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公開番号2025061635
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-11
出願番号2023181463
出願日2023-10-01
発明の名称自動車ケアフル灯
出願人個人
代理人
主分類G08G 1/16 20060101AFI20250404BHJP(信号)
要約【課題】注意喚起し、早期警戒を促し、交通事故を未然防止する機能を設けた自動車事故防止灯を提供する。
【解決手段】自動車の運転者が、体調不良、特に激しい精神的ショックを受けて茫然自失となり、集中力を失って、運転能力が低下した状態に陥ったとき、運転者が通常より「ケアレス」になったリスクを、周囲の自動車や歩行者が通常より「ケアフル」になることでヘッジするため、運転者の善意の配慮で、ランプおよび音響で注意喚起し、周囲に早期警戒を促し、衝突、接触の回避に意識を集中させ、交通事故を未然防止する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
自動車の車体外部で、周囲の全方向から見える位置に、ルーフ表面、またはルーフから伸びたポールの先端、またはアンテナの根元などに、方向指示器、制動灯、非常灯などと区別できる形状、色調、発光形式のランプを設置し、運転席のスイッチを操作することで閃光または不動光を発光し、必要に応じて音響と合わせて、周囲の車両および歩行者に、、何らかの原因で運転能力が低下した要注意車であることを表示することで、注意喚起し、早期警戒を促し、表示車両との接触または衝突の回避に意識を集中させ、交通事故を未然防止する機能を設けたことを特徴とする自動車事故防止灯。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の運転に際して、身体的、精神的な体調不良を原因として、安全運転に必要な、認知、判断、操作の能力が低下する恐れがある場合に、周囲に注意喚起して、運転者のケアレスを周囲のケアフルで補う、自動車事故防止灯に関するものである。
続きを表示(約 6,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、自動車の交通安全は、すべての運転者が、それぞれの国家が定めた交通ルールを守って運転することで確保されている。交通ルールは、交通事故を引き起こす可能性の高い運転を禁止して、それに違反した運転者を取締まり、処罰することで交通の安全と秩序を維持している。
禁止されている運転は、(1)無免許運転、(2)麻薬使用運転、(3)飲酒運転、(4)危険運転、(5)無謀運転、(6)過労運転、(7)脇見運転、(8)整備不良運転、(9)体調不良運転の9種類である。このうち、(1)~(8)の8項目は法令で規制され、処罰規定があるが、(9)の1項目は運転者の自主規制になっている。
体調不良運転とは、身体的な症状、あるいは精神的に不安定な状態で自動車を運転することである。具体的には、高熱、激しい頭痛、腹痛などの内科的症状、ハンドルやペダルの操作に支障をきたす激しい腰痛、肩、首、背中、上肢、下肢などの外科的症状、そして強い精神的ショックを受けて茫然自失となり、集中力、注意力を失って、運転に専念できない深刻な精神状態に陥っている場合である。
体調不良であっても、安全運転に要求される必要最低限の認知、判断、操作能力の水準を満たしている限りは問題ないが、その水準を割り込んだシビアな状態は、他の禁止運転に匹敵する、またはそれ以上に交通事故を引き起こすリスクを高めている。
体調不良運転の対策は努力義務だから、個別の運転者のマナーに委ねられている。良識ある運転者は、ハンドルやペダルの操作に支障をきたす激しい身体症状があるときは運転を自粛する。精神状態が平常心を欠く状態も同様である。しかし、モラルの低い運転者は平然と運転するし、モラルがあっても、運転の必要性がそれに勝れば運転する。
体調不良運転が規制の対象とならない理由は、無免許運転、麻薬使用運転、飲酒運転、危険運転、無謀運転、過労運転、脇見運転、整備不良運転は、免許、尿検査、呼気検査、ドライブレコーダー、速度測定器、運行記録、目撃証言、車検によって科学的、客観的に立証可能であるのに対して、体調不良運転は、個人の自覚症状だから、訴追手続に不可欠な科学的、客観的な立証が困難で、法治国家としては規制対象から除外せざるを得ない。
大多数の国民は、運転免許を取得できる年齢に達すると自動車を運転するようになる。公道上には、免許取りたての初心者から経験豊富なベテランまで、幅広い年齢層の運転者が混在している。運転技術に大きな個人差のある運転者同士が共通の交通ルールを守り、マナーを心掛けることで、安全で円滑な交通の流れが確保されている。このとき、免許取りたてで運転技術が未熟なドライバーは「初心者マーク」で知ることができる。同じく、老化現象で運転能力が低下したドライバーは「高齢者マーク」で知ることができる。
対向車、先行車、後続車、併走車、進入車に、こうしたマークが表示されていると、気配り、心配りに役立つ。そこで、初心者にも高齢者にも該当しない一般の運転者であっても、一時的に身体能力、精神機能が低下している場合は、それを周囲に注意喚起する表示機能があれば、事故防止に大いに役立つことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-046319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これは、次のような欠点があった。
自動車の運転者の健康状態に関しては、統合失調症(旧名 精神分裂病)、癲癇、睡眠時無呼吸症候群などの特定疾患や、認知症(旧名 痴呆症)に関する規制はあるが、ほとんどの疾患は規制されていない。特に、疾病とは異なる「精神的ショック」は、運転への影響が無視できないにもかかわらず、取締法規、処罰規定は存在せず、放置されている。
人間は、何か心配事があると、集中力、注意力を失って、通常であれば犯さないような凡ミス、ケアレスミス、うっかりミスを犯してしまう。これは、脳機能の正常な現象だから、何千年も前から起きているし、これからも決して無くならない。
人間が、強い精神的ショックを受けた直後に、一時的に精神状態が不安定になり、正常な運転ができなくなる現象は、人生のさまざまなシーンで発生している。
例えば、幼い子供を持つ母親に、子供が事故に遭って救急搬送されたので、直ぐに病院に来て下さいと連絡が入ったとする。母親は、会社に早退を申し出て、会社の駐車場から自動車を運転して、急いで病院に向かう。このとき、命は助かるのか、重症か、重体か、危篤か、負傷した原因は、どこを負傷したのか、完治するのか、後遺症が残るのか、障害者になるのか、身体障害か、知的障害か、子供の将来は、私の人生は…ということが次々と脳裏をよぎる。運転していても、心配で心配で運転に集中できない。頭の中が真っ白になって、集中力、注意力を失い、周囲の自動車、歩行者、信号の色も目に入らなくなる。
自動車の運転能力を低下させるほどの強い精神的ショックは、この事例だけではない。会社から解雇を言い渡されたとき。医師から余命宣告を受けたとき。医師から失明や手足の切断を宣告されたとき。恋人から別れを告げられたとき。恋人にプロポーズを断られたとき、受験で不合格になったとき。就職で不採用になったとき、SNSが炎上したとき。投資で巨額の損失が出たとき。経営する会社が倒産したとき。自己破産したとき。自宅が壊滅、焼失したとき。愛する家族が死亡したとき。選挙で落選したとき。強制捜査されたとき。刑事訴追されたとき。有罪判決を受けたとき。民事告訴されたとき。週刊誌に暴露されたとき。暴力団から脅迫されたとき。自殺しようと思いを巡らせているとき…。
その他、人生の重大事象とまでは言えないが、家庭、職場、友人との人間関係の悩み、DV、各種ハラスメント、恋愛問題、借金苦、生活苦、健康上の悩み、子供の非行…。
さらに、他人から見れば取るに足らなくとも、本人にとっては重大な出来事。例えば、プロスポーツの試合で推し(ファン)のチームが勝ったとか負けたとか、同じく、推しの芸能人が引退したとか結婚したとか、夢中になっている通信ゲームで何々をゲットしたとかしないとか、あるいは、ギャンブル依存症で精神が不安定なとき。
運転者が深刻な精神的ショックを受ける個別の事情は、運転者の数だけ存在している。
【0005】
精神的ショックを受けた状態の運転者が自動車を運転することは、非常に危険である。技術的に劣っていても一生懸命に運転に集中している初心者や高齢者よりも危険である。場合によっては、携帯操作、軽度の速度超過、酒気帯び運転よりも危険である。
誰でも、愛する家族や恋人が不慮の事故に遭遇したり死亡した直後には、強いショックを受けて精神的に不安定になる。この精神状態で自動車を運転することは、地鎮祭に出席して、付き合いでお神酒を盃に一杯だけ飲んで運転する状態と比較して、交通事故を引き起こす潜在的なリスクは、桁違いに大きい。飲酒運転に関して「たとえ一滴でも飲酒してはならない」という取り組みは尊重すべきであるが、「飲酒運転」も「ショック運転」もそれぞれ交通事故の原因の1項目だから、同じ程度の情熱をもって抑止する努力をすべきである。しかし、残念なことに「精神的なショックは、個人の心の中の問題で、立証困難だから放置するしかない」という社会的合意が形成されている。
社会は「飲酒運転」には過度に反応して、「ショック運転」は見過ごして対策を講じていない。ショック運転が原因で発生した交通事故はすべて、事故処理のプロセスにおいて「前方不注意」、「操作ミス」として扱われる。運転者が、なぜ前をよく見ていなかったのか、なぜ早めにハンドルを切れなかったのか、なぜブレーキを踏むのか遅れたのか、に関しては究明しない。再発防止策もない。精神的なショックが原因で注意力が散漫になり、認知、判断、操作の能力が不足したことが明らかでも、その因果関係を合理的に証明することは、現在(21世紀の第1四半期)の科学水準では不可能だからである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
自動車の運転は、正しい知識と確かな技能を身に付け、良好な健康状態で、気分爽快に行うのが理想である。相撲の「心技体」と同じである。しかし、全ての運転者が、3項目がフルスコアの状態で運転している訳ではない。重要なことは、各科目のスコアが要注意領域まで低下したら、それを周囲に意思表示して、注意喚起することである。
自動車には、車線変更や進路変更を知らせるウインカー、後続車に制動意思を知らせるブレーキランプ、非常停止を知らせるハザードランプがある。これらは、衝突防止を目的とした、周囲に注意喚起する表示機能である。若葉マーク、紅葉マーク、障害車マークも同様に、周囲に注意喚起する表示機能である。そこで、身体的、精神的な原因で運転能力が低下している運転者も、その状態を周囲に注意喚起する表示機能を設ける。それぞれの表示の意味(メッセージ)を、解かり易い口語体で翻訳すると次のようになる。
○若葉マーク「周囲の皆さん。私は運転技術が未熟です。どうぞ気を付けて下さい。」
○紅葉マーク「周囲の皆さん。私は運転能力が低下しました。どうぞ気を付けて下さい。」
○事故防止灯「周囲の皆さん。私は運転に集中できません。どうぞ気を付けて下さい。」
【0007】
自動車ケアフル灯は、ハザードランプと同じく運転席のパネルのスイッチで操作する。スイッチが入ると、車体のルーフ上にあるランプが点滅すると同時に、音響が発生する。周囲の自動車や歩行者は、視覚と聴覚で表示車両を認識し、早期警戒することができる。本発明は、以上の構成よりなる自動車事故防止灯である。
【発明の効果】
【0008】
公道上で、自動車事故防止灯が作動中の自動車を目撃すると、周囲の自動車や歩行者は、注目し、緊張し、集中し、早期警戒するから、接触、衝突事故が未然防止できる。
自動車事故防止灯の使用は、強制ではなく任意であるからこそ、運転者のマナーが醸成される。運転者は、信号のない合流点で脇道から車列が続く本線に進入したいとき、親切な運転者に前を開けてもらうと、今度は自分も誰か別の運転者に同じように親切にする。対向車から速度違反の取締(通称 ねずみ取り)を教えてもらうと、今度は自分も恩返しに別の対向車に教えてあげる。こうした善意の連鎖が、親切、思いやりの心を育む。
だから、体調が悪く苦しいときに周囲から安全配慮してもらうと、今度は自分も、誰か別の体調が悪く苦しい運転者を発見したとき、同じように安全配慮するようになる。
実際には、社会実験を実施して、分析、解析した上で、統計的に有意な効果を確認するまでは断定できないが、おそらく、人口当たりの交通事故の発生率の顕著な減少傾向と、運転者全体のモラルの底上げが期待できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の外観斜視図である。
本発明の内部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明は、自動車の運転者が、体調不良、特に強い精神的ショックを受けて茫然自失となり、集中力、注意力を失って、運転に集中できない程度の精神状態に陥っているとき、その状態を周囲の自動車や歩行者に表示し、注意喚起することで、接触、衝突を防止する機能を設けたことを特徴とする、自動車事故防止である。
自動車の車体外部の、周囲の全方向から視認できる位置に、方向指示器、制動灯、非常灯などと明確に区別できる形状、色調、発光形式のランプを設置して、運転席のスイッチで操作する。発光と連動して、同じく注意喚起の音響を発生させる。
通常の乗用車の場合は、ルーフ上の中心または前後左右に直接、またはポールの先端に設置する。緊急車両のルーフに設置されている赤色回転灯よりは小型で、光量、音量は、周囲の環境を損なわない程度の控えめなものとする。ポール式の場合は、洗車機の使用を想定して、アンテナのように支柱内部に収納される方式か、水平に折り畳む方式とする。
色調は。ウインカー、制動灯、非常灯などと区別できる色調が望ましい。色彩言語は、青は正常・許可、赤は異常・禁止だから、中間・注意を象徴する黄が適しているが、必ずしも拘る必要はない。閃光形式は、回転タイプ、フラッシュタイプのどちらでもよい。
本発明の技術的な課題は何もない。道路交通法の改正に関する課題も特にない。最大の課題は、搭載は強制できても、使用は強制できないから、普及、定着させる戦略である。
運転者は、ケアフル灯の有効性は理解したとしても、自分の不幸をことさら周囲にアピールすることに心理的抵抗を覚える。特に地方では顔見知りも多い。そこで、啓発活動のコンセプトは、良いショックと悪いショックがあることを周知させる。
良いショックとは、嬉しさのあまり、有頂天になり、想像の世界に埋没して、心ここに在らず、という精神状態である。実際、ギャンブルで大勝した直後にショック死した事例がある。ショック死するまでいかなくとも、正常な運転に支障をきたす程度に、集中力、注意力が低下する。例えば、宝くじに当選したとき。会社で昇進、栄転したとき。恋愛が成就したとき。プロポーズを承諾されたとき。志望校に合格したとき。憧れの職業に就職できたとき。投資で巨額の利益が出たとき。設立した会社が躍進したとき。念願のマイホームを新築したとき。子供や孫が誕生したとき。選挙で当選したとき。週刊誌に好評価されたとき。叙勲したとき。遺産相続したとき。人生の夢を実現したとき…。
このように、灯火表示を見ただけでは、相手は良いショックなのか、悪いショックなのか、その他の理由なのか、全く判別ができないから、発信する側の羞恥心は除去できる。
ランプを設置する基本位置は、ルーフ中央であるが、緊急車両、タクシーにはスペースがない。しかし、これらの車両の運転者は自己管理意識が高く、運転に支障をきたす体調不良で運転を強行しないから、設置は不要である。
ランプ、ライト、スイッチ機構、その他、既存技術の説明は省略する。。
(【0011】以降は省略されています)

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