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公開番号
2025012311
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023115054
出願日
2023-07-13
発明の名称
チューブ状炭酸カルシウムの製造方法
出願人
株式会社TBM
代理人
弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類
C01F
11/18 20060101AFI20250117BHJP(無機化学)
要約
【課題】有機酸や界面活性剤等の薬剤を用いることなく、効率よくチューブ状炭酸カルシウムを製造する方法を提供すること。
【解決手段】上記チューブ状炭酸カルシウムの製造方法は、長軸方向に沿って貫通孔を有するチューブ状炭酸カルシウムの製造方法であり、カルシウムを含むカルシウム含有溶液に、平均粒子径が100μm以下である二酸化炭素のファインバブルを導入し、チューブ状炭酸カルシウムを晶出させる工程を含み、前記チューブ状炭酸カルシウムを晶出させる工程では、前記カルシウム含有溶液の温度を制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
長軸方向に沿って貫通孔を有するチューブ状炭酸カルシウムの製造方法であり、
カルシウムを含むカルシウム含有溶液に、平均粒子径が100μm以下である二酸化炭素のファインバブルを導入し、チューブ状炭酸カルシウムを晶出させる工程を含み、
前記チューブ状炭酸カルシウムを晶出させる工程において、前記カルシウム含有溶液の温度を制御する、
チューブ状炭酸カルシウムの製造方法。
続きを表示(約 500 文字)
【請求項2】
前記チューブ状炭酸カルシウムを晶出させる工程において、前記カルシウム含有溶液の温度を、20℃超60℃以下に制御する、
請求項1に記載のチューブ状炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項3】
前記チューブ状炭酸カルシウムを晶出させる工程において、前記カルシウム含有溶液の温度を、25℃以上40℃以下に制御する、
請求項1に記載のチューブ状炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項4】
前記カルシウム含有溶液に導入する前記二酸化炭素のファインバブルの平均粒子径は、1μm以上100μm以下である、
請求項1に記載のチューブ状炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項5】
前記二酸化炭素のファインバブルの導入を、前記カルシウム含有溶液を一方向に流動させながら行う、
請求項1に記載のチューブ状炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項6】
前記チューブ状炭酸カルシウムを晶出させる工程における前記カルシウム含有溶液のpHは、7.0以上である、
請求項1に記載のチューブ状炭酸カルシウムの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブ状炭酸カルシウムの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
炭酸カルシウムは、プラスチック、紙および塗料等への充填材、農薬および肥料等の土壌改良剤、接着剤、シーラント、研磨作用を利用した消しゴムや歯磨剤、ならびに、食品添加物および化粧品原料等の幅広い分野で使用される。また、最近では、炭酸カルシウム粒子を主原料としたシート状・フィルム状の紙代替製品や、プラスチック代替製品が開発され、広く使用されている。紙代替製品としては、クリアファイル、名刺、冊子(パンフレット・写真集等)、販促POP、メニュー表、パッケージ、ポスター、電飾シート、シール・ラベル、マップ、マスクケース、タグ等が挙げられる。プラスチック代替製品としては、従来、プラスチックが用いられていた用途(各種成形品、例えばレジ袋・買い物袋、食品容器、飲料カップ、ハンガー、文房具、うちわ、化粧品容器、ボトル、建築資材等)が挙げられる。
【0003】
炭酸カルシウムは一般的に、水酸化カルシウム水溶液に二酸化炭素を吹き込んだり、塩化カルシウム等のカルシウムイオンを含む水溶液と炭酸ナトリウム水溶液とを混合したりすることで合成される。また近年、温室効果ガスである二酸化炭素の排出量を低減するため、二酸化炭素をカルシウムと反応させて、二酸化炭素を炭酸カルシウムとして固定化することが検討されている。例えば特許文献1には、カルシウムを含むカルシウム含有溶液に、二酸化炭素をファインバブルとして導入し、炭酸カルシウムを合成することが記載されている。
【0004】
合成炭酸カルシウムは、様々な形状を取り得ることが知られており、例えば略球形状、角柱状、針状、紡錘状の炭酸カルシウムが知られている。また、中空状等の特異な形状の合成炭酸カルシウムも知られている。例えば特許文献2には、有機酸カルシウム塩溶液を噴霧熱分解処理することで、円形度および圧縮強度が高い微小炭酸カルシウム中空粒子を得る方法が記載されている。また、特許文献3には、水溶性カルシウム塩溶液に予め界面活性剤を存在させ、当該水溶性炭酸塩溶液を水に滴下することで、チューブ状の炭酸カルシウムを合成することが記載されている。さらに、特許文献4には、界面活性剤を使用して、チューブ状の炭酸カルシウムを合成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2023-028788号公報
特許第6386949号公報
特許第5321937号公報
特開2009-073686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
炭酸カルシウムは、その用途に応じて適宜その形状が選択されるが、上記の中でも特に、チューブ状の炭酸カルシウムは安定して製造することが難しかった。また、特許文献2~4のように、有機酸や界面活性剤等の薬剤を用いると、工程が複雑化したり、排水処理に困難を伴ったりしやすく、これらは工業的な量産における大きな障壁となっていた。
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みなされたものである。具体的には、有機酸や界面活性剤等の薬剤を用いることなく、効率よくチューブ状炭酸カルシウムを製造可能な方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らが鋭意検討した結果、カルシウム含有溶液中に二酸化炭素を導入することで炭酸カルシウムを晶出させる炭酸カルシウムの製造方法において、二酸化炭素を平均粒子径100μm以下のファインバブルとして供給し、さらに晶出の際のカルシウム含有溶液の温度を制御することで、極めて高効率に長軸方向に沿って貫通孔を有するチューブ状(マカロニ形状)の炭酸カルシウムを製造できることが明らかとなった。
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、下記[1]~[6]のチューブ状炭酸カルシウムの製造方法を提供する。
[1]長軸方向に沿って貫通孔を有するチューブ状炭酸カルシウムの製造方法であり、カルシウムを含むカルシウム含有溶液に、平均粒子径が100μm以下である二酸化炭素のファインバブルを導入し、チューブ状炭酸カルシウムを晶出させる工程を含み、前記チューブ状炭酸カルシウムを晶出させる工程において、前記カルシウム含有溶液の温度を制御する、チューブ状炭酸カルシウムの製造方法。
[2]前記チューブ状炭酸カルシウムを晶出させる工程において、前記カルシウム含有溶液の温度を、20℃超60℃以下に制御する、[1]に記載のチューブ状炭酸カルシウムの製造方法。
[3]前記チューブ状炭酸カルシウムを晶出させる工程において、前記カルシウム含有溶液の温度を、25℃以上40℃以下に制御する、[1]に記載のチューブ状炭酸カルシウムの製造方法。
[4]前記カルシウム含有溶液に導入する前記二酸化炭素のファインバブルの平均粒子径は、1μm以上100μm以下である、[1]~[3]のいずれかに記載のチューブ状炭酸カルシウムの製造方法。
[5]前記二酸化炭素のファインバブルの導入を、前記カルシウム含有溶液を一方向に流動させながら行う、[1]~[4]のいずれかに記載のチューブ状炭酸カルシウムの製造方法。
[6]前記チューブ状炭酸カルシウムを晶出させる工程における前記カルシウム含有溶液のpHは、7.0以上である、[1]~[5]のいずれかに記載のチューブ状炭酸カルシウムの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の製造方法によれば、有機酸や界面活性剤等の薬剤を用いることなく、効率よくチューブ状炭酸カルシウムを得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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