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公開番号2025090244
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-17
出願番号2023205362
出願日2023-12-05
発明の名称対象物の情報を取得する方法
出願人株式会社IHI
代理人個人,個人,個人
主分類G01N 21/13 20060101AFI20250610BHJP(測定;試験)
要約【課題】迅速に対象物の分析を行う。
【解決手段】成分分析システム1は、土壌サンプル4を収容するための容器2と、容器載置面31aからの焦点高さH1によって定義可能な焦点Fを有する成分分析装置3と、を備える。容器2は、土壌サンプル4を収容する容器本体21と、土壌サンプル4に関する情報を得るためのパルスレーザー光L1及び蛍光L2を通過させる蓋窓部222及び容器本体21に収容された土壌サンプル4に接する蓋肩部223を含み、容器本体21に取り付けられる蓋部材22と、容器本体21の内側に配置されると共に蓋部材22に向けて土壌サンプル4を押圧する力を発生する押圧部材23と、を有する。本体底部212から蓋肩部223までの容器高さH2は、容器載置面31aから焦点Fまでの焦点高さH1に等しい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
対象物を収容する容器と、
前記容器が載置される容器載置面を有し、前記容器載置面からの距離によって定義可能な焦点を有し、前記容器に収容された状態で前記焦点に位置する前記対象物に関する情報を得る情報取得装置と、を備え、
前記容器は、
前記対象物を囲む本体壁部及び本体底部と前記対象物を露出させる本体開口部とを含む容器本体と、
前記対象物に関する情報を得るための電磁波又は電子を通過させる蓋窓部及び前記容器本体に収容された前記対象物に接する蓋肩部を含み、前記容器本体に取り付けられる蓋部材と、
前記本体壁部及び前記本体底部に囲まれた領域に配置されると共に前記対象物が載置されて前記蓋部材に向けて前記対象物を押圧する力を発生する押圧部材と、を有し、
前記本体底部から前記蓋肩部までの距離は、前記容器載置面から前記焦点までの距離に等しい、対象物情報取得システム。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記蓋窓部は、前記容器本体に収容した前記対象物を露出させる蓋貫通穴を含む、請求項1に記載の対象物情報取得システム。
【請求項3】
前記蓋窓部は、前記容器本体に収容した前記対象物を露出させる蓋貫通穴と、前記対象物に照射される電磁波又は前記対象物から放射される電磁波を透過可能な透明部材と、を含む、請求項1に記載の対象物情報取得システム。
【請求項4】
前記蓋窓部は、前記容器本体に収容した前記対象物を露出させる蓋貫通穴を含み、
前記容器は、前記蓋窓部の前記蓋貫通穴に対して着脱可能にはめ込まれる栓部材をさらに有し、
前記栓部材は、
前記容器本体に前記蓋部材を取り付けるときには、前記蓋窓部の前記蓋貫通穴にはめ込まれており、
前記情報取得装置によって前記対象物に関する情報を得るときには、前記蓋窓部の前記蓋貫通穴から取り外されている、請求項1に記載の対象物情報取得システム。
【請求項5】
前記押圧部材の弾性率は、前記対象物の弾性率よりも低い、請求項1に記載の対象物情報取得システム。
【請求項6】
前記情報取得装置は、前記焦点に位置する前記対象物に向けて照射電磁波を与え、与えられた前記照射電磁波に起因して前記対象物から戻る戻り電磁波に基づいて、前記対象物に関する情報として前記対象物の成分を得る、請求項1に記載の対象物情報取得システム。
【請求項7】
対象物を収容した収容済容器を準備する工程と、
前記収容済容器が載置される容器載置面を有し、前記容器載置面からの距離によって定義可能な焦点を有し、前記収容済容器に収容された状態で前記焦点に位置する前記対象物に関する情報を得る情報取得装置において、前記容器載置面から所定距離だけ離間した位置に前記焦点を合わせる工程と、
前記容器載置面に前記収容済容器を配置する工程と、
前記容器載置面に配置された前記収容済容器に収容されている前記対象物に関する情報を得る工程と、を有する、対象物の情報を取得する方法。
【請求項8】
前記収容済容器を準備する工程では、複数の前記収容済容器を準備し、
前記対象物に関する情報を得る工程の後に、前記収容済容器を前記容器載置面から取り外す工程をさらに有し、
前記焦点を合わせる工程を実施した後に、前記収容済容器を配置する工程と前記対象物に関する情報を得る工程と前記容器載置面から取り外す工程とを、前記収容済容器を取り替えながら繰り返す、請求項7に記載の対象物の情報を取得する方法。
【請求項9】
前記収容済容器を準備する工程は、
成形された前記対象物を得る工程と、
前記対象物を囲む本体壁部及び本体底部と前記対象物を露出させる開口部とを含む容器本体と、前記本体壁部及び前記本体底部に囲まれた領域に配置されると共に前記対象物が配置される押圧部材と、を有する容器部材を準備する工程と、
前記押圧部材に前記成形された前記対象物を載置する工程と、
前記容器部材に前記対象物に関する情報を得るための電磁波又は電子を通過させる蓋窓部及び前記容器本体に収容された前記対象物に接する蓋肩部を含む蓋部材を取り付ける工程と、を含む、請求項7に記載の対象物の情報を取得する方法。
【請求項10】
前記収容済容器を準備する工程は、
前記対象物を囲む本体壁部及び本体底部と前記対象物を露出させる開口部とを含む容器本体と、前記本体壁部及び前記本体底部に囲まれた領域に配置されると共に前記対象物が配置される押圧部材と、を有する容器部材を準備する工程と、
前記押圧部材に成形されていない前記対象物を載置する工程と、
前記成形されていない前記対象物が載置された前記容器部材に、前記対象物に関する情報を得るための電磁波又は電子を通過させる蓋窓部及び前記容器本体に収容された前記対象物に接する蓋肩部を含む蓋部材と、前記蓋窓部に設けられた蓋貫通穴を塞ぐように前記蓋窓部に対して着脱可能にはめ込まれる栓部材と、を有する蓋ユニットを固定する工程と、を含む、請求項7に記載の対象物の情報を取得する方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物情報取得システム及び対象物の情報を取得する方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
土壌や肥料などの分析装置として、レーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS法(Laser Induced Breakdown Spectroscopy)又は蛍光X線分析法(XRF法(X-ray Fluorescence))、等を用いた装置が知られている。例えば、非特許文献1、2は、LIBS法を用いた分析装置を開示する。非特許文献3は蛍光X線分析法を用いた装置を開示する。これらの分析装置は、土壌又は肥料に含まれる有害物質の濃度管理をするために用いられる。これらの装置は、分析の対象となる試料にレーザー光又はX線などを照射したときに発生する元素固有の波長の蛍光を検出することによって、試料の分析を行う。
【0003】
従来、重金属といった土壌の有害物質の濃度を知る装置として、特許文献1に記載の重金属分析装置が知られている。特許文献1に記載された技術によれば、測定試料の準備に複数の工程を有するので、分析に手間と時間を要していた。一方、非特許文献1~3が開示する分析装置は、一度の分析で複数の計測結果を得ることができる。従って、非特許文献1~3が開示する分析装置は、上述の従来の分析方法に比べて簡易かつ迅速に分析を行うことができるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013-64603号公報
【非特許文献】
【0005】
毎田充宏、濱田智広、桑子彰、“レーザブレークダウン分光法による堆肥分析装置”、技術論文誌「東芝レビュー」、日本、株式会社東芝、2005年、Vol. 60、No. 11、p.45―48。
石橋高ほか、“月・惑星着陸探査用元素分析装置:レーザー誘起絶縁破壊分光装置(LIBS)”、日本惑星学会誌、日本、日本惑星科学学会、2012年、Vol. 21、No. 3、p.260―266。
山崎慎一ほか、“偏光式エネルギー分散型蛍光X 線分析法による土壌および底質中の微量元素の同時分析”、学会誌「分析化学」、日本分析化学会、2011年、Vol. 60、No. 4、p.315―323。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、非特許文献1が開示するLIBS法による分析装置では、試料移動ステージの上に分析セルが設置される。分析セルには、試料が収容されている。LIBS法による分析装置は、分析セルに収容された試料にレーザー光を当てた際に発生するプラズマ発光の光を、レンズ及びミラー等の光学系により分光器に集光する。従って、試料を分析するときには、レンズの焦点を試料の計測対象面に合わせる必要がある。
【0007】
しかし、試料の大きさは、試料ごとに異なる。大きさが異なると、試料移動ステージに試料を配置するごとにレンズの焦点位置を計測対象面に調整する作業が発生する。そのため、大量の試料を迅速に分析することが難しかった。
【0008】
そこで、本発明は、迅速に対象物の分析を行うことができる、対象物情報取得システム及び対象物の情報を取得する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一形態に係る対象物情報取得システムは、対象物を収容する容器と、容器が載置される容器載置面を有し、容器載置面からの距離によって定義可能な焦点を有し、容器に収容された状態で焦点に位置する対象物に関する情報を得る情報取得装置と、を備え、容器は、対象物を囲む本体壁部及び本体底部と対象物を露出させる本体開口部とを含む容器本体と、対象物に関する情報を得るための電磁波又は電子を通過させる蓋窓部及び容器本体に収容された対象物に接する蓋肩部を含み、容器本体に取り付けられる蓋部材と、本体壁部及び本体底部に囲まれた領域に配置されると共に対象物が載置されて蓋部材に向けて対象物を押圧する力を発生する押圧部材と、を有し、本体底部から蓋肩部までの距離は、容器載置面から焦点までの距離に等しい。
【0010】
一形態である対象物情報取得システムでは、容器本体の本体底部から肩部までの距離は、容器載置面から情報取得装置の焦点までの距離に等しい。また、肩部は対象物に接している。これにより、対象物を収容した容器を容器載置面に配置した時点で、対象物に情報取得装置の焦点が合っている状態にすることができる。つまり、対象物を収容した容器を容器載置面に配置した後に、情報取得装置の焦点の位置合わせを行う必要がない。その結果、対象物を収容した容器を容器載置面に配置するだけで、情報の取得を開始することが可能であるから、対象物に関する情報を迅速に取得することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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