発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本発明は、窒素化グラファンに関する。 続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】 【0002】 カーボン系材料は軽量で、優れた伝導性を持ち、なおかつ地球上に豊富に存在していることから持続可能な元素として注目を集めている。特に2次元構造状の炭素材料は特異的な性質を持つことに加え、小型化・軽量化・ウェアラブル化に有利であることから研究が盛んに行われている。こうした2次元炭素材料のひとつにグラフェンがある。グラフェンは、平面的なsp 2 共有結合を持つ六角形の格子から構成されている。 【0003】 こうしたグラフェンにN(窒素)付加すると、n型半導体としての特性が得られることが知られている。窒素を付加したグラフェンは、フェルミ準位が上昇することによって金属的なバンド構造を示し、窒素濃度の増加に伴って熱力学的に不安定化する。一方でドーパントが特定の配列条件を満たすと、バンドギャップ形成に由来する異常な安定化が起こることが知られている(例えば、非特許文献1)。 【0004】 一方、グラフェンに水素原子を付加して、表面を完全に水素化することによって得られるグラファン(水素化グラフェン)も知られている(例えば、特許文献1)。グラファンは、機械特性や熱的な特性および半導体としての電気特性に特徴があり、高機能な触媒材料や半導体材料として期待されている。たとえばこうしたグラファンは、水素原子の一部を異種元素に置換することで、電子状態やその他物性を変化させて、例えば電子移動度の高い半導体材料として適用することが考えられている(例えば、非特許文献2)。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0005】 特表2016-534010号公報 【非特許文献】 【0006】 T.Umeki and J.Nakamura et al., J.Phys. Chem. C 119, 6288(2015). Electronic transport properties of hydrogenated and fluorinated graphene: a computational study To cite this article: Mohammad Mahdi Khatami et al 2020 J. Phys.: Condens. Matter 32 495502. 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 グラファンは新規な高機能材料として可能性があり、さらなる機能向上が望まれている。しかしながら、従来はグラファンの炭素原子を異種元素に置換することで得られるグラファン化合物に関する知見は殆んど知られていない。 【0008】 本発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、高機能な触媒材料や半導体材料として適用可能なグラファン化合物である窒素化グラファンを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 上記課題を解決するために、本発明の一実施形態の窒素化グラファンは、以下の構成を提案している。 【0010】 (1)本発明の態様1の窒素化グラファンは、グラフェンに水素が付加されたグラファンの炭素原子の一部を窒素原子に置換した構造を成すことを特徴とする。 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する