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公開番号2025100460
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2024221879
出願日2024-12-18
発明の名称コンクリート裏面補強工法およびコンクリート構造物
出願人デンカ株式会社,西松建設株式会社
代理人個人
主分類E04G 23/02 20060101AFI20250626BHJP(建築物)
要約【課題】飛翔体の衝突によるコンクリートの裏面破壊を抑制する技術を提供する。
【解決手段】裏面破壊を防止するために、コンクリート1の裏面12に繊維シート3を取り付けるコンクリート裏面補強工法であって、コンクリート1の裏面12に繊維シート3を取り付ける工程は、コンクリート1の裏面12に第1接着剤51を塗布する工程と、第1接着剤51の上から繊維シート3を貼りつける工程を含み、試験用コンクリート101の裏面12に繊維シート3を取り付けた後に、裏面破壊に至るまでの衝突エネルギーの累積値である破壊累積値が7.0kJ以上であり、飛翔体2の一回当たりの衝突エネルギーが0.1kJ以上7.0kJ未満であり、試験用コンクリート101は、タテ1100mm×ヨコ1100mm×厚さ150mmの形状であり、圧縮強度が24N/mm2以上である、コンクリート裏面補強工法が提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
コンクリートの一方の面に飛翔体の衝突によって前記一方の面と反対側の他方の面が破壊される裏面破壊を防止するために、前記他方の面に繊維シートを取り付けるコンクリート裏面補強工法であって、
前記コンクリートの前記他方の面に前記繊維シートを取り付ける樹脂シート取付工程は、前記コンクリートの前記他方の面に第1接着剤を塗布し、前記第1接着剤の上から前記繊維シートを貼りつける工程を含み、
前記コンクリートを試験用コンクリートとして用意し、前記試験用コンクリートの前記他方の面に前記繊維シートを取り付けた後に、前記一方の面に前記飛翔体が衝突して前記裏面破壊に至るまでの衝突エネルギーの累積値である破壊累積値が7.0kJ以上であり、前記飛翔体の一回当たりの衝突エネルギーが0.1kJ以上7.0kJ未満であり、
前記試験用コンクリートは、タテ1100mm×ヨコ1100mm×厚さ150mmの形状を呈しており、その圧縮強度が24N/mm

以上である、
コンクリート裏面補強工法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記樹脂シート取付工程は、さらに、前記コンクリートの裏面に前記第1接着剤により取り付けた前記繊維シートの上に第2接着剤を塗布する工程を含む、請求項1に記載のコンクリート裏面補強工法。
【請求項3】
前記第1接着剤と前記第2接着剤は、(メタ)アクリル樹脂系接着剤およびエポキシ樹脂系接着剤の少なくとも一方を含む、請求項2に記載のコンクリート裏面補強工法。
【請求項4】
前記第1接着剤の塗布量Aは100g/m

以上1000g/m

以下であり、
前記第2接着剤の塗布量Bは0g/m

以上1500g/m

以下である、請求項2または3に記載のコンクリート裏面補強工法。
【請求項5】
前記第1接着剤の塗布量であるAkg/m

と、前記第2接着剤の塗布量であるBkg/m

と、の比B/Aは0以上4.0以下である、請求項2または3に記載のコンクリート裏面補強工法。
【請求項6】
前記繊維シートの目付が50g/m

以上1000g/m

以下である、請求項1~3までのいずれか1項に記載のコンクリート裏面補強工法。
【請求項7】
前記繊維シートは、繊維が互いに異なる2つの軸方向のそれぞれに沿って配置された2方向シート、または、繊維が1つの軸方向に沿って配置された2枚の一方向シートが、前記軸方向が互いに交わるように積層された積層シートを含む、請求項1~3までのいずれか1項に記載のコンクリート裏面補強工法。
【請求項8】
前記繊維シートは、アラミド繊維シートである、請求項1~3までのいずれか1項に記載のコンクリート裏面補強工法。
【請求項9】
前記破壊累積値が10kJ以上である、請求項1~3までのいずれか1項に記載のコンクリート裏面補強工法。
【請求項10】
高圧空気式飛翔体発生装置を用いて下記実験条件のもとで前記繊維シートが取り付けられた前記試験用コンクリートに対して飛翔体を3回衝突させたときに裏面破壊が発生しない、請求項1~3までのいずれか1項に記載のコンクリート裏面補強工法。
実験条件:
・装置:高圧空気式飛翔体発生装置
・飛翔体質量:4.5kg (Φ90mm)
・飛翔体設定速度:20m/s、40m/s
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート裏面補強工法およびコンクリート構造物(「コンクリート構造体」ともいう)に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物に、落石・土石流・雪崩のような比較的質量の大きい物体が低い速度で衝突する場合には、コンクリートに曲げ破壊やせん断破壊等の大変形を伴う全体破壊が生じる。一方、砲弾や爆破物の衝突、台風や竜巻による飛来物衝突等、比較的質量が小さい物体が高速で衝突する場合には、コンクリート表面の破壊・貫入・裏面剥離・貫通のプロセスで局所破壊が進行する。このように、飛翔体の速度が数十m/sから数百m/sの高速衝突を受けるコンクリート部材では、曲げ破壊やせん断破壊による全体破壊とは全く様相が異なる。
【0003】
従来、高速飛翔体の衝突を受けるコンクリート部材として、圧縮強度で400N/mm

程度の高い強度を持つ無孔性コンクリートが検討されている(非特許文献1)。このコンクリートは、28N/mm

程度の一般的なコンクリートと比べて、圧縮強度は14倍以上であるが、部材厚さは30%程度しか薄肉化できないものであった。また、たった1つの欠陥も許さない無孔性を工業的に量産することは困難であり、無孔性であることを担保するためには、全数検査を実施する必要もあり、実用性に乏しいものであった。
【0004】
別の研究でも、コンクリートの圧縮強度の増加による表面局部貫入はやや抑制されるものの、裏面剥離の抑制効果は認められないことが報告されている(非特許文献2)。以上より、コンクリートはマスプロダクションの製作に欠かすことのできない材料であるが、高速飛翔体の衝突に対する裏面破壊を抑制するためには、コンクリートの高強度化は解決策にならないことが明らかである。
【0005】
一方、セラミックスを用いた高速飛翔体の耐衝撃部材も提案されている(特許文献1)。しかしながら、セラミックスはマスプロダクションに適用するには高価な材料であり、経済的な負担が大きくなり過ぎて、適用範囲が限定的である。
【0006】
また、高速飛翔体の衝突によるコンクリートの裏面破壊を防止する方法として、コンクリートの裏面にアラミド繊維や炭素繊維のシートを貼り付ける補強方法も提案されている(非特許文献3)。非特許文献3には、図8に示すように、裏面剥離の発生過程が示されている。図9には裏面剥離の例の画像を示す。図9(a)は非特許文献3に記載されている例であり、図9(b)、9(c)は非特許文献4に記載されている例である。これらは、特にシートによる補強はされていない例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許05405844号公報
【非特許文献】
【0008】
河野ほか、「高速飛翔体衝突に対する繊維補強PFCパネルの防護性能」太平洋セメント研究報告、第180号(2021)
南ほか、「高速飛翔体の衝突に対する各種コンクリート耐衝撃性能評価」コンクリート工学年次論文集、Vol.35、No.1、pp.1255-1260(2013)
別府ほか、「高速衝突を受けるコンクリート板の裏面剥離発生メカニズムと連続繊維シート補強の効果」土木学会論文集A1(構造・地震工学)、Vol.68、No.2、pp.398-412(2012)
別府ほか、「鋼製剛飛翔体の高速衝突を受けるコンクリート板の局部破壊に関する実験的研究」土木学会論文集E,Vol.63,No.1,pp.178-191(2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年、火山噴石の衝突による避難所の被害や竜巻飛来物による建物への被害が多く報告されており、シェルター、防護壁、ビル等のコンクリート構造物の補強方法の確立が求められていた。このような災害では飛来物(飛翔体)が構造物に繰り返して衝突する可能性がある。これまで、単一衝突に対する裏面補強効果の評価は行われているが、飛翔体が繰り返し衝突する場合に関する検討は行われていなかった。
【0010】
本発明は、飛翔体が繰り返し衝突する場合にコンクリートの裏面破壊を抑制する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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