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公開番号2024163509
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-22
出願番号2023079197
出願日2023-05-12
発明の名称水素製造装置
出願人個人
代理人個人
主分類C01B 3/02 20060101AFI20241115BHJP(無機化学)
要約【課題】高いエネルギー投資効率で水素を製造することができる水素製造装置を提供する。
【解決手段】水素製造装置1は、バイオマス原料Bを無酸素又は低酸素状態で加熱して熱分解することで水素ガスを含む生成ガスGを生成するガス生成部10と、ガス生成部10で生成された生成ガスGから水素ガスを分離する水素ガス分離器30とを備える。ガス生成部10は、バイオマス原料Bを熱分解する熱分解炉50と、熱分解炉50に外気が流入するのを抑制する外気流入抑制手段とを含む。熱分解炉50は、ロータリキルン51と、ロータリキルン51を加熱するヒータ52とを有する。ヒータ52は、ロータリキルン51の内部を1000℃から1100℃に加熱するように構成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
バイオマス原料を無酸素又は低酸素状態で加熱して熱分解することで水素ガスを含む生成ガスを生成するガス生成部と、
前記ガス生成部で生成された前記生成ガスから前記水素ガスを分離する水素ガス分離器と
を備える、水素製造装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記ガス生成部は、
前記バイオマス原料を無酸素又は低酸素状態で加熱して熱分解する熱分解炉と、
前記熱分解炉に外気が流入するのを抑制する外気流入抑制手段と
を含む、請求項1に記載の水素製造装置。
【請求項3】
前記ガス生成部は、前記バイオマス原料を前記熱分解炉に供給する原料供給部をさらに含み、
前記原料供給部は、
前記バイオマス原料が投入されるホッパと、
前記バイオマス原料を前記ホッパから前記熱分解炉に供給可能なシリンダと
前記シリンダに接続される吸引ポンプと
を含み、
前記吸引ポンプは、前記外気流入抑制手段として機能する、
請求項2に記載の水素製造装置。
【請求項4】
前記ガス生成部は、前記バイオマス原料を無酸素又は低酸素状態で加熱して熱分解する熱分解炉を含み、
前記熱分解炉は、
炉本体と、
前記炉本体を加熱するヒータと
を有する、請求項1に記載の水素製造装置。
【請求項5】
前記熱分解炉の前記ヒータは、前記炉本体の内部を1000℃から1100℃に加熱するように構成される、請求項4に記載の水素製造装置。
【請求項6】
前記ガス生成部は、バイオマス燃料を用いて電力を生成する発電部をさらに含み、
前記発電部により生成された前記電力の少なくとも一部は前記ヒータに供給される、
請求項4に記載の水素製造装置。
【請求項7】
前記ガス生成部は、前記水素ガス分離器で分離された前記水素ガスを用いて電力を生成する発電部をさらに含み、
前記発電部により生成された前記電力の少なくとも一部は前記ヒータに供給される、
請求項4に記載の水素製造装置。
【請求項8】
前記水素ガス分離器は、
前記生成ガスを供給する供給ポートと、前記生成ガス中の水素ガスを排出する水素排出ポートとを有するハウジングと、
前記生成ガス中の前記水素ガスを透過させるが、前記生成ガス中の少なくとも1種のガスは透過させない水素ガス透過膜と
を含み、
前記水素ガス透過膜は、前記供給ポートを通じて前記生成ガスが供給される第1の空間と、前記水素排出ポートに連通する第2の空間とを互いに隔絶するように前記ハウジング内に収容される、
請求項1に記載の水素製造装置。
【請求項9】
前記水素ガス分離器の前記水素ガス透過膜はシリカ膜から形成される、請求項8に記載の水素製造装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水素製造装置に係り、特にバイオマス原料から水素を製造する水素製造装置に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、次世代のクリーンエネルギー源として水素が注目されており、将来的に水素の需要が増えることが予想される。水素の原料として石油や天然ガスなどの化石燃料を用いると、水素の製造時に二酸化炭素が排出されるため、カーボンニュートラルの観点からバイオマス原料から水素を製造する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載された装置は、予熱したアルミナ、セラミック、鋼などの熱担持媒体をバイオマス原料に供給して熱分解ガスを生成する熱分解器と、この熱分解ガスに水蒸気と酸素を供給して昇温して水素に富む改質ガスを生成する改質器とを備えている。しかしながら、この水素製造装置における熱分解器の温度は中低温(680℃~740℃)であるため、反応速度が遅く、生成ガス中の水素含有率も5割程度に留まり、エネルギー投資効率が低いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2020/008622号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、高いエネルギー投資効率で水素を製造することができる水素製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、高いエネルギー投資効率で水素を製造することができる水素製造装置が提供される。この水素製造装置は、バイオマス原料を無酸素又は低酸素状態で加熱して熱分解することで水素ガスを含む生成ガスを生成するガス生成部と、上記ガス生成部で生成された上記生成ガスから上記水素ガスを分離する水素ガス分離器とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1は、本発明の第1の実施形態における水素製造装置を示す概念図である。
図2は、図1に示す水素製造装置における水素ガス分離器の構成を示す概念図である。
図3は、本発明の第2の実施形態における水素製造装置を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明に係る水素製造装置の実施形態について図1から図3を参照して詳細に説明する。図1から図3において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、図1から図3においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や一部の構成要素が省略されている場合がある。以下の説明では、特に言及がない場合には、「第1」や「第2」などの用語は、構成要素を互いに区別するために使用されているだけであり、特定の順位や順番を表すものではない。
【0008】
図1は、本発明の第1の実施形態における水素製造装置1を示す概念図である。図1に示すように、本実施形態における水素製造装置1は、バイオマス原料Bを熱分解して水素を含む生成ガスGを生成するガス生成部10と、ガス生成部10で生成された生成ガスGを洗浄及び処理するスクラバ20と、スクラバ20で処理された生成ガスGから水素を分離する水素ガス分離器30と、スクラバ20で処理された生成ガスGを水素ガス分離器30に移送する吸引ポンプ22と、水素ガス分離器30により分離された水素ガスを捕集する水素ガス捕集タンク40と、水素ガス分離器30により水素ガスから分離された残存ガスを捕集する残存ガス捕集タンク42とを備えている。バイオマス原料Bは動植物から生まれた有機性資源であり、このようなバイオマス原料Bの例としては、木屑、紙屑、繊維屑、木材、農林水産物、稲わら、籾殻、食品廃棄物、生ゴミ、動物の死骸、動物の糞尿、プランクトンなどが挙げられるが、これらに限られるものではない。
【0009】
ガス生成部10は、バイオマス原料Bを熱分解する熱分解炉50と、熱分解炉50にバイオマス原料Bを供給する原料供給部60と、熱分解炉50で生成された生成ガスGと熱分解後の残留物Rとを排出する排出部70とを含んでいる。熱分解炉50は、図示しないモータにより軸周りに回転駆動されるロータリキルン51(炉本体)と、ロータリキルン51の外周に取り付けられるヒータ52とを有している。このヒータ52としては電気により発熱する電気式加熱器を用いることができる。ヒータ52は、ロータリキルン51の内部を1000℃~1100℃に加熱できる能力を有することが好ましい。また、ロータリキルン51内の温度を測定する温度検出器を設け、検出された温度に応じてヒータ52による加熱を制御してもよい。なお、図1においては、ロータリキルン51が水平に置かれているように示されているが、ロータリキルン51の下流側(図1において右側)の端部が上流側(図1において左側)の端部よりも下方に位置するようにロータリキルン51を傾斜させて配置して、バイオマス原料Bが下流側に向かって流れやすくなるようにすることが好ましい。
【0010】
原料供給部60は、バイオマス原料Bを貯留するホッパ61と、ホッパ61にバイオマス原料Bを搬送するコンベア62と、ロータリキルン51の上流側の端部に接続されるシリンダ63と、シリンダ63内で軸方向に移動可能なピストン64と、ピストン64を軸方向に移動させる駆動部65と、ホッパ61の下部から供給されるバイオマス原料Bを混合しつつシリンダ63に移送するスクリュコンベア66と、スクリュコンベア66を回転駆動させるモータ67とを有している。水素製造装置1は、必要に応じて、ホッパ61に投入する前のバイオマス原料を適切な大きさに粉砕する粉砕器12を有していてもよい。この場合には、バイオマス原料Bは粉砕器12により粉砕された後にコンベア62によってホッパ61に投入される。
(【0011】以降は省略されています)

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