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公開番号
2024174685
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-17
出願番号
2023092648
出願日
2023-06-05
発明の名称
複合基板及びその製造方法
出願人
ローム株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C01B
32/184 20170101AFI20241210BHJP(無機化学)
要約
【課題】SiC単結晶基1上に形成される炭素含有層の表面粗さ(Ra)を低減した複合基板100(100A)を提供する。また、複合基板100(100A)の製造方法を提供する。
【解決手段】複合基板100(100A)は、SiC単結晶基板1と、SiC単結晶基板1の表面に接して配置された、再構成表面層10aとグラフェン層10を積層した積層体またはグラフェン層10のいずれかを含む炭素含有層と、を備え、原子間力顕微鏡による観測において、2×2μm
2
あたりにおける、SiC単結晶基板1と接している炭素含有層の表面粗さ(Ra)が、1.0nm以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
SiC単結晶基板上に前記SiC単結晶基板の熱分解を抑制するキャップ膜を堆積させる工程と、
熱処理を施して前記キャップ膜を除去する工程と、
前記熱処理を施して、前記SiC単結晶基板上に、再構成表面層とグラフェン層を積層した積層体またはグラフェン層のいずれかを含む炭素含有層を形成する工程と、を含み、
前記キャップ膜の膜厚は、前記SiC単結晶基板の熱分解が開始する温度から前記グラフェン層が形成される温度までの少なくとも一部の温度領域において残存するように構成されている、複合基板の製造方法。
続きを表示(約 890 文字)
【請求項2】
前記SiC単結晶基板上に炭素を含む薄膜を堆積させる工程をさらに含み、
前記キャップ膜は、前記薄膜上に堆積され、
前記熱処理を施して、前記キャップ膜が除去されて露出した前記薄膜から供給される炭素を用いて前記SiC単結晶基板上に前記炭素含有層を形成する、請求項1に記載の複合基板の製造方法。
【請求項3】
前記薄膜の堆積が、物理気相成長法、化学気相成長法、及び湿式堆積法からなる群から選択されるいずれかの方法により行われる、請求項2に記載の複合基板の製造方法。
【請求項4】
前記薄膜の厚みが0.3nm以上100nm以下である、請求項2に記載の複合基板の製造方法。
【請求項5】
前記熱処理において、前記キャップ膜を除去する工程に連続して前記SiC単結晶基板上の前記キャップ膜が除去された領域に前記炭素含有層を形成する、請求項1に記載の複合基板の製造方法。
【請求項6】
前記キャップ膜は、酸化シリコンまたは窒化シリコンを含む膜である、請求項1に記載の複合基板の製造方法。
【請求項7】
前記キャップ膜の堆積が、物理気相成長法、化学気相成長法、及び湿式堆積法からなる群から選択されるいずれかの方法により行われる、請求項1に記載の複合基板の製造方法。
【請求項8】
前記キャップ膜の厚みが1nm以上500nm以下である、請求項1に記載の複合基板の製造方法。
【請求項9】
前記熱処理が、1200℃以上2500℃以下の温度で施される、請求項1に記載の複合基板の製造方法。
【請求項10】
前記熱処理は、1×10
-4
N/m
2
以下の真空雰囲気下又は1×10
4
N/m
2
以上1×10
6
N/m
2
以下の不活性ガス雰囲気下で施される、請求項1に記載の複合基板の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、複合基板及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
グラフェンの製造方法において、自然酸化によって形成されたシリコンカーバイド(SiC)単結晶基板の表面を覆う酸化被膜を除去し、SiC単結晶基板のSi面を露出させて、露出させたSiC単結晶基板を真空中あるいはアルゴン(Ar)等の不活性ガス中において加熱(熱分解)する方法が知られている。真空中あるいはアルゴン(Ar)等の不活性ガス中において加熱することにより、シリコン(Si)が昇華及び残存する炭素(C)が自己組織化し、SiC単結晶基板上にグラフェンが積層するように形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2010/023934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、SiC単結晶基板をグラフェン形成可能温度よりも低い温度で加熱した場合、SiC単結晶基板に対するステップバンチングが発生する。ステップバンチングの発生により、グラフェン上でリモートエピ成長を行う場合にエピ膜のモフォロジーが悪化しデバイス作製時に絶縁破壊が発生しやすくなる。また、アンカー効果によってエピ膜剥離が困難になる恐れがある。
【0005】
本開示は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、SiC単結晶基板上に形成される炭素含有層の表面粗さ(Ra)を低減した複合基板を提供することを目的の一とする。また、当該複合基板の製造方法を提供することを目的の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の複合基板は、SiC単結晶基板と、SiC単結晶基板の表面に接して配置された、再構成表面層とグラフェン層を積層した積層体またはグラフェン層のいずれかを含む炭素含有層と、を備え、原子間力顕微鏡による観測において、2×2μm
2
あたりにおける、SiC単結晶基板と接している炭素含有層の表面粗さ(Ra)が、1.0nm以下である。
【0007】
本開示の一態様の複合基板の製造方法は、SiC単結晶基板上にSiC単結晶基板の熱分解を抑制するキャップ膜を堆積させる工程と、熱処理を施して前記キャップ膜を除去する工程と、熱処理を施して、SiC単結晶基板上に、再構成表面層とグラフェン層を積層した積層体またはグラフェン層のいずれかを含む炭素含有層を形成する工程と、を含み、キャップ膜の膜厚は、SiC単結晶基板の熱分解が開始する温度からグラフェン層が形成される温度までの少なくとも一部の温度領域において残存するように構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によると、SiC単結晶基板上に形成される炭素含有層の表面粗さ(Ra)を低減した複合基板及び複合基板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は実施形態に係る複合基板の断面図を示す。
図2は変形例1に係る複合基板の断面図を示す。
図3は変形例2に係る複合基板の断面図を示す。
図4Aは変形例2に係る複合基板の製造工程の一工程を示す断面図である(その1)。
図4Bは変形例2に係る複合基板の製造工程の一工程を示す断面図である(その2)。
図4Cは変形例2に係る複合基板の製造工程の一工程を示す断面図である(その3)。
図4Dは変形例2に係る複合基板の製造工程の一工程を示す断面図である(その4)。
図5は変形例2に係る複合基板の製造工程の他の一工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図面を参照して、実施の形態について説明する。以下に説明する図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。図面は模式的なものである。また、以下に示す実施の形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、部品の材質、形状、構造、配置等を特定するものではない。実施の形態は、種々の変更を加えることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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