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公開番号2025091048
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-18
出願番号2023206016
出願日2023-12-06
発明の名称カーボンブラックおよびカーボンブラックを評価または選別する方法
出願人デンカ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C09C 1/48 20060101AFI20250611BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】二次電池用導電材として好適であり、より抵抗値の低い電極を形成可能なカーボンブラックを提供すること。
【解決手段】複数の一次粒子が凝集することでそれぞれ形成される複数の凝集粒子を含むカーボンブラックであって、複数の凝集粒子を、X値、Y値およびZ値により区分したとき、X値が0.588以上、Y値が0.833未満且つZ値が0.77未満である第四の凝集粒子の割合が41%以上である、カーボンブラック。
X=a/b …(i)
Y=4πA/P² …(ii)
Z=A/Ac …(iii)
[式中、画像処理システムによる測定用二値画像における、最小フェレー径がa(μm)、最大フェレー径がb(μm)、投影面積がA(μm²)、周囲長がP(μm)、包絡線内面積がAc(μm²)である。]
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項１】
複数の一次粒子が凝集することでそれぞれ形成される複数の凝集粒子を含むカーボンブラックであって、
前記複数の凝集粒子を、下記式（ｉ）により求められるＸ値が０．５８８未満である第一の凝集粒子と、前記Ｘ値が０．５８８以上であり、且つ、下記式（ｉｉ）により求められるＹ値が０．８３３以上である第二の凝集粒子と、前記Ｘ値が０．５８８以上であり、前記Ｙ値が０．８３３未満であり、且つ、下記式（ｉｉｉ）により求められるＺ値が０．７７以上である第三の凝集粒子と、前記Ｘ値が０．５８８以上であり、前記Ｙ値が０．８３３未満であり、且つ、前記Ｚ値が０．７７未満である第四の凝集粒子と、に区分したとき、前記第一の凝集粒子、前記第二の凝集粒子、前記第三の凝集粒子および前記第四の凝集粒子の合計数に対する前記第四の凝集粒子の割合が、４１％以上である、カーボンブラック。
Ｘ＝ａ／ｂ …（ｉ）
Ｙ＝４πＡ／Ｐ
２
…（ｉｉ）
Ｚ＝Ａ／Ａｃ …（ｉｉｉ）
［式中、画像処理システムにより生成された測定用二値画像における、前記凝集粒子の最小フェレー径がａ（μｍ）、前記凝集粒子の最大フェレー径がｂ（μｍ）、前記凝集粒子の投影面積がＡ（μｍ
２
）、前記凝集粒子の周囲長がＰ（μｍ）、前記凝集粒子の包絡線内面積がＡｃ（μｍ
２
）である。
但し、前記画像処理システムは、
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
走査型電子顕微鏡によって撮像された、前記複数の凝集粒子を示すグレースケールの第１原画像を取得し、
前記第１原画像に対して混合ガウスモデルに基づいて第１二値化処理を実行して、前記複数の凝集粒子からなる前景領域と該前景領域以外の背景領域とを区別する第１二値画像を生成し、
前記第１二値画像から、該第１二値画像の一部であって、前記複数の凝集粒子のうち一部の凝集粒子を示す部分画像を生成し、
前記部分画像の各画素の画素値を、該部分画像の該各画素に対応する前記第１原画像の各画素の画素値に変換して、第２原画像を生成し、
前記第２原画像に対して混合ガウスモデルに基づいて第２二値化処理を実行して、前記一部の凝集粒子からなる前景領域と該前景領域以外の背景領域とを区別する前記測定用二値画像を生成する、
画像処理システムである。］
続きを表示（約 1,800 文字）【請求項２】
前記第一の凝集粒子、前記第二の凝集粒子、前記第三の凝集粒子および前記第四の凝集粒子の合計数に対する前記第三の凝集粒子の割合が、１７％以下である、請求項１に記載のカーボンブラック。
【請求項３】
オイル吸収量が、１５０ｍＬ／１００ｇ以上４００ｍＬ／１００ｇ以下である、請求項１に記載のカーボンブラック。
【請求項４】
ＢＥＴ比表面積が、３５ｍ
２
／ｇ以上４００ｍ
２
／ｇ以下である、請求項１に記載のカーボンブラック。
【請求項５】
請求項１～４のいずれか一項に記載のカーボンブラックと、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な活物質と、を含む、電極用組成物。
【請求項６】
請求項５に記載の電極用組成物を含む、電極。
【請求項７】
請求項６に記載の電極を備える、二次電池。
【請求項８】
複数の一次粒子が凝集することでそれぞれ形成される複数の凝集粒子を含むカーボンブラックを評価または選別する方法であって、
画像処理システムにより生成された測定用二値画像を得るステップと、
前記測定用二値画像から、下記式（ｉ）により求められるＸ値が０．５８８未満である第一の凝集粒子と、前記Ｘ値が０．５８８以上であり、且つ、下記式（ｉｉ）により求められるＹ値が０．８３３以上である第二の凝集粒子と、前記Ｘ値が０．５８８以上であり、前記Ｙ値が０．８３３未満であり、且つ、下記式（ｉｉｉ）により求められるＺ値が０．７７以上である第三の凝集粒子と、前記Ｘ値が０．５８８以上であり、前記Ｙ値が０．８３３未満であり、且つ、前記Ｚ値が０．７７未満である第四の凝集粒子と、に区分したときの、前記第一の凝集粒子、前記第二の凝集粒子、前記第三の凝集粒子および前記第四の凝集粒子の合計数に対する前記第四の凝集粒子の割合を求めるステップと、
前記割合に基づいて前記カーボンブラックを評価または選別するステップと、
を含み、
前記画像処理システムは、
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記複数の凝集粒子を示す第１原画像を取得し、
前記第１原画像に対して第１二値化処理を実行して、前記複数の凝集粒子からなる前景領域と該前景領域以外の背景領域とを区別する第１二値画像を生成し、
前記第１原画像および前記第１二値画像に基づき、前記複数の凝集粒子のうち一部の前記凝集粒子を示す第２原画像であって、該第２原画像の各画素の画素値が、該第２原画像の該各画素に対応する該第１原画像の各画素の画素値である、該第２原画像を生成し、
前記第２原画像に対して第２二値化処理を実行して、前記一部の凝集粒子からなる前景領域と該前景領域以外の背景領域とを区別する前記測定用二値画像を生成する、
画像処理システムである、
方法。
Ｘ＝ａ／ｂ …（ｉ）
Ｙ＝４πＡ／Ｐ
２
…（ｉｉ）
Ｚ＝Ａ／Ａｃ …（ｉｉｉ）
［式中、前記画像処理システムにより生成された前記測定用二値画像における、前記凝集粒子の最小フェレー径がａ（μｍ）、前記凝集粒子の最大フェレー径がｂ（μｍ）、前記凝集粒子の投影面積がＡ（μｍ
２
）、前記凝集粒子の周囲長がＰ（μｍ）、前記凝集粒子の包絡線内面積がＡｃ（μｍ
２
）である。］
【請求項９】
前記第１原画像が、グレースケール画像であり、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
混合ガウスモデルに基づいて前記第１二値化処理を実行し、
前記混合ガウスモデルに基づいて前記第２二値化処理を実行する、
請求項８に記載の方法。
【請求項１０】
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記第１二値画像から、該第１二値画像の一部であって、前記複数の凝集粒子のうち前記一部の前記凝集粒子を示す部分画像を生成し、
前記部分画像の各画素の画素値を、該部分画像の該各画素に対応する前記第１原画像の各画素の画素値に変換して、前記第２原画像を生成する、
請求項８または９に記載の方法。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、カーボンブラックおよびカーボンブラックを評価または選別する方法に関する。
続きを表示（約 3,800 文字）【背景技術】
【０００２】
従来から、導電材等としてカーボンブラックが利用されており、様々な特性値を備えるカーボンブラックの開発が検討されている（例えば、特許文献１）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２００９－０３５５９８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
近年、二次電池の需要が増加しており、二次電池用の導電材には更なる特性向上が求められている。
【０００５】
本開示の目的の一つは、二次電池用導電材として好適であり、より抵抗値の低い電極を形成可能なカーボンブラックを提供することにある。また、本開示の目的の一つは、二次電池用導電材として好適なカーボンブラックを評価または選別可能な、方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本開示は、例えば以下の［１］～［１０］に関する。
［１］
複数の一次粒子が凝集することでそれぞれ形成される複数の凝集粒子を含むカーボンブラックであって、
前記複数の凝集粒子を、下記式（ｉ）により求められるＸ値が０．５８８未満である第一の凝集粒子と、前記Ｘ値が０．５８８以上であり、且つ、下記式（ｉｉ）により求められるＹ値が０．８３３以上である第二の凝集粒子と、前記Ｘ値が０．５８８以上であり、前記Ｙ値が０．８３３未満であり、且つ、下記式（ｉｉｉ）により求められるＺ値が０．７７以上である第三の凝集粒子と、前記Ｘ値が０．５８８以上であり、前記Ｙ値が０．８３３未満であり、且つ、前記Ｚ値が０．７７未満である第四の凝集粒子と、に区分したとき、前記第一の凝集粒子、前記第二の凝集粒子、前記第三の凝集粒子および前記第四の凝集粒子の合計数に対する前記第四の凝集粒子の割合が、４１％以上である、カーボンブラック。
Ｘ＝ａ／ｂ …（ｉ）
Ｙ＝４πＡ／Ｐ
２
…（ｉｉ）
Ｚ＝Ａ／Ａｃ …（ｉｉｉ）
［式中、画像処理システムにより生成された測定用二値画像における、前記凝集粒子の最小フェレー径がａ（μｍ）、前記凝集粒子の最大フェレー径がｂ（μｍ）、前記凝集粒子の投影面積がＡ（μｍ
２
）、前記凝集粒子の周囲長がＰ（μｍ）、前記凝集粒子の包絡線内面積がＡｃ（μｍ
２
）である。
但し、前記画像処理システムは、
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
走査型電子顕微鏡によって撮像された、前記複数の凝集粒子を示すグレースケールの第１原画像を取得し、
前記第１原画像に対して混合ガウスモデルに基づいて第１二値化処理を実行して、前記複数の凝集粒子からなる前景領域と該前景領域以外の背景領域とを区別する第１二値画像を生成し、
前記第１二値画像から、該第１二値画像の一部であって、前記複数の凝集粒子のうち一部の凝集粒子を示す部分画像を生成し、
前記部分画像の各画素の画素値を、該部分画像の該各画素に対応する前記第１原画像の各画素の画素値に変換して、第２原画像を生成し、
前記第２原画像に対して混合ガウスモデルに基づいて第２二値化処理を実行して、前記一部の凝集粒子からなる前景領域と該前景領域以外の背景領域とを区別する前記測定用二値画像を生成する、
画像処理システムである。］
［２］
前記第一の凝集粒子、前記第二の凝集粒子、前記第三の凝集粒子および前記第四の凝集粒子の合計数に対する前記第三の凝集粒子の割合が、１７％以下である、［１］に記載のカーボンブラック。
［３］
オイル吸収量が、１５０ｍＬ／１００ｇ以上４００ｍＬ／１００ｇ以下である、［１］または［２］に記載のカーボンブラック。
［４］
ＢＥＴ比表面積が、３５ｍ
２
／ｇ以上４００ｍ
２
／ｇ以下である、［１］～［３］のいずれか一つに記載のカーボンブラック。
［５］
［１］～［４］のいずれか一つに記載のカーボンブラックと、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な活物質と、を含む、電極用組成物。
［６］
［５］に記載の電極用組成物を含む、電極。
［７］
［６］に記載の電極を備える、二次電池。
［８］
複数の一次粒子が凝集することでそれぞれ形成される複数の凝集粒子を含むカーボンブラックを評価または選別する方法であって、
画像処理システムにより生成された測定用二値画像を得るステップと、
前記測定用二値画像から、下記式（ｉ）により求められるＸ値が０．５８８未満である第一の凝集粒子と、前記Ｘ値が０．５８８以上であり、且つ、下記式（ｉｉ）により求められるＹ値が０．８３３以上である第二の凝集粒子と、前記Ｘ値が０．５８８以上であり、前記Ｙ値が０．８３３未満であり、且つ、下記式（ｉｉｉ）により求められるＺ値が０．７７以上である第三の凝集粒子と、前記Ｘ値が０．５８８以上であり、前記Ｙ値が０．８３３未満であり、且つ、前記Ｚ値が０．７７未満である第四の凝集粒子と、に区分したときの、前記第一の凝集粒子、前記第二の凝集粒子、前記第三の凝集粒子および前記第四の凝集粒子の合計数に対する前記第四の凝集粒子の割合を求めるステップと、
前記割合に基づいて前記カーボンブラックを評価または選別するステップと、
を含み、
前記画像処理システムは、
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記複数の凝集粒子を示す第１原画像を取得し、
前記第１原画像に対して第１二値化処理を実行して、前記複数の凝集粒子からなる前景領域と該前景領域以外の背景領域とを区別する第１二値画像を生成し、
前記第１原画像および前記第１二値画像に基づき、前記複数の凝集粒子のうち一部の前記凝集粒子を示す第２原画像であって、該第２原画像の各画素の画素値が、該第２原画像の該各画素に対応する該第１原画像の各画素の画素値である、該第２原画像を生成し、
前記第２原画像に対して第２二値化処理を実行して、前記一部の凝集粒子からなる前景領域と該前景領域以外の背景領域とを区別する前記測定用二値画像を生成する、
画像処理システムである、
方法。
Ｘ＝ａ／ｂ …（ｉ）
【発明の効果】
【０００７】
本開示によれば、二次電池用導電材として好適であり、より抵抗値の低い電極を形成可能なカーボンブラックが提供される。また、本開示によれば、二次電池用導電材として好適なカーボンブラックを評価または選別可能な、方法を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
画像処理システムの機能構成の一例を示す図である。
画像処理システムとして機能し得るコンピュータの一般的なハードウェア構成を示す図である。
画像処理システムでの処理の一例を示すフローチャートである。
第１原画像の一例を示す図である。
第１原画像における画素値のヒストグラムの一例を示す図である。
第１二値化処理の一例を示す図である。
第２原画像の生成方法の一例を示すフローチャートである。
第２原画像の生成方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下、添付図面を参照しながら本開示での実施形態を詳細に説明する。図面の説明において同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【００１０】
本開示に係る方法は、後述の画像処理システムにより生成された測定用二値画像に基づいて、カーボンブラックを評価または選別する方法である。カーボンブラックは、複数の一次粒子が凝集することでそれぞれ形成される複数の凝集粒子を含む。本開示に係る方法は、測定用二値画像から、式（ｉ）により求められるＸ値、式（ｉｉ）により求められるＹ値、および式（ｉｉｉ）により求められるＺ値に基づいて凝集粒子の区分を行い、区分された凝集粒子の割合によってカーボンブラックを評価または選別する方法であってよい。
Ｘ＝ａ／ｂ …（ｉ）
Ｙ＝４πＡ／Ｐ
２
…（ｉｉ）
Ｚ＝Ａ／Ａｃ …（ｉｉｉ）
［式中、画像処理システムにより生成された測定用二値画像における、凝集粒子の最小フェレー径がａ（μｍ）、凝集粒子の最大フェレー径がｂ（μｍ）、凝集粒子の投影面積がＡ（μｍ
２
）、凝集粒子の周囲長がＰ（μｍ）、凝集粒子の包絡線内面積がＡｃ（μｍ
２
）である。］
（【００１１】以降は省略されています）

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