TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025101846
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-08
出願番号2023218902
出願日2023-12-26
発明の名称墜落制止用器具の監視システム
出願人株式会社IHIインフラシステム
代理人弁理士法人アテンダ国際特許事務所
主分類G08B 21/24 20060101AFI20250701BHJP(信号)
要約【課題】既存の墜落制止用器具を改造等が不要であり導入コストが低い墜落制止用器具の監視システムを提供する。
【解決手段】ランヤード30のフック32を保持するフック保持具40を備えた墜落制止用器具10の監視システムであって、マイク110と、ランヤード30のフック32をフック保持具40保持部材に保持させる際に発生する第1の音、フック32をフック保持具40から外す際に発生する第2の音、フック32を取付設備2に掛ける際に発生する第3の音、フック32を取付設備から外す際に発生する第4の音とが含まれる音データを学習データとして、入力された音から墜落制止用器具の使用状況を出力するよう学習された学習済みモデル120と、マイク110により集音された音を学習済みモデル120に入力して得られた出力結果に基づき墜落制止用器具の使用状況又は警告の少なくとも一方を出力する出力部130とを備えた。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
墜落制止用器具の使用状況を監視する監視システムであって、
前記墜落制止用器具は、利用者に装着される墜落制止用器具本体と、一端側が前記墜落制止用器具本体に接続するとともに他端側にフックが設けられたランヤードとを備え、前記墜落制止用器具本体には前記フックを保持するフック保持部材が設けられており、
前記監視システムは、
利用者の周囲の音を集音するマイクと、
前記フックを前記フック保持部材から外してから取付設備に掛けるランヤードの使用開始動作の際に発生する音と、前記フックを前記取付設備から外してから前記フック保持部材に保持させるランヤードの使用終了動作の際に発生する音が含まれる音データを学習データとして、入力された音から墜落制止用器具の使用状況が使用中であるか非使用中であるかを出力するよう学習された学習済みモデルと、
前記マイクにより集音された音を前記学習済みモデルに入力して得られた出力結果に基づき墜落制止用器具の使用状況又は当該使用状況に基づく警告の少なくとも一方を出力する出力部とを備えた
ことを特徴とする墜落制止用器具の監視システム。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記学習済みモデルの学習で用いられる音データは、前記フックを前記フック保持部材から外す際に発生する第1の音の発生から、当該第1の音の発生から時間をおいた前記フックを前記取付設備に掛ける際に発生する第2の音の発生までの一連の音と、前記フックを前記取付設備から外す際に発生する第3の音の発生から、当該第3の音の発生から時間をおいた前記フックを前記フック保持部材に保持させる際に発生する第4の音の発生までの一連の音とを含む
ことを特徴とする請求項1記載の墜落制止用器具の監視システム。
【請求項3】
前記学習済みモデルは、
入力された音データから、前記フックを前記フック保持部材から外してから前記取付設備に掛けるランヤードの使用開始動作と、前記フックを前記取付設備から外してから前記フック保持部材に保持させるランヤードの使用終了動作とを検出して、当該検出結果を出力するよう学習された第1の学習済みモデルと、
前記第1の学習済みモデルの出力から墜落制止用器具の使用状況が使用中であるか非使用中であるかを出力するよう学習された第2の学習済みモデルとを含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の墜落制止用器具の監視システム。
【請求項4】
前記学習済みモデルは、
入力された音データから、前記第1~第4の音を検出して当該検出結果を出力するよう学習された第1の学習済みモデルと、
前記第1の学習済みモデルの出力および当該出力の経時的変化に基づき墜落制止用器具の使用状況が使用中であるか非使用中であるかを出力するよう学習された第2の学習済みモデルとを含む
ことを特徴とする請求項2に記載の墜落制止用器具の監視システム。
【請求項5】
前記墜落制止用器具は前記ランヤードを2本備え、前記墜落制止用器具本体は前記ランヤードに対応して前記フック保持部材が左右一対に設けられており、
前記学習済みモデルは、フックおよびフック保持部材の左右を識別するよう学習されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の墜落制止用器具の監視システム。
【請求項6】
前記出力部は、前記学習済みモデルの出力が非使用中である状態が所定時間継続している場合に所定の警告を出力する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の墜落制止用器具の監視システム。
【請求項7】
利用者の現在位置を検出する位置検出手段を備え、
前記出力部は、利用者の現在位置が予め設定された警告対象エリア内にあり且つ前記学習済みモデルの出力が非使用中である場合に所定の警告を出力する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の墜落制止用器具の監視システム。
【請求項8】
利用者の移動速度を検出する移動速度検出手段を備え、
前記出力部は、利用者の移動速度が所定の閾値以下であり且つ前記学習済みモデルの出力が非使用中である場合に所定の警告を出力する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の墜落制止用器具の監視システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高所作業現場における作業員の墜落制止用器具の使用状況を監視するシステムに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
工事現場等の高所での作業の際には、作業員には墜落制止用器具の着用が義務づけられている。墜落制止用器具は、作業員の体に装着される墜落制止用器具本体である人体ベルトと、人体ベルトに一端が連結するとともに他端にフックが設けられたランヤードとを備える。作業員は、高所作業に先立ち墜落制止用器具を装着し、高所作業現場においては親綱や足場の手すりや建築物などの取付設備にフックを掛け、その後に高所作業を行う。なお、墜落制止用器具は安全帯とも呼ばれる。
【0003】
墜落事故を防止するためには、作業員が墜落制止用器具を正しく且つ確実に使用することが肝要である。そこで、作業員に対して墜落制止用器具の装着を促すとともに使用状況を管理するためのシステムが提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載のものでは、感圧センサや開閉センサなどのセンサ類及びセンサ信号を無線で送信する送信回路をフックに設けるとともに、人体ベルトにコントロールボックスを設けている。コントロールボックスは、センサ信号受信部と、スピーカと、LEDと、制御装置とを備えている。コントロールボックスの制御装置は、フックから受信したセンサ信号に基づき、スピーカやLEDを用いた各種報知制御を行うとともに、無線通信によりパーソナルコンピュータに墜落制止用器具の使用状態を送信する。パーソナルコンピュータは、コントロールボックスから受信した使用状態を管理するとともに、必要に応じて報知制御を行う。管理者は、パーソナルコンピュータを操作することにより、作業員の墜落制止用器具の使用状況を監視する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5116815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載のものでは、墜落制止用器具としてセンサ類を取り付けた専用フックを用いており、既存の墜落制止用器具のランヤードを用いることができず導入コストが高いという問題がある。また、特許文献1に記載のものでは、コントロールボックスが人体ベルトに一体に設けられているので、既存の人体ベルトを用いることができず導入コストが高いという問題がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、既存の墜落制止用器具を改造等が不要であり導入コストが低い墜落制止用器具の監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願発明は、墜落制止用器具の使用状況を監視する監視システムであって、前記墜落制止用器具は、利用者に装着される墜落制止用器具本体と、一端側が前記墜落制止用器具本体に接続するとともに他端側にフックが設けられたランヤードとを備え、前記墜落制止用器具本体には前記フックを保持するフック保持部材が設けられており、前記使用状況監視システムは、利用者の周囲の音を集音するマイクと、前記フックを前記フック保持部材から外してから取付設備に掛けるランヤードの使用開始動作の際に発生する音と、前記フックを前記取付設備から外してから前記フック保持部材に保持させるランヤードの使用終了動作の際に発生する音が含まれる音データを学習データとして、入力された音から墜落制止用器具の使用状況が使用中であるか非使用中であるかを出力するよう学習された学習済みモデルと、前記マイクにより集音された音を前記学習済みモデルに入力して得られた出力結果に基づき墜落制止用器具の使用状況又は当該使用状況に基づく警告の少なくとも一方を出力する出力部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、墜落制止用器具の使用時に発生する音、具体的には、フックをフック保持部材から外してから取付設備に掛けるランヤードの使用開始動作の際に発生する音と、フックを取付設備から外してからフック保持部材に保持させるランヤードの使用終了動作の際に発生する音が含まれる音データにより学習された学習済みモデルを用い、マイクにより集音された利用者の周囲の音に基づき墜落制止用器具の使用状況が検出される。したがって、墜落制止用器具の改造等が不要であり導入コストが低いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
墜落制止用器具の監視システムの構成図
第1の実施の形態に係る携帯端末の機能ブロック図
ランヤードの使用開始動作時に発生する一連の音を説明する図
ランヤードの使用終了動作時に発生する一連の音を説明する図
管理サーバの機能ブロック図
管理画面の一例を示す図
第2及び第3の実施の形態に係る携帯端末の機能ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る墜落制止用器具の監視システムについて図面を参照して説明する。図1は監視システムの構成図、図2は携帯端末の機能ブロック図である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許