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公開番号2024178135
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-24
出願番号2024093836
出願日2024-06-10
発明の名称硫酸マンガン溶液の製造方法
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C01G 45/10 20060101AFI20241217BHJP(無機化学)
要約【課題】
ジャロサイトの生成なく、硫酸酸性マンガン溶液からカリウムを選択的に除去することによる工業的に適用可能な硫酸マンガン溶液の製造方法及び当該硫酸マンガン溶液を用いたマンガン酸化物の製造方法、の少なくともいずれかを提供する。
【解決手段】
カリウムイオンを含む硫酸マンガン溶液と、アルミナに対するシリカのモル比が6以上であり、かつ、骨格構造中に酸素8員環を含有するゼオライトと、を接触させ、カリウムイオンを前記ゼオライトに吸着させる工程を含む、硫酸マンガン溶液の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
カリウムイオンを含む硫酸マンガン溶液と、アルミナに対するシリカのモル比が6以上であり、かつ、骨格構造中に酸素8員環を含有するゼオライトと、を接触させ、カリウムイオンを前記ゼオライトに吸着させる工程を含む、硫酸マンガン溶液の製造方法。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
前記骨格構造中に酸素8員環を含有するゼオライトが、CHA型、FER型、HEU型、MOR型、SZR型及びYFI型の群から選ばれる1以上の骨格構造を有するゼオライトである、請求項1に記載の硫酸マンガン溶液の製造方法。
【請求項3】
前記カリウムを含む硫酸マンガン溶液のpHが6以下である、請求項1又は2に記載の硫酸マンガン溶液の製造方法。
【請求項4】
前記カリウムを含む硫酸マンガン溶液における、カリウムイオンに対するマンガンイオンのモル比が10以上2000以下である、請求項1又は2に記載の硫酸マンガン溶液の製造方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の硫酸マンガン溶液の製造方法によって得られた硫酸マンガン溶液を用いる、酸化マンガンの製造方法。
【請求項6】
カリウムイオンを含む硫酸マンガン溶液と、アルミナに対するシリカのモル比が6以上であり、かつ、骨格構造中に酸素8員環を含有するゼオライトと、を接触させ、カリウムイオンを前記ゼオライトに吸着させる工程を含む、硫酸マンガン溶液の処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、硫酸酸性マンガン溶液からのカリウムの選択的除去に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
酸性マンガン溶液は二酸化マンガン等の原料として、広く用いられる。工業的に、酸性マンガン溶液は、天然に産出するマンガンの原料鉱石を還元ばい焼して還元鉱石とし、これを酸溶液で処理することによって製造されている。原料鉱石はカリウムを含むため、酸性マンガン溶液の製造においては、カリウムを除去する必要がある。
【0003】
汎用的に製造される酸性マンガン溶液として、硫酸マンガン(MnSO

)が挙げられる。硫酸マンガンの工業的な製造におけるカリウムの除去方法として、還元鉱石を硫酸溶液に溶解後、鉄系薬剤を加えてカリウムをジャロサイト(KFe

(SO



(OH)

)として沈殿させ、固液分離により除去する方法(以下、「ジャロサイト法」ともいう。)が広く用いられている(例えば、特許文献1及び2)。
【0004】
また、吸着剤によるカリウム除去として、硫酸マンガン溶液を二酸化マンガン系吸着剤に接触させ、硫酸マンガン溶液中のカリウムを除去する方法が開示されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-178749号公報
特開2012-219316号公報
特開平4-31323号公報
【非特許文献】
【0006】
Chemistry of Materials、1995、7、148-153
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ジャロサイト法では、ジャロサイト生成のための大量の鉄系薬剤を必須とし、なおかつ、設備及びその費用が大きくなりやすい。これに加え、ジャロサイトは多種の不純物元素を含有する鉱滓と混合された状態で排出されるため、再利用が困難である。そのため、ジャロサイトを含む鉱滓はそのまま埋立処理することになり、環境負荷が大きい。
【0008】
これに対し、特許文献3で開示された二酸化マンガン系吸着剤によるカリウム除去方法は、ジャロサイトの生成を伴わない。しかしながら、二酸化マンガン系吸着剤は酸性環境下では不安定である(例えば、非特許文献1)。そのため、吸着剤の頻繁な交換が必要となり、特許文献3の方法は工業的な製造において用いることは困難であった。
【0009】
本開示は、ジャロサイトの生成なく、硫酸酸性マンガン溶液からカリウムを選択的に除去することによる工業的に適用可能な硫酸マンガン溶液の製造方法及び当該硫酸マンガン溶液を用いたマンガン酸化物の製造方法、の少なくともいずれかを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は、硫酸酸性マンガン溶液からカリウムを選択的に除去することによる工業的に適用可能な硫酸マンガン溶液の製造方法について検討した。その結果、特定の構造のゼオライトによるカリウム吸着を適用することにより、ジャロサイトの生成なく、硫酸酸性マンガン溶液からカリウムの選択的除去が可能となることを見出した。また、酸性環境下で硫酸マンガン溶液からカリウムの選択的除去を安定的に行えることを見出した。
(【0011】以降は省略されています)

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