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公開番号2025015464
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2024113040
出願日2024-07-16
発明の名称水素の生産方法、及び水素生産システム
出願人京都府公立大学法人
代理人個人,個人
主分類C01B 3/02 20060101AFI20250123BHJP(無機化学)
要約【課題】有機化合物や植物バイオマス等の生物資源由来物を原料とする新規の水素の生産技術の提供。
【解決手段】有機化合物からなる固体又は液体の第一有機原料と、固体のアルカリ金属水酸化物からなる第二固体原料とを混合した固体含有混合物を、20℃~300℃の所定温度に保持し、前記固体含有混合物から水素を発生させる。植物バイオマス又は微生物に由来する第一固体原料と、固体のアルカリ金属水酸化物からなる第二固体原料とを混合した固体状混合物を、20℃~300℃の所定温度に保持し、前記固体状混合物から水素を発生させる。植物バイオマスとして木質バイオマスが挙げられる。第一固体原料として木片、木チップ、木屑、木粉、セルロース、リグニンスルホン酸若しくはその塩、及びグルコースが挙げられる。アルカリ金属水酸化物として水酸化ナトリウムと水酸化カリウムが挙げられる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
有機化合物からなる固体又は液体の第一有機原料と、固体のアルカリ金属水酸化物からなる第二固体原料とを混合した固体含有混合物を、20℃~300℃の所定温度に保持し、前記固体含有混合物から水素を発生させる、水素の生産方法。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
植物バイオマス又は微生物に由来する第一固体原料と、固体のアルカリ金属水酸化物からなる第二固体原料とを混合した固体状混合物を、20℃~300℃の所定温度に保持し、前記固体状混合物から水素を発生させる、水素の生産方法。
【請求項3】
前記第一固体原料は、木質バイオマスに由来するものである、請求項2に記載の水素の生産方法。
【請求項4】
前記第一固体原料は、木片、木チップ、木屑、木粉、セルロース、リグニンスルホン酸若しくはその塩、及びグルコースからなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項2に記載の水素の生産方法。
【請求項5】
前記アルカリ金属水酸化物は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである、請求項1又は2に記載の水素の生産方法。
【請求項6】
前記固体含有混合物又は前記固体状混合物を前記所定温度に1分以上保持する、請求項1又は2に記載の水素の生産方法。
【請求項7】
前記固体含有混合物又は前記固体状混合物を攪拌しながら前記所定温度に保持する、請求項1又は2に記載の水素の生産方法。
【請求項8】
酸素を15体積%以上含む雰囲気下で行われる、請求項1又は2に記載の水素の生産方法。
【請求項9】
二酸化炭素を15体積%以上含む雰囲気下で行われる、請求項1又は2に記載の水素の生産方法。
【請求項10】
前記第一固体原料は、木質バイオマスに由来するものであり、
前記アルカリ金属水酸化物は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムであり、
前記固体状混合物を攪拌しながら前記所定温度に1分以上保持するものであり、
酸素を15体積%以上含む雰囲気下で行われる、請求項2に記載の水素の生産方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水素の生産方法、及び水素生産システムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
水素の製造技術の1つとして、化石資源を原料とする方法が知られている。例えば、石炭を400℃以上の高温でガス化し、水素を製造することができる。しかしながら、この方法では通常は1000℃付近での反応がよく用いられており、高温処理が必要である。そのため、原料を不活性雰囲気下で処理する必要がある。また、大量に副生する二酸化炭素を除去する必要もある。
【0003】
バイオマスは、再生可能な、生物由来の有機性資源(化石燃料は除く)、と定義されている。そして、バイオマスを原料として用いる水素の製造技術も知られている。1つの例として、水素発酵を利用する技術がある(例えば、特許文献1)。しかし、この技術では微生物を培養するため、多くの化学物質が必要である、雑菌の混入を防ぐために無菌操作が必要である、嫌気発酵を行うため空気を遮断する装置が必要である、等の課題がある。別の例として、バイオマス原料を不活性雰囲気下で350℃程度以上の高温処理を行うガス化技術がある。しかし、この技術も高温処理を必要とし、空気を遮断する必要があるなどの課題がある。また、この技術においても、水素の純度を上げるために、大量に副生する二酸化炭素を除去する必要がある。さらに、タールと呼ばれる液体が生成し、これが冷えると固化するため装置の配管内に詰まるといった問題点がある。
【0004】
植物に由来するバイオマス(植物バイオマス)を原料とする水素の生産技術に関連して、非特許文献1には、セルロースを水酸化ナトリウム及び水蒸気と反応させて、水素を製造する技術が開示されている。具体的には、セルロースと50%水酸化ナトリウム水溶液との混合物を、アルゴンガスを伴った水蒸気に晒し、200~500℃程度に加熱して水素を発生させている。この技術によれば、一酸化炭素及び二酸化炭素を含まない高純度の水素を製造できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-3077号公報
【非特許文献】
【0006】
Minoru Ishida et al., "Production of COx-Free Hydrogen from Biomass and NaOH Mixture: Effect of Catalysts", Energy & Fuels 2006, 20, 748-753
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献1に記載の技術では、水酸化ナトリウムの水溶液を用いており、水素を発生させる混合物(反応物)が液状である。そのため、反応物の取扱いが容易でない。また、アルゴンガス雰囲気等の、酸素を含まない不活性雰囲気下でプロセスを行う必要があり、さらに、反応に水蒸気を必要とするなど、操作が煩雑である。
【0008】
そこで本発明は、有機化合物、特に、植物バイオマス等の生物資源由来物を原料とする水素の生産技術であって、反応物の取扱いが容易で、より簡便な操作で水素を生産することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、有機化合物からなる固体又は液体の第一有機原料と、固体のアルカリ金属水酸化物からなる第二固体原料とを混合した固体含有混合物を、20℃~300℃の所定温度に保持し、前記固体含有混合物から水素を発生させる、水素の生産方法である。
【0010】
本態様の水素の生産方法では、有機化合物からなる固体又は液体の第一有機原料と、固体のアルカリ金属水酸化物からなる第二固体原料を用いる。そして、これらを混合した固体含有混合物を所定温度に保持し、当該固体含有混合物から水素を発生させる。本態様の方法では、固体のアルカリ金属水酸化物を用いるので、反応物の取扱いが容易である。また、単に固体含有混合物を所定温度で保持するだけでよく、その他の原料や操作、例えば水蒸気を必要としない。特別の触媒も必要としない。また、酸素を含む雰囲気下(例えば空気雰囲気下)、二酸化炭素を含む雰囲気下でも実施できるので、アルゴン等の不活性ガスを用いる必要がなく、操作が簡便である。さらに、20℃~300℃の所定温度に保持するので、タールの発生が抑えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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