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公開番号2025088334
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-11
出願番号2023202979
出願日2023-11-30
発明の名称無機質粉末
出願人デンカ株式会社
代理人個人
主分類C01B 33/18 20060101AFI20250604BHJP(無機化学)
要約【課題】放熱性および誘電損失に優れた無機質粉末を提供する。
【解決手段】本発明の無機質粉末は、球状アルミナ粉末および球状シリカ粉末を含む無機質粉末であって、当該無機質粉末における1GHz時の誘電正接をD×10-4とし、熱伝導率をT(W/m・K)としたとき、DおよびTが、T≧0.14D+1.03を満たすものである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
球状アルミナ粉末および球状シリカ粉末を含む無機質粉末であって、
下記の手順Aに従って測定される、当該無機質粉末における1GHz時の誘電正接をD×10
-4
とし、
下記の手順Bに従って測定される、当該無機質粉末における熱伝導率をT(W/m・K)としたとき、
DおよびTが、T≧0.14D+1.03を満たす、無機質粉末。
(手順A)
当該無機質粉末をテフロンチューブに充填した測定サンプルを用いて、空洞共振器摂動法により、上記の1GHz時の誘電正接を測定する。
(手順B)
70体積%の当該無機質粉末と30体積%の液状シリコーン樹脂との混合物を用いて、乾燥処理して得られた厚さ3mmのシート状サンプルについて、ASTM E 1530に準拠し、熱流計法により、上記の熱伝導率を測定する。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
請求項1に記載の無機質粉末であって、
DおよびTが、0<D≦17、かつ、2.2≦T≦8.0を満たす、無機質粉末。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の無機質粉末であって、
当該無機質粉末における粒子径頻度分布において、20μm以上50μm以下の範囲に極大ピークを有する、無機質粉末。
【請求項4】
請求項3に記載の無機質粉末であって、
前記極大ピークの頻度が10%以上である、無機質粉末。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の無機質粉末であって、
当該無機質粉末における粒子径頻度分布において、1.5μm超2μm以下、2μm超3μm以下、3μm超4μm以下、4μm超6μm以下、6μm超8μm以下の5つの粒子径クラスに分けたとき、前記5つの粒子径クラスの頻度の平均値が、2%以上10%以下である、無機質粉末。
【請求項6】
請求項5に記載の無機質粉末であって、
前記5つの粒子径クラスの頻度中の最大値と前記平均値との差分が、3%以下である、無機質粉末。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の無機質粉末であって、
下記の手順に従って測定される、当該無機質粉末を含む評価用樹脂ワニスのチキソ指数が、0.01以上0.10以下である、無機質粉末。
(手順)
当該無機質粉末を、含有量が75質量%となるように、25℃で液状のビスフェノールF型エポキシ(エピコート807)と混合して、上記の評価用樹脂ワニスを得る。
続いて、得られた評価用樹脂ワニスにおいて、レオメータを用いて、25℃下、せん断速度1[1/s]で測定したときの粘度(η

)、およびせん断速度100[1/s]で測定したときの粘度(η
100
)を測定する。測定した粘度を用いて、式:η
100
/η

に基づいて上記のチキソ指数を算出する。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、無機質粉末に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
これまで無機質粉末について様々な開発がなされてきた。
たとえば、特許文献1には、球状アルミナ粉末について記載されており、特許文献2には、球状シリカ粉末について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2022/210928号
特開2000-191317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の球状アルミナ粉末を使用すると無機質粉末の熱伝導率を向上できるが、誘電正接が低減することがあった。一方、上記特許文献2の球状シリカ粉末に対して低誘電化処理したものを使用すると無機質粉末の誘電正接を低減できるが、熱伝導率が低下することがあった。すなわち、本発明者が検討した結果、球状アルミナ粉末および/または球状シリカ粉末を含む無機質粉末において、熱伝導率および誘電正接は、トレードオフ特性を示すことが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者はさらに検討したところ、球状アルミナ粉末および球状シリカ粉末の粒度を適切に選択することにより、熱伝導率および誘電正接のトレードオフ特性を改善できるため、これにより、実用上における無機質粉末の放熱性を高めつつも誘電損失が少なくなることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明の一態様によれば、以下の無機質粉末が提供される。
【0007】
1. 球状アルミナ粉末および球状シリカ粉末を含む無機質粉末であって、
下記の手順Aに従って測定される、当該無機質粉末における1GHz時の誘電正接をD×10
-4
とし、
下記の手順Bに従って測定される、当該無機質粉末における熱伝導率をT(W/m・K)としたとき、
DおよびTが、T≧0.14D+1.03を満たす、無機質粉末。
(手順A)
当該無機質粉末をテフロンチューブに充填した測定サンプルを用いて、空洞共振器摂動法により、上記の1GHz時の誘電正接を測定する。
(手順B)
70体積%の当該無機質粉末と30体積%の液状シリコーン樹脂との混合物を用いて、乾燥処理して得られた厚さ3mmのシート状サンプルについて、ASTM E 1530に準拠し、熱流計法により、上記の熱伝導率を測定する。
2. 1.に記載の無機質粉末であって、
DおよびTが、0<D≦17、かつ、2.2≦T≦8.0を満たす、無機質粉末。
3. 1.又は2.に記載の無機質粉末であって、
当該無機質粉末における粒子径頻度分布において、20μm以上50μm以下の範囲に極大ピークを有する、無機質粉末。
4. 3.に記載の無機質粉末であって、
前記極大ピークの頻度が10%以上である、無機質粉末。
5. 1.~4.のいずれか一つに記載の無機質粉末であって、
当該無機質粉末における粒子径頻度分布において、1.5μm超2μm以下、2μm超3μm以下、3μm超4μm以下、4μm超6μm以下、6μm超8μm以下の5つの粒子径クラスに分けたとき、前記5つの粒子径クラスの頻度の平均値が、2%以上10%以下である、無機質粉末。
6. 5.に記載の無機質粉末であって、
前記5つの粒子径クラスの頻度中の最大値と前記平均値との差分が、3%以下である、無機質粉末。
7. 1.~6.のいずれか一つに記載の無機質粉末であって、
下記の手順に従って測定される、当該無機質粉末を含む評価用樹脂ワニスのチキソ指数が、0.01以上0.10以下である、無機質粉末。
(手順)
当該無機質粉末を、含有量が75質量%となるように、25℃で液状のビスフェノールF型エポキシ(エピコート807)と混合して、上記の評価用樹脂ワニスを得る。
続いて、得られた評価用樹脂ワニスにおいて、レオメータを用いて、25℃下、せん断速度1[1/s]で測定したときの粘度(η

)、およびせん断速度100[1/s]で測定したときの粘度(η
100
)を測定する。測定した粘度を用いて、式:η
100
/η

に基づいて上記のチキソ指数を算出する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、放熱性および誘電損失に優れた無機質粉末、およびその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例および比較例の無機質粉末における熱伝導率と誘電正接との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
(【0011】以降は省略されています)

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