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公開番号2025088619
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-11
出願番号2023203428
出願日2023-11-30
発明の名称カーボンナノチューブ分散液およびその製造方法
出願人日本ゼオン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C01B 32/174 20170101AFI20250604BHJP(無機化学)
要約【課題】分散状態の経時安定性に優れるとともに、高い貯蔵弾性率を有するカーボンナノチューブ分散液の提供。
【解決手段】複数本のカーボンナノチューブと、溶媒と、分散剤とを含むカーボンナノチューブ分散液。前記カーボンナノチューブのG/D比が0.5以上20以下であり、前記複数本のカーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブを含み、前記複数本のカーボンナノチューブの少なくとも一部がカーボンナノチューブバンドルを形成しており、前記カーボンナノチューブバンドルを光学顕微鏡で観察したときに、前記カーボンナノチューブバンドルの平均長さが20μm以上であり、前記カーボンナノチューブバンドル100本のうち直径が2μm超の本数が5本以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
複数本のカーボンナノチューブと、溶媒と、分散剤とを含むカーボンナノチューブ分散液であって、
前記カーボンナノチューブのG/D比が0.5以上20以下であり、
前記複数本のカーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブを含み、
前記複数本のカーボンナノチューブの少なくとも一部がカーボンナノチューブバンドルを形成しており、
前記カーボンナノチューブバンドルを光学顕微鏡で観察したときに、前記カーボンナノチューブバンドルの平均長さが20μm以上であり、前記カーボンナノチューブバンドル100本のうち直径が2μm超の本数が5本以下である、カーボンナノチューブ分散液。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
前記カーボンナノチューブの調和平均径が1700nm以上7000nm以下である、請求項1に記載のカーボンナノチューブ分散液。
【請求項3】
前記分散剤の重量平均分子量が10000以上100000以下である、請求項1に記載のカーボンナノチューブ分散液。
【請求項4】
前記分散剤がカルボキシメチルセルロースまたはその塩である、請求項1に記載のカーボンナノチューブ分散液。
【請求項5】
前記カルボキシメチルセルロースのエーテル化度が0.5以上0.9以下である、請求項4に記載のカーボンナノチューブ分散液。
【請求項6】
請求項1~5の何れかに記載のカーボンナノチューブ分散液の製造方法であって、
前記複数本のカーボンナノチューブと、前記溶媒と、前記分散剤とを含む混合液に、湿式ジェットミルによる分散処理を施す工程
を含む、カーボンナノチューブ分散液の製造方法。
【請求項7】
前記分散処理において前記混合液に印加する圧力が1MPa以上30MPa以下であり、
前記分散処理におけるパス回数が10回以上80回以下である、請求項6に記載のカーボンナノチューブ分散液の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブ分散液およびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、導電性、熱伝導性、および強度などの特性に優れる材料として、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」と略記する場合がある。)が注目されている。
【0003】
ここで、CNTは、一本一本の特性は優れているものの、外径が小さいためファンデルワールス力によってバンドル化し易い(束になり易い)。そのため、CNTを一旦溶媒に分散させてカーボンナノチューブ分散液(CNT分散液)を調製することが従来行われている。そして得られたCNT分散液は、例えば、複数本のCNTが集合してなる炭素膜に例示される成形体や二次電池用電極の製造に用いられる。
【0004】
そこで、近年では、CNT分散液を改良することにより成形体の諸特性を向上させる試みがなされている。
例えば、特許文献1では、CNTと、溶媒と、分散剤とを含み、CNTの平均外径、回折角2θ=25°±2°のピークの半値幅およびG/D比がそれぞれ所定の範囲内であるCNT分散液が開示されている。そして、特許文献1によれば、当該CNT分散液を用いれば、導電性に優れた樹脂組成物、電極膜などを得ることができる。
また、特許文献2では、CNTと、分散剤と、溶媒とを含み、CNTの平均外径、BET比表面積および平均繊維長がそれぞれ所定の範囲内であるCNT分散液が開示されている。そして、特許文献2によれば、当該CNT分散液を用いれば、導電性および密着性に優れた樹脂組成物、電極膜などを得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2020/004095号
特開2021-72279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者の検討によると、上記従来のCNT分散液を電極活物質などと混合して二次電池電極用スラリー組成物を調製すると、CNT分散液の貯蔵弾性率が低いことに起因して、各成分を均一に混合し難いという問題があることが明らかになった。また、上記従来のCNT分散液は、分散状態の経時安定性に一層の向上の余地があった。
【0007】
そこで、本発明は、分散状態の経時安定性に優れるとともに、高い貯蔵弾性率を有するカーボンナノチューブ分散液およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った。ここで本発明者は、CNT分散液中においてCNTが複数本集合して形成されるバンドル(以下、「CNTバンドル」と称する場合がある。)に着目した。そして、本発明者は、単層CNTを含有するとともにG/D比が所定の範囲内である複数本のCNTと、溶媒と、分散剤とを含むCNT分散液において、光学顕微鏡で観察したときの、CNTバンドルの平均長さを所定値以上とし、直径2μm超のCNTバンドルの割合を所定値以下とすれば、分散状態の経時安定性に優れるとともに、高い貯蔵弾性率を有するCNT分散液が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明によれば、下記〔1〕~〔5〕のCNT分散液、および下記〔6〕~〔7〕のCNT分散液の製造方法が提供される。
【0010】
〔1〕複数本のカーボンナノチューブと、溶媒と、分散剤とを含むカーボンナノチューブ分散液であって、前記カーボンナノチューブのG/D比が0.5以上20以下であり、前記複数本のカーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブを含み、前記複数本のカーボンナノチューブの少なくとも一部がカーボンナノチューブバンドルを形成しており、前記カーボンナノチューブバンドルを光学顕微鏡で観察したときに、前記カーボンナノチューブバンドルの平均長さが20μm以上であり、前記カーボンナノチューブバンドル100本のうち直径が2μm超の本数が5本以下である、カーボンナノチューブ分散液。
単層CNTを含有する複数本のCNTと、溶媒と、分散剤とを含み、CNTのG/D比が上述の範囲内であり、光学顕微鏡で観察したときのCNTバンドルの平均長さ(以下、単に「CNTバンドルの平均長さ」と略記する場合がある。)が上記値以上であり、光学顕微鏡で観察したときのCNTバンドル100本のうち直径が2μm超の本数(以下、単に「CNTバンドル100本のうち直径が2μm超の本数」と略記する場合がある。)が上記値以下であるCNT分散液は、分散状態の経時安定性に優れるとともに、高い貯蔵弾性率を有する。
なお、本発明において、「CNTバンドルの平均長さ」および「CNTバンドル100本のうち直径が2μm超の本数」は、それぞれ、本明細書の実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
また、本発明において、「G/D比」とは、ラマンスペクトルにおけるDバンドピーク強度に対するGバンドピーク強度の比を指し、本明細書の実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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