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公開番号
2024168327
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-05
出願番号
2023084892
出願日
2023-05-23
発明の名称
メソポーラスシリカ含有成形体とその製造方法
出願人
国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人
主分類
C01B
33/18 20060101AFI20241128BHJP(無機化学)
要約
【課題】有機化合物を実質的に含有せず、原料のメソポーラスシリカ粒子の細孔径を維持し、成形体の表面組成の吸着サイトのほとんどがシリカ部位であり、従来の100μmの大きさの成形体より大きなメソポーラスシリカ含有成形体を提供する。
【解決手段】メソポーラスシリカ含有成形体は、50質量%以上83質量%以下のメソポーラスシリカ粒子と、アルカリ金属とアルカリ土類金属の少なくとも一方、Si、およびAlを含み、メソポーラスシリカ粒子を粘結する無機粘結成分とを含有し、有機化合物を実質的に含有せず、Siの物質量に対するAlの物質量の比が、0より大きく0.2より小さく、Alの物質量に対する前記アルカリ土類金属の物質量の比の1/2と、Alの物質量に対する前記アルカリ金属の物質量の比の和が、0より大きく1より小さく、大きさが0.17mm以上11mm以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
50質量%以上83質量%以下のメソポーラスシリカ粒子と、アルカリ金属とアルカリ土類金属の少なくとも一方、Si、およびAlを含み、前記メソポーラスシリカ粒子を粘結している無機粘結成分とを含有し、
有機化合物を実質的に含有せず、
Siの物質量に対するAlの物質量の比が、0より大きく0.2より小さく、
Alの物質量に対する前記アルカリ土類金属の物質量の比の1/2と、Alの物質量に対する前記アルカリ金属の物質量の比の和が、0より大きく1より小さく、
大きさが0.17mm以上11mm以下であるメソポーラスシリカ含有成形体。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
請求項1において、
細孔径が、前記メソポーラスシリカ粒子の当初の細孔径の±0.6nm以内であり、細孔径の尖度が0.5以上であるメソポーラスシリカ含有成形体。
【請求項3】
請求項1または2において、
圧壊強度が0.29N/mm
2
以上であるメソポーラスシリカ含有成形体。
【請求項4】
請求項3において、
前記メソポーラスシリカ粒子の当初の比表面積に対する比表面積の比が0.35以上であるメソポーラスシリカ含有成形体。
【請求項5】
有機化合物を実質的に含有せず、6配位のAlイオンと、非晶質シリカと、アルカリ金属とアルカリ土類金属の少なくとも一方とを含有し、前記非晶質シリカ中のSiの物質量に対する前記6配位のAlイオンの物質量の比が0.07以上0.2以下であり、pHが3以上8以下である水酸化物ゾル粘結剤と、メソポーラスシリカ粒子とを混合して成形した後、120℃以上200℃以下で加熱して成形品を得る成形工程と、
前記成形品を液体中で洗浄して成形体を得る洗浄工程と、
を有するメソポーラスシリカ含有成形体の製造方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記アルカリ金属とアルカリ土類金属の少なくとも一方がNaであり、
前記Alイオンの物質量に対する前記Naの物質量の比が、0.6より大きく2より小さいメソポーラスシリカ含有成形体の製造方法。
【請求項7】
メソポーラスシリカ粒子を成形するための水酸化物ゾル粘結剤であって、
有機化合物を実質的に含有せず、
6配位のAlイオンと、非晶質シリカと、アルカリ金属とアルカリ土類金属の少なくとも一方とを含有し、
粘性が50mPa・s以下である水酸化物ゾル粘結剤。
【請求項8】
請求項7において、
前記非晶質シリカ中のSiの物質量に対する前記Alイオンの物質量の比が、0.07以上0.2以下であり、
pHが3以上8以下である水酸化物ゾル粘結剤。
【請求項9】
メソポーラスシリカ粒子を成形するための水酸化物ゾル粘結剤の製造方法であって、
有機化合物を実質的に含有せず、25℃で6配位のAlイオンを全てのAlイオンの70mol%以上含有する水溶液に、非晶質シリカ中のSiの物質量に対する前記全てのAlイオンの物質量の比が0.07以上0.2以下となるように、前記非晶質シリカを添加してSi-Al複合水酸化物ゾルを得る第一混合工程と、
前記Si-Al複合水酸化物ゾルに、pHが3以上8以下となるように、アルカリ金属水酸化物溶液を添加して前記水酸化物ゾル粘結剤を得る第二混合工程と、
を有する水酸化物ゾル粘結剤の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本願は、メソポーラスシリカを含有する無機成形体とその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
粘土、ゼオライト、珪藻土、および活性炭などの規則性ミクロポアまたは規則性メソポアを備える天然の多孔質微粒子は、分子またはイオンに対する吸着性、イオン交換性、および触媒能などの特性が注目されてきた。特定の分子の吸着剤または担体として多孔質微粒子を利用する場合、この特定の分子の大きさと多孔質微粒子の細孔径が合致することが重要である。しかしながら、天然の多孔質微粒子は、細孔径および構造の制御が難しい。このため、未処理の天然物からは、任意の細孔径を均一に備える多孔質微粒子が得られない。
【0003】
そこで、鋳型またはフレーム形成に有機添加剤を用いることによって細孔径を制御したメソポーラスシリカ、メタルオーガニックフレイム(MOF)、およびメソポーラス金属酸化物などの合成物が、近年精力的に研究開発されている。これらのうち、メソポーラスシリカは、ゼオライトの細孔径よりも大きな細孔径2nm~50nmの規則孔を有する。酵素の大きさと近い細孔径を備える担体にこの酵素を担持させると、酵素の変性および脱離を抑制する効果が高い(非特許文献1)。酵素の大きさは数nm~数十nmであるため、酵素担体としてメソポーラスシリカは適している。
【0004】
メソポーラスシリカは、通常、0.1μm~150μm径で、比表面積が大きい粒子として合成される。酵素担体などとしてメソポーラスシリカを産業利用するためには、取扱性に優れる大きさにする必要がある。メソポーラスシリカを造粒成形する試みはいくつか報告されている。本願発明者らは、酵素担体となるメソポーラスシリカを、粘結剤である有機ポリマーと複合化して、メソポーラスシリカの細孔径を維持した多孔質ペレットと中空糸膜成型体を提案した(特許文献1)。しかしながら、食品分野などでの酵素反応にメソポーラスシリカを用いる場合、有機化合物を含有するメソポーラスシリカは好ましくない。
【0005】
水溶液中で使用可能な無機成形体の製法として、メソポーラスシリカ合成時の有機構造規定剤を含んだ未焼成のメソポーラスシリカ粉末に有機バインダーを混ぜて成形した後、400℃以上で焼成して有機物を除去する方法が知られている(特許文献2)。しかしながら、焼成後に得られるこの無機成形体の圧壊強度は、0.3kgf/cm
2
~2.1kgf/cm
2
(0.03N/mm
2
~0.21N/mm
2
)であり、粘性溶液中での攪拌を要する使用には十分でない。また、メソポーラスシリカ粉末の焼成によって、メソポーラスシリカの細孔構造が破壊されやすい。このため、焼成後に得られる成形体の細孔容積は、焼成前の成形体の細孔容積と比べて小さい。
【0006】
粘結剤として有機ポリマーではなくコロイダルシリカのみを用いてメソポーラスシリカ含有成形体を製造する場合、粘結剤の塑性が低い。したがって、メソポーラスシリカ含有成形体中の粘結剤の含有量を抑えるためには、粉体圧縮成形が必須となる。しかしながら、粉体圧縮成形では、メソポーラスシリカ粒子間が詰まってメソポーラスシリカ含有成形体の反応性が低下したり、メソポーラスシリカ構造が崩れてメソポーラスシリカの細孔径が変化したりする(非特許文献2)。また、粘結剤としてアルミナゾルを用いて、メソポーラスシリカ含有成形体を製造した場合、アルミナ粒子の界面も吸着サイトとなってしまう(非特許文献1)。酵素を固定化したいメソポーラスシリカの細孔と性質が異なる酵素固定化サイトが存在すると、固定化酵素の活性が低くなるため好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第6990906号公報
国際公開第2014/112661号
【非特許文献】
【0008】
N. Nagai, et. al., J. Mater. Chem., 2012, 22, 3234.
P. Topka et al., Chem. Eng. J., 2010, 168, 433.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本願は、このような事情に鑑みてなされたものであり、有機化合物を実質的に含有せず、原料のメソポーラスシリカ粒子の細孔径を維持し、表面組成の吸着サイトの大部分がシリカ部位であり、従来の成形体の大きさの100μmより大きなメソポーラスシリカ含有成形体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明者は、6配位のAlイオン、Si、およびNaを含有する水酸化物ゾルを粘結剤としてメソポーラスシリカ粒子を成形すると、百数十μm~十数mmの大きさの成形体が得られることを見出した。また、本願発明者は、原料のメソポーラスシリカ粒子の細孔構造を維持する成形体の作製には、この水酸化物ゾル中および水酸化物ゾルとメソポーラスシリカ粒子の表面との間でSi-O-SiまたはSi-O-Alの架橋が進行した上で、さらに成形体の歪みを緩和するような非架橋酸素がこの架橋部位の周囲に必要であると考えた。
(【0011】以降は省略されています)
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