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公開番号
2025011857
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023114229
出願日
2023-07-12
発明の名称
インフレーションフィルム及びその製造方法
出願人
東ソー株式会社
代理人
主分類
B32B
27/32 20060101AFI20250117BHJP(積層体)
要約
【課題】ヘイズが高く、かつ高速・薄膜成形性に優れたインフレーションフィルムと、その製造方法を提供する。
【解決手段】(A)層、(B)層、(C)層の順に3層から構成された積層体を含み、(A)層及び(C)層が下記要件(a)~(c)を満たす高圧法低密度ポリエチレンからなり、(B)層が下記要件(d)~(e)を満たす高圧法低密度ポリエチレンからなり、かつ、積層体全体に対する(B)層の比率が50質量%以上であり、厚みが10~18μm、かつ、ヘイズが15~25%であるインフレーションフィルム。
(a)190℃、21.18Nの荷重にて測定したメルトフローレート(以下、MFRという)が1.5~4.0g/10分
(b)密度が919~930kg/m
3
(c)235℃で測定したスウェル比が2.0以上
(d)MFRが5.0~10g/10分
(e)密度が919~930kg/m
3
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)層、(B)層、(C)層の順に3層から構成された積層体を含み、(A)層及び(C)層が下記要件(a)~(c)を満たす高圧法低密度ポリエチレンからなり、(B)層が下記要件(d)~(e)を満たす高圧法低密度ポリエチレンからなり、かつ、積層体全体に対する(B)層の比率が50質量%以上であり、厚みが10~18μm、かつ、ヘイズが15~25%であるインフレーションフィルム。
(a)190℃、21.18Nの荷重にて測定したメルトフローレート(以下、MFRという)が1.5~4.0g/10分
(b)密度が919~930kg/m
3
(c)235℃で測定したスウェル比が2.0以上
(d)MFRが5.0~10g/10分
(e)密度が919~930kg/m
3
続きを表示(約 420 文字)
【請求項2】
プロテクトフィルム、レジスト層及び基材を含むドライフィルムレジストであって、プロテクトフィルムが請求項1に記載のインフレーションフィルムである、ドライフィルムレジスト。
【請求項3】
高圧法低密度ポリエチレンを環状ダイより溶融押出しして筒状フィルムを形成し、この筒状フィルムを冷却しながらその内方空間に気体を供給して膨張させることからなるインフレーションフィルムの製造方法であって、環状ダイに近接して設けられた溶融樹脂の冷却エア吹き出し口を1カ所有し、ダイ頂部と冷却エア吹き出し口の間の距離(L)が30mm以下となるエアリングを設け、筒状フィルムを外側から冷却エアを吹き付ける、請求項1に記載のインフレーションフィルムの製造方法。
【請求項4】
冷却した筒状フィルムを巻取り装置にて巻き取る工程を含み、フィルムの巻取速度が75m/分以上である請求項3に記載のインフレーションフィルムの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエチレンフィルムと、インフレーションフィルムの成形方法、特に光学フィルムやドライフィルムレジストのプロテクトフィルムに好適なポリエチレンフィルムと、その成形方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)
【背景技術】
【0002】
インフレーションフィルム成形は、環状ダイの環状吐出口から溶融樹脂を押出してチューブ状のバブルとし、さらにこのバブルを内側に吹き込んだエア(膨張用エア)によって膨張させて、所望の径および厚さを有するチューブ状フィルムを成形する方法であり、ポリエチレンを始めとする様々な樹脂製フィルムを得る方法として広く用いられている。このようなインフレーション成形法を行う成形装置は、膨張過程にある樹脂バブルを外周面側から冷却する外部冷却装置(以下、「エアリング」という)がダイの上方に配設される。
【0003】
エアリングには少なくとも1つ以上の冷却エア吹き出し口が設備されており、その開度およびエアの風量は溶融樹脂の性質や温度、成形速度等により適宜調節することができる。ポリエチレンのインフレーションフィルム成形では、一般にバブルを急冷するほど透明性が良好(ヘイズが低い)となること、高速成形性や薄膜成形性が悪化することが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
ポリエチレンをインフレーションフィルム成形して得られるフィルムとして、近年、ドライフィルムレジストのプロテクトフィルムが注目されている。このフィルムには高いヘイズが求められるが、バブルの徐冷のみでは十分でなく、メルトフラクチャーによる表面荒れを利用して光を散乱させるために、スウェル比の高いポリエチレンが使用されることが多い。
【0005】
しかし、スウェル比の高いポリエチレンは粘度が高く、薄膜成形性時に流動性が悪化するため、高速・薄膜成形性が不十分であり、高へイズと高速・薄膜成形性を満たす方法が求められていた。
【0006】
このような状況下で、高ヘイズと高速・薄膜成形に優れるフィルムを得るためにエアリングを工夫し、ダイ近傍の溶融樹脂の冷却を強化する製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)が、成形可能なフィルム厚みは19μmが限度であり、市場ではさらなるコストダウンや薄膜化が求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
金井俊孝著 「フィルム成形」J-Stage出版 1993年、第752-757頁
【特許文献】
【0008】
特開2023-077154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ヘイズが高く、かつ高速・薄膜成形性に優れたインフレーションフィルムと、その製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の溶融特性を示す樹脂の積層フィルムであって、かつ、インフレーションフィルムの製造において、ダイから押出された筒状の溶融樹脂を冷却するエアの吹き出し口の数と位置により上記課題を解決することを見出し、本発明の完成に至った。
(【0011】以降は省略されています)
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