかったより複雑な構造を有するカルサイト結晶形炭酸カルシウムを製造することが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平4-224110号公報
特開2008-273761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明は、新規な階層構造を有する炭酸カルシウム、好ましくはカルサイト型炭酸カルシウムを提供することを目的とする。さらに本発明は、新規な階層構造を有する炭酸カルシウム、好ましくはカルサイト型炭酸カルシウムを提供する新規な方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の態様は、緻密構造を有する炭酸カルシウムの表面に、筒状、針状または柱状の、細長構造を有する炭酸カルシウムを有する、階層構造を有する炭酸カルシウムである。
【0010】
ここで、緻密構造を有する炭酸カルシウムが、直径10-200μmの粒子であり、細長構造を有する炭酸カルシウムの断面直径が0.1-1.0μmの範囲であり、細長構造を有する炭酸カルシウムの長さが0.1-10μmの範囲であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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