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公開番号2025016373
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-31
出願番号2024114703
出願日2024-07-18
発明の名称プロパン選択吸着材
出願人東ソー株式会社,国立大学法人横浜国立大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類B01J 20/18 20060101AFI20250124BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】
工業的なプロパン吸着材として適用可能であり、なおかつ、プロパン-プロピレン混合ガスから、効率的なプロパンの選択吸着を期待し得るプロパン吸着材、これを用いたプロパンの選択的吸着方法、及びプロピレンの精製方法の少なくともいずれかを提供する。
【解決手段】
アルミナに対するシリカのモル比が1000以上であるベータ型ゼオライトを含み、前記ベータ型ゼオライトは、29Si-DDMAS-NMRで測定されるスペクトルにおいて、化学シフト-120ppm以上-90ppm以下の範囲にピークトップを有する各ピークの合計面積に対する、化学シフト-120ppm以上-108ppm以下の範囲にピークトップを有する各ピークの合計面積の比率が98%以上である、プロパン選択吸着材。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
アルミナに対するシリカのモル比が1000以上であるベータ型ゼオライトを含み、前記ベータ型ゼオライトは、
29
Si-DDMAS-NMRで測定されるスペクトルにおいて、化学シフト-120ppm以上-90ppm以下の範囲にピークトップを有する各ピークの合計面積に対する、化学シフト-120ppm以上-108ppm以下の範囲にピークトップを有する各ピークの合計面積の比率が98%以上である、プロパン選択吸着材。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
前記ベータ型ゼオライトは、酸化物換算のアルカリ金属の含有量が200質量ppm以下である、請求項1に記載のプロパン選択吸着材。
【請求項3】
前記ベータ型ゼオライトは、プロピレンの吸着平衡定数K

に対するプロパンの吸着平衡定数K

の比率が、2.00以上である、請求項1に記載のプロパン選択吸着材。
【請求項4】
前記ベータ型ゼオライトがフッ素を含有する、請求項1に記載のプロパン選択吸着材。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つに記載のプロパン選択吸着材に含まれる前記ベータ型ゼオライトと、プロパン及びプロピレンを含む混合ガスと、を接触させることを含む、プロパンの選択的吸着方法。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一つに記載のプロパン選択吸着材に含まれる前記ベータ型ゼオライトと、プロパン及びプロピレンを含む混合ガスと、を接触させることを含む、プロピレンの精製方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ベータ型ゼオライトを含むプロパン選択吸着材、プロパンの選択的吸着方法、及びプロピレンの精製方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
プロピレンは石油化学における重要な基礎原料であり、工業的に、プロパンとプロピレンを含む混合ガス(以下、「プロパン-プロピレン混合ガス」ともいう)を精製することで製造されている。従来の精製方法と比べてエネルギー効率に優れたプロピレンの精製方法として、プロパン吸着材によりプロパン-プロピレン混合ガス中のプロパンを吸着し、これを精留する精製方法が検討されている(例えば、非特許文献1)。
【0003】
このような精製方法におけるプロパン吸着材として、金属有機構造体であるZIF-8(非特許文献2)や、STT型ゼオライト(非特許文献3)が使用されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Adsorption News,日本吸着学会,Vol.34,No.1(通巻No.132)(2020)13-19
Langmuir,29(2013)8592-8600
Microporous and Mesoporous Materials,236(2016)100-108
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献2で使用されたZIF-8等の金属有機構造体は高価である。これに加え、ZIF-8は耐熱性が低いため、頻繁な交換が必要となる。そのため、金属有機構造体をプロパン吸着材とする精製方法は非常に高コストであり、工業的な適用が困難であった。
【0006】
一方、非特許文献4のSTT型ゼオライトは、プロパンの吸着速度が遅く、特にプロパン含有量が少ないプロパン-プロピレン混合ガスからのプロパン吸着に長時間を要し、なおかつ、微量のプロパンを含むプロパン-プロピレン混合ガスからのプロパンの選択除去効率が非常に低く、実用的な時間での精製が困難であった。
【0007】
これらに鑑み、本開示は、工業的なプロパン吸着材として適用可能であり、なおかつ、プロパン-プロピレン混合ガスから、効率的なプロパンの選択吸着を期待し得るプロパン吸着材、これを用いたプロパンの選択的吸着方法、及びプロピレンの精製方法の少なくともいずれかを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示では、プロパンを含むプロパン-プロピレン混合ガスからプロパンを選択吸着しうる吸着材について、金属有機構造体と比較して安価な材料であるゼオライトに着目して検討した。その結果、特定の組成を有し、なおかつ、特定のNMRスペクトルを示すゼオライトが、プロパンの選択的な吸着材として機能し得ることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は特許請求の範囲に記載のとおりであり、また、本開示の要旨は以下のとおりである。
[1] アルミナに対するシリカのモル比が1000以上であるベータ型ゼオライトを含み、前記ベータ型ゼオライトは、
29
Si-DDMAS-NMRで測定されるスペクトルにおいて、化学シフト-120ppm以上-90ppm以下の範囲にピークトップを有する各ピークの合計面積に対する、化学シフト-120ppm以上-108ppm以下の範囲にピークトップを有する各ピークの合計面積の比率が98%以上である、プロパン選択吸着材。
[2] 前記ベータ型ゼオライトは、酸化物換算のアルカリ金属の含有量が200質量ppm以下である、[1]に記載のプロパン選択吸着材。
[3] 前記ベータ型ゼオライトは、プロピレンの吸着平衡定数K

に対するプロパンの吸着平衡定数K

の比率が、2.00以上である、[1]又は[2]に記載のプロパン選択吸着材。
[4] 前記ベータ型ゼオライトがフッ素を含有する、[1]から[3]のいずれか一つに記載のプロパン選択吸着材。
[5] [1]から[4]のいずれか一つに記載のプロパン選択吸着材に含まれる前記ベータ型ゼオライトと、プロパン及びプロピレンを含む混合ガスと、を接触させることを含む、プロパンの選択的吸着方法。
[6] [1]から[4]のいずれか一つに記載のプロパン選択吸着材に含まれる前記ベータ型ゼオライトと、プロパン及びプロピレンを含む混合ガスと、を接触させることを含む、プロピレンの精製方法。
【発明の効果】
【0010】
本開示により、工業的なプロパン吸着材として適用可能であり、なおかつ、プロパン-プロピレン混合ガスから、効率的なプロパンの選択吸着を期待し得るプロパン吸着材、これを用いたプロパンの選択的吸着方法、及びプロピレンの精製方法の少なくともいずれかを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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