TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025099759
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2023216669
出願日2023-12-22
発明の名称コンクリート補強工法およびコンクリート構造物
出願人デンカ株式会社
代理人個人
主分類E04G 23/02 20060101AFI20250626BHJP(建築物)
要約【課題】コンクリートの構造物において、衝撃を受ける面とは反対の面に繊維強化樹脂シートを取り付けて補強を行うとともに、ダメージを受けた場合にダメージの程度を把握しやすくする技術を提供する。
【解決手段】コンクリート1の一方の面(表面11)に飛翔体2の衝突によって前記一方の面(表面11)と反対側の他方の面(裏面12)が破壊される裏面破壊を防止するために、前記他方の面(裏面12)に透光性を有し補強繊維を有する繊維強化樹脂シート3を取り付けるコンクリート補強工法であって、前記繊維強化樹脂シート3が前記コンクリート1に前記他方の面(裏面12)に取り付けられた状態で、前記コンクリート1の前記他方の面(裏面12)に発現した裏面破壊を、前記繊維強化樹脂シート3を通して外部から視認できる、コンクリート補強工法が提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
コンクリートの一方の面に飛翔体の衝突によって前記一方の面と反対側の他方の面が破壊される裏面破壊を防止するために、前記他方の面に透光性を有し補強繊維を有する繊維強化樹脂シートを取り付けるコンクリート補強工法であって、
前記繊維強化樹脂シートが前記コンクリートに前記他方の面に取り付けられた状態で、前記コンクリートの前記他方の面に発現した裏面破壊を、前記繊維強化樹脂シートを通して外部から視認できる、コンクリート補強工法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記繊維強化樹脂シートは透明基材を有してなる、請求項1に記載のコンクリート補強工法。
【請求項3】
前記繊維強化樹脂シートはガラス繊維シートに樹脂が含浸・硬化したものである、請求項2に記載のコンクリート補強工法。
【請求項4】
前記繊維強化樹脂シートは接着剤を用いて前記コンクリートに取り付けられており、
前記接着剤は、(メタ)アクリル樹脂系接着剤およびエポキシ系樹脂の少なくとも一方を含む、請求項1または2に記載のコンクリート補強工法。
【請求項5】
前記接着剤の塗布量が、200g/m

以上2000g/m

以下である、請求項4に記載のコンクリート補強工法。
【請求項6】
タテ500mm×ヨコ500mm×厚さ80mmの形状であって圧縮強度が53N/mm

である規格化したコンクリートに対して適用した修正NDRC式によって算出される裏面剥離限界エネルギーをU1とし、
前記規格化したコンクリートの裏面に前記繊維強化樹脂シートを取り付けて、前記飛翔体の一回の衝突により裏面破壊が発生するときの衝突エネルギーをU2としたときに、
U2/U1≧1.2である、
請求項1から3までのいずれか1項に記載のコンクリート補強工法。
【請求項7】
前記コンクリートの前記他方の面に前記繊維強化樹脂シートを取り付ける工程は、前記繊維強化樹脂シートをプリプレグ化した後に接着剤を用いて前記コンクリートに接着する、請求項1から3までのいずれか1項に記載のコンクリート補強工法。
【請求項8】
プリプレグ化のために前記繊維強化樹脂シートに含浸させる樹脂の含浸量は50g/m

以上1400g/m

以下である、請求項7に記載のコンクリート補強工法。
【請求項9】
前記繊維強化樹脂シートの目付量が、200g/m

以上1400g/m

以下である、請求項1から3までのいずれか1項に記載のコンクリート補強工法。
【請求項10】
コンクリートの構造物に用いられ、前記コンクリートにおいて一面が外に向いており、前記一面の反対面に透光性を有し補強繊維を有する繊維強化樹脂シートを取り付けるコンクリート補強工法であって、
前記繊維強化樹脂シートが前記コンクリートの前記反対面に取り付けられた状態で、外を向いている面に物体が衝突したことによって前記コンクリートの前記反対面に発現した破壊状態を、前記繊維強化樹脂シートを通して外部から視認できる、コンクリート補強工法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートの一面に繊維強化樹脂シートを貼り付けて補強を施すコンクリート補強工法およびコンクリートの一面に繊維強化樹脂シートを備えるコンクリート構造物(「コンクリート構造体」ともいう)に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物に、落石・土石流・雪崩のような比較的質量の大きい物体が低い速度で衝突する場合には、コンクリートに曲げ破壊やせん断破壊等の大変形を伴う全体破壊が生じる。一方、砲弾や爆破物の衝突、台風や竜巻による飛来物衝突等、比較的質量が小さい物体が高速で衝突する場合には、コンクリート表面の破壊・貫入・裏面剥離・貫通のプロセスで局所破壊が進行する。このように、飛翔体の速度が数十m/sから数百m/sの高速衝突を受けるコンクリート部材では、曲げ破壊やせん断破壊による全体破壊とは全く様相が異なる。
【0003】
従来、高速飛翔体の衝突を受けるコンクリート部材として、圧縮強度400N/mm

程度の高い強度を持つ無孔性コンクリートが検討されている(非特許文献1)。このコンクリートは、28N/mm

程度の一般的なコンクリートと比べて、圧縮強度は14倍以上であるが、部材厚さは30%程度しか薄肉化できないものであった。また、たった1つの欠陥も許さない無孔性を工業的に量産することは困難であり、無孔性であることを担保するためには、全数検査を実施する必要もあり、実用性に乏しいものであった。
【0004】
別の研究でも、コンクリートの圧縮強度の増加による表面局部貫入はやや抑制されるものの、裏面剥離の抑制効果は認められないことが報告されている(非特許文献2)。以上より、コンクリートはマスプロダクションの製作に欠かすことのできない材料であるが、高速飛翔体の衝突に対する裏面破壊を抑制するためには、コンクリートの高強度化は解決策にならないことが明らかである。
【0005】
一方、セラミックスを用いた高速飛翔体の耐衝撃部材も提案されている(特許文献1)。しかしながら、セラミックスはマスプロダクションに適用するには高価な材料であり、経済的な負担が大きくなり過ぎて、適用範囲が限定的である。
【0006】
また、高速飛翔体の衝突によるコンクリートの裏面破壊を防止する方法として、コンクリートの裏面にアラミド繊維や炭素繊維のシートを貼り付ける補強方法も提案されている(非特許文献3)。非特許文献3には、図12に示すように、裏面剥離の発生過程が示されている。図13には裏面剥離の例の画像を示す。図13(a)は非特許文献3に記載されている例であり、図13(b)、13(c)は非特許文献4に記載されている例である。これらは、特にシートによる補強はされていない例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許05405844号公報
【非特許文献】
【0008】
河野ほか、「高速飛翔体衝突に対する繊維補強PFCパネルの防護性能」太平洋セメント研究報告、第180号(2021)
南ほか、「高速飛翔体の衝突に対する各種コンクリート耐衝撃性能評価」コンクリート工学年次論文集、Vol.35、No.1、pp.1255-1260(2013)
別府ほか、「高速衝突を受けるコンクリート板の裏面剥離発生メカニズムと連続繊維シート補強の効果」土木学会論文集A1(構造・地震工学)、Vol.68、No.2、pp.398-412(2012)
別府ほか、「鋼製剛飛翔体の高速衝突を受けるコンクリート板の局部破壊に関する実験的研究」土木学会論文集E,Vol.63,No.1,pp.178-191(2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年、火山噴石の衝突による避難所の被害や竜巻飛来物による建物への被害が多く報告されており、シェルター、防護壁、ビル等のコンクリート構造物の補強方法の確立が求められている。このような、コンクリート構造は、飛来物によるダメージを受けたからといって、被害を受けた対象を直ぐには補修等はできず、一部についてはある程度の期間はそのまま継続して使用する必要がある。そのためには、どのコンクリート構造物がそのまま継続して使用できるか、または早急な補修が必要かを判断する必要がある。
【0010】
本発明は、コンクリートの構造物において、補強後の強度を十分に高めるとともに、ダメージを受けた場合にダメージの程度を把握しやすくする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

デンカ株式会社
照明装置
17日前
デンカ株式会社
道路用照明
17日前
デンカ株式会社
積層体及び構造体
8日前
デンカ株式会社
植物育成用照明装置
15日前
デンカ株式会社
パテ状耐火組成物、パテ
22日前
デンカ株式会社
Ceで付活されたαサイアロン蛍光体
10日前
デンカ株式会社
二軸延伸シート、多層シート、及び成形品
17日前
デンカ株式会社
樹脂充填板の製造方法、及び、樹脂充填板
1日前
デンカ株式会社
二軸延伸シート、多層シート、及び成形品
17日前
デンカ株式会社
カーボンブラックを評価または選別する方法
16日前
デンカ株式会社
コンクリート補強工法およびコンクリート構造物
1日前
デンカ株式会社
樹脂溶液、及びその硬化体、並びにその製造方法
22日前
デンカ株式会社
Ceで付活されたαサイアロン蛍光体の製造方法
10日前
デンカ株式会社
コンクリート裏面補強工法およびコンクリート構造物
1日前
デンカ株式会社
3Dデータの製造方法、傾斜検出方法、及びプログラム
22日前
デンカ株式会社
画像処理システム、画像処理方法、および画像処理プログラム
16日前
デンカ株式会社
画像処理システム、画像処理方法、および画像処理プログラム
16日前
デンカ株式会社
セラミックス基板、セラミックス基板の製造方法及び積層基板
8日前
デンカ株式会社
セラミックス基板、セラミックス基板の製造方法及び積層基板
8日前
デンカ株式会社
カーボンブラックおよびカーボンブラックを評価または選別する方法
16日前
デンカ株式会社
酸化マグネシウム粉末及びその製造方法、混合粉末、並びに樹脂組成物
2日前
デンカ株式会社
モルタル組成物、補修材及びコンクリート組成物
23日前
デンカ株式会社
耐火ウレタンフォーム組成物、耐火ウレタンフォーム組成物の製造方法、耐火ウレタンフォーム目地材
22日前
デンカ株式会社
ゴム組成物、その架橋物、及びアクリルゴムの製造方法
8日前
デンカ株式会社
IgG結合ペプチドを用いたIgG抗体の部位特異的修飾体を用いた免疫測定方法
8日前
個人
キャチクランプ
1か月前
個人
水害と共にある家
1か月前
個人
地下型マンション
1日前
個人
津波と共にある漁港
1か月前
株式会社タナクロ
テント
4日前
個人
鋼管結合資材
1日前
個人
壁断熱パネル
28日前
個人
地滑りと共にある山荘
1か月前
個人
パーティション
1か月前
積水樹脂株式会社
フェンス
2か月前
個人
循環流水式屋根融雪装置
3日前
続きを見る