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公開番号
2025027493
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-28
出願番号
2023132245
出願日
2023-08-15
発明の名称
炭素生成システム及び炭素生成方法
出願人
株式会社IHI
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C01B
32/05 20170101AFI20250220BHJP(無機化学)
要約
【課題】水素及び二酸化炭素を含む原料からメタンを生成する反応と、メタンを含む原料から炭素を生成する反応とを同一の反応器で実施し、二酸化炭素濃度を制御することで反応性を向上させた炭素生成システム及び炭素生成方法を提供する。
【解決手段】炭素生成システム1は、水素及び二酸化炭素を含む原料からメタン及び水を生成する反応器10と、水素を反応器10に供給する水素供給部20と、二酸化炭素を反応器10に供給する二酸化炭素供給部25と、反応器10の入口と出口とを接続し、反応器10で生成されたメタンを反応器10へ戻す循環流路30と、循環流路30に設けられ、反応器で生成されたメタン及び水を含むガスから、少なくとも一部の水を除去する水除去部40と、を備える。反応器10内のガスと触媒との接触によって炭素を生成し、反応器10内における二酸化炭素の濃度を5体積%以上30体積%以下に制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
水素及び二酸化炭素を含む原料からメタン及び水を生成する反応器と、
水素を前記反応器に供給する水素供給部と、
二酸化炭素を前記反応器に供給する二酸化炭素供給部と、
前記反応器の入口と出口とを接続し、前記反応器で生成されたメタンを前記反応器へ戻す循環流路と、
前記循環流路に設けられ、前記反応器で生成された前記メタン及び前記水を含むガスから、少なくとも一部の前記水を除去する水除去部と、
を備え、
前記反応器内のガスと触媒との接触によって炭素を生成し、
前記反応器内における二酸化炭素の濃度を5体積%以上30体積%以下に制御する、炭素生成システム。
続きを表示(約 680 文字)
【請求項2】
入口及び出口が循環流路に接続された反応器で炭素を生成する炭素生成方法であって、
前記反応器に水素及び二酸化炭素を供給する工程と、
前記水素及び前記二酸化炭素を含む原料からメタン及び水を前記反応器で生成する工程と、
前記循環流路において、前記反応器で生成された前記メタン及び前記水を含むガスから、少なくとも一部の前記水を除去する工程と、
少なくとも一部の前記水を除去したガスを前記反応器へ供給する工程と、
前記反応器内のガスと触媒との接触によって炭素を前記反応器で生成する工程と、
前記反応器内における二酸化炭素の濃度を5体積%以上30体積%以下に制御する工程と、
を含む、炭素生成方法。
【請求項3】
前記反応器内におけるガスの濃度を測定する工程をさらに含み、
前記反応器内におけるガスの濃度を測定する工程において、測定対象となるガスは、二酸化炭素、水素、一酸化炭素及びメタンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項2に記載の炭素生成方法。
【請求項4】
前記反応器内におけるガスの濃度を測定する工程において、測定対象となるガスは、二酸化炭素を含有する、請求項3に記載の炭素生成方法。
【請求項5】
前記反応器内における二酸化炭素の濃度を5体積%以上30体積%以下に制御する工程において、二酸化炭素に対する水素の供給流量比を調整することによって二酸化炭素の濃度を制御する、請求項2又は3に記載の炭素生成方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、炭素生成システム及び炭素生成方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素は、地球温暖化の原因として問題視されており、世界的に二酸化炭素の排出を抑制する動きが活発化している。大気中への二酸化炭素の排出量を削減し、二酸化炭素を有効に利用する方法として、水素及び二酸化炭素を固体の炭素に変換する方法がある。
【0003】
特許文献1には、第1反応炉と凝縮器と第2反応炉と熱交換器とを含む二酸化炭素の固定化システムが開示されている。第1反応炉は、水素と二酸化炭素とを触媒の存在下で反応させてメタン及び水蒸気を含む混合ガスを生成する。凝縮器は、第1反応炉で生成された混合ガス中の水分を凝縮する。第2反応炉は、メタンガスからカーボンなどの炭素製品を製造する。熱交換器は、第1反応炉で生成された混合ガスと、第2反応炉へ供給されるメタンガスとの間で熱交換する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2005-60137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、第1反応炉での反応は発熱反応であり、第2反応炉での反応は吸熱反応である。そして、特許文献1では、第1反応炉で生成された混合ガスと、第2反応炉へ供給されるメタンガスとの間で熱交換することにより、第1反応炉で生成された熱エネルギーを回収してシステムのエネルギー効率を向上させている。このことから、水素及び二酸化炭素を含む原料からメタンを生成する反応と、生成された混合ガスを再循環ガスとして使用して、再循環ガス中のメタンから炭素を生成する反応とを同一の反応器で実施することで、二酸化炭素から炭素を生成することができる。
【0006】
このような再循環ガスを伴うプロセスの場合、排ガスが発生しないため、反応器内のガス組成を適切な範囲に保ちつつ、ガスを供給し続けることが必要である。また、水素及び二酸化炭素から炭素を生成する化学反応式において、二酸化炭素に対する水素のモル比は2であるが、工業的に利用するときには誤差があり、その誤差の蓄積により反応器内のガスの組成は長期的に変わり得る。そのため、反応器内のガス濃度を測定し、最適なガス濃度に制御するシステムを構築することが課題であった。
【0007】
本開示は、水素及び二酸化炭素を含む原料からメタンを生成する反応と、メタンを含む原料から炭素を生成する反応とを同一の反応器で実施し、二酸化炭素濃度を制御することで反応性を向上させた炭素生成システム及び炭素生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る炭素生成システムは、水素及び二酸化炭素を含む原料からメタン及び水を生成する反応器と、水素を反応器に供給する水素供給部と、二酸化炭素を反応器に供給する二酸化炭素供給部と、を備えている。炭素生成システムは、反応器の入口と出口とを接続し、反応器で生成されたメタンを反応器へ戻す循環流路と、循環流路に設けられ、反応器で生成されたメタン及び水を含むガスから、少なくとも一部の水を除去する水除去部と、を備えている。炭素生成システムは、反応器内のガスと触媒との接触によって炭素を生成する。そして、炭素生成システムは、反応器内における二酸化炭素の濃度を5体積%以上30体積%以下に制御する。
【0009】
本開示に係る炭素生成方法は、入口及び出口が循環流路に接続された反応器で炭素を生成する炭素生成方法である。炭素生成方法は、反応器に水素及び二酸化炭素を供給する工程を含む。炭素生成方法は、水素及び二酸化炭素を含む原料からメタン及び水を反応器で生成する工程を含む。炭素生成方法は、循環流路において、反応器で生成されたメタン及び水を含むガスから、少なくとも一部の水を除去する工程を含む。炭素生成方法は、少なくとも一部の水を除去したガスを反応器へ供給する工程を含む。炭素生成方法は、反応器内のガスと触媒との接触によって炭素を反応器で生成する工程を含む。炭素生成方法は、反応器内における二酸化炭素の濃度を5体積%以上30体積%以下に制御する工程を含む。
【0010】
炭素生成方法は、反応器内におけるガスの濃度を測定する工程をさらに含んでいてもよく、反応器内におけるガスの濃度を測定する工程において、測定対象となるガスは、二酸化炭素、水素、一酸化炭素及びメタンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有してもよい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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