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公開番号2025020874
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-13
出願番号2023124499
出願日2023-07-31
発明の名称炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成物の製造方法
出願人株式会社宇宙環境保全センター
代理人個人,個人
主分類C01F 11/18 20060101AFI20250205BHJP(無機化学)
要約【課題】本発明は、EUヨーロッパ圏で昨今叫ばれている酸化チタンのナノマテリアルとしての健康への懸念を背景に、既存の高度な技術や高価な材料を用いず、より安全で安心な材料を活用して光触媒効果を高め、食品、飼料、肥料、化粧品または医薬部外品の成分あるいはコーティング剤の成分として配合可能である炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成物の製造方法に関する。
【解決手段】光触媒金属として代表的な酸化チタンを使わず、金属イオンの存在下において化石サンゴ等の天然物を含む炭酸カルシウムを、ケイ酸溶液、および陽イオン溶液で処理することにより、炭酸カルシウム配合金属イオン化合物を多孔性ケイ酸塩で被覆することを特徴とする、炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成物の製造方法。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
ケイ酸化合物、またはケイ酸イオンを含まず、Caイオン、Mgイオンの一つ以上、および金属イオンを含む陽イオン溶液(以下、「陽イオン溶液」という。)に炭酸カルシウムを配合し、炭酸カルシウムの一部、または全部が溶解して生成する炭酸カルシウム配合金属イオン化合物に、Caイオン、またはMgイオンを含まず、ケイ酸化合物、またはケイ酸イオンを含むケイ酸溶液(以下、「ケイ酸溶液」という。)を混合することにより、炭酸カルシウム配合金属イオン化合物を多孔性ケイ酸カルシウム、またはケイ酸マグネシウム、またはケイ酸カルシウムマグネシウムで被覆することを特徴とする炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成物の製造方法であって、前記陽イオン溶液、およびケイ酸溶液は、さらに繊維状物質を含有することを特徴とする炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成物の製造方法。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
前記陽イオン溶液は、Feイオン、Agイオン、Cuイオン、Ptコロイドから選ばれる1つ以上の金属イオン、またはコロイド(以下、「該金属イオン等」という。)を、炭酸カルシウムに対して0.001~20重量部含むことを特徴とする、請求項1に記載の炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成物の製造方法。
【請求項3】
前記陽イオン溶液は、該金属イオン等を混合することにより炭酸カルシウムを溶解する酸性度を有することを特徴とする請求項1に記載の炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成物の製造方法。
【請求項4】
前記繊維状物質は、絹由来のセリシン、またはフィブロインの繊維状タンパク質であることを特徴とする、請求項1に記載の炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成物の製造方法。
【請求項5】
前記繊維状物質は、細胞壁由来のセルロース、またはセルロースに似た化学構造を有するキチン、およびキトサンをナノファイバー化した繊維状物質であることを特徴とする、請求項1に記載の炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成物の製造方法。
【請求項6】
前記炭酸カルシウム、および該金属イオン等の配合量は、前記炭酸カルシウムが化石サンゴ単独、または炭酸カルシウム単独、もしくはそれらの混合物からなり、炭酸カルシウムに対し、該金属イオン等が0.001~20重量部、残部が炭酸カルシウムと多孔性ケイ酸塩からなる、請求項1に記載の炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成物の製造方法。
【請求項7】
前記炭酸カルシウム配合金属イオン化合物の表面を多孔性ケイ酸塩で被覆した後、50℃から700℃で焼成を行うことを特徴とする、請求項1に記載の炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、既存の高度な技術や高価な材料を用いず、また、光触媒金属として二酸化チタンを使わずに、より簡易な方法、かつ安価で安心安全な材料を活用して光触媒効果を高め、食品、飼料、肥料、化粧品または医薬部外品の成分あるいはコーティング剤の成分として配合可能である、炭酸カルシウムを応用した炭酸カルシウム配合ケイ酸塩被覆金属イオン化合複合組成物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、酸化チタンは光触媒としては言うまでもなく、塗料、着色料、食品添加物などの種々の用途に使用されており、特に酸化チタンをアパタイトで被覆した光触媒機能を有する素材を環境浄化化粧料素材として用いることが特開2007-169164号公報(特許文献1参照)において提案されている。化粧品として酸化チタン光触媒を配合した場合、光エネルギーによる活性・分解力を基材である皮膚に直接及ぼさないためには光触媒金属へのアパタイト等の被覆構造が必要不可欠であるが、ナノサイズの酸化チタンが化粧品素材として使用される場合の皮膚浸透性などの健康への影響について、酸化チタンの粒径までは言及されていない。
【0003】
また、特開2014-184349(特許文献2参照)、段落番号0021には、金属イオンと炭酸カルシウムを配合した化粧品や食品添加物としての酸化チタンの活性を向上させる製造方法について開示されているが、食品添加物として摂取される酸化チタンがナノサイズである場合の、ヒトの健康への影響については言及されていない。
【0004】
特許7193192号(特許文献3参照)には、金属イオン配合ケイ酸塩を被覆した酸化チタンの製造方法が開示されているが、光触媒機能を有する基材として従来の酸化チタンを配合する製造方法であり、酸化チタン不使用の本願とは根本的な違いがある。一方で、酸化チタンを使用しない高活性光触媒として、特開2015-54299(特許文献4参照)には酸化鉄、特開2016-10750(特許文献5参照)にはオキシ水酸化鉄粒子が銅酸化物粒子の表面及び内部に結合した、酸化チタン不使用の光触媒製造方法も開示されている。
【0005】
さらに近年は、オキシ水酸化鉄を応用した酸化チタンを凌駕する光触媒性能を実現する技術(非特許文献6参照)や、酸化チタンの代替品として二核鉄イオンを多孔質シリカで安定化させた酸化鉄系材料(非特許文献7参照)の開発も進んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2007-169164号公報
特開2014-184349号公報
特許第7193192号公報
特開2015-54299号公報
特開2016-10750号公報
東京理科大学、“プレスリリース”、[online]、2020年2月27日、[2023年1月6日検索]、インターネット<URL:https://www.tus.ac.jp/today/archive/20200227001.html>
広島大学、“研究成果”、[online]、2022年5月26日、[2023年1月6日検索]、インターネット<URL:https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/71669>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
着色料や光触媒金属でもある酸化チタンは、食品添加物や化粧品・医薬品原料、塗料、工業材料として世界中で多く利用されている。特にその抗菌・除菌性は、建築材や除菌フィルターなどの用途で昨今の新型ウィルスの脅威に立ち向かう有効な手段の一つとして注目され、技術開発が盛んである。
【0008】
しかしながら、酸化チタンがナノ粒子に調製されている場合、酸化チタンの粉塵の舞う作業場などで長期間粉塵を吸い込むことによる肺がんのリスクや、動物実験において遺伝毒性が生じる懸念のあることが近年国際機関から報告され、殊にEUヨーロッパ連合では食品安全上の懸念から食品添加物である酸化チタンの使用が2022年1月に禁止される事態とまでなっている。このようなナノサイズの原料も含めた酸化チタンのナノマテリアルとしての健康への懸念を背景に、より安心安全な光触媒材料の開発が急がれている。
【0009】
本発明は、光触媒ナノマテリアルが人の健康に及ぼすかもしれない影響についてのこのような世情を背景にして考案されたものである。つまり光触媒性金属として代表される酸化チタンを用いず、酸化チタンと同等の効果を持つより安心安全な光触媒材料の開発に着手し、Feイオン、Mgイオン、Agイオン、Cuイオンなどの金属イオンの存在下で、CaCO

、CaOなどのカルシウム化合物とカルシウムイオン、マグネシウムイオンを含む陽イオン溶液、およびケイ酸化合物、またはケイ酸イオンを含むケイ酸溶液を高度に配合した複合組成物を考案した。
【0010】
CaCO

は化石サンゴに代表されるように多孔質材料であり、Fe系酸化物は可視光応答性光触媒材料として期待される材料である。Fe系酸化物の光触媒材料への応用技術も発展し、酸化チタンに引けを取らない材料も開発されているが、Fe系酸化物を活用した高活性光触媒材料の製造には高度な技術と多額なコストがかかり実質的に汎用化まではまだ至っていない。これらの課題を鑑み、光触媒金属として酸化チタンを基材とするのではなく、炭酸カルシウム等のカルシウム化合物と金属イオン、ケイ酸塩をハイブリットに配合することにより、酸化チタンを使用しない光触媒材料の開発を試み、本発明に至った。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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