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公開番号2025012172
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023114808
出願日2023-07-13
発明の名称D-サイロキシン特異的測定方法
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類G01N 33/53 20060101AFI20250117BHJP(測定;試験)
要約【課題】
イムノアッセイにおいてD-T4特異的に感度よく短時間でその濃度を測定する方法を提供する。
【解決手段】
・試料中のD-T4と、
・T4に結合できる分子(T4結合分子)と、
を反応させて、「D-T4とT4結合分子との複合体」を生成させ、
次いで、当該複合体に結合することができる分子(捕捉分子)を反応させて、
当該複合体と補足分子との結合体を検出する方法であって、
・T4結合分子が、D-T4とL-サイロキシン(L-T4)のいずれにも結合しうる抗T4抗体であり、
・捕捉分子が、当該複合体に特異的に結合する抗イムノコンプレックス抗体である、
D-T4の測定方法。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
・試料中のD-サイロキシン(D-T4)と、
・サイロキシン(T4)に結合できる分子(T4結合分子)と、
を反応させて、「D-T4とT4結合分子との複合体」を生成させ、
次いで、当該複合体に結合することができる分子(捕捉分子)を反応させて、
当該複合体と補足分子との結合体を検出する方法であって、
・T4結合分子が、D-T4に特異的に結合する
及び/又は
・捕捉分子が、当該複合体に特異的に結合する
ことを特徴とする、D-T4の測定方法。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
T4結合分子が、D-T4とL-サイロキシン(L-T4)のいずれにも結合しうる分子であり、かつ、捕捉分子が当該複合体に特異的に結合する分子である、請求項1に記載の測定方法。
【請求項3】
T4結合分子が抗T4抗体である、請求項1に記載の測定方法。
【請求項4】
捕捉分子が抗イムノコンプレックス抗体である、請求項3に記載の測定方法。
【請求項5】
ELISA法によってD-T4を測定する、請求項3に記載の測定方法。
【請求項6】
D-T4以外の化合物との交叉反応率が5%以下である、請求項1に記載の測定方法。
【請求項7】
D-T4以外の化合物がL-T4である、請求項6に記載の測定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、D-サイロキシン(以下「D-T4」という。)を特異的に測定する方法に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
抗体を用いた特定物質の検出方法(以下「イムノアッセイ」という。)についてはこれまで非常によく研究されており、数多くの手法が報告されている。しかしその技術の中心部分に注目すると、数種類の方法に分類することができる。そしてその中でも最も代表的な方法が、サンドイッチ法と競合法である。サンドイッチ法は、抗原を二種類の抗体で挟みこむことで捕捉し、検出する手法である。この方法ではまず、一方の抗体(一次抗体)を担体に固定化しておき、この一次抗体の働きにより、抗原を担体上に固定する。次に酵素や蛍光色素などで標識したもう一方の抗体(二次抗体)を加える。この標識した二次抗体が担体上に固定された抗原を捕捉して結合する。そしてこの標識した二次抗体により発せられるシグナルを検出することで抗原を定量する(図1)。一方競合法は、一種類の抗体を用いて抗原を検出する方法である。この方法では、抗体を担体に固定化しておき、抗原を含む試料と酵素や蛍光色素などで標識した抗原(標識化抗原)とを添加する。試料中の抗原量が増えると、抗体と結合する標識化抗原が減り、シグナルが弱くなる。抗原が含まれない試料を添加した時に標識化抗原から発せられるシグナルの強度を100%とし、抗原が含まれる試料を添加した時に標識化抗原から発せられるシグナル強度をこれに対する相対的な値として計算し、試料中の抗原量を算出する(図2)。
【0003】
サンドイッチ法、競合法、いずれの方法でも、抗原を定量的に検出可能である。しかし、その測定原理の違いにより、それぞれ利点と欠点がある。サンドイッチ法では、過剰量の一次抗体や二次抗体が使用できるため、感度よく抗原を検出できる。またこの方法では2種類の抗体によって抗原が認識されるので、非常に高い反応特異性を実現することもできる。このように感度と反応特異性の両面で優れた性能を発揮する点が、サンドイッチ法の利点となっている。一方この方法は、全ての抗原へ適応することが困難な測定法である。サンドイッチ法では、二種類の抗体が抗原へ同時に結合する必要がある。そのためこの方法に適応できる抗原は、抗体との相互作用部位が2つ以上ある比較的分子量の大きいものに限られる。このような制約を受ける点が、サンドイッチ法における欠点となっている。これに対して競合法では、使用する抗体が一種類で済む。そのため、抗体と相互作用する部位の少ない低分子量化合物(非特許文献1)であってもこれを検出できる。また実験操作がサンドイッチ法より1ステップ少ないため、測定時間を短くすることも可能である。しかし競合法ではサンドイッチ法のように過剰量の抗体を使用できない。そのため、同じ性能の抗体を使用した場合で比較すると、感度の点ではサンドイッチ法より劣る。また反応に関与する抗体が1種類のみであるため、特異性の点でもサンドイッチ法より劣っている。
【0004】
甲状腺から分泌されるホルモンの一種に、サイロキシン(以下「T4」という。)がある。生体内でT4は、糖の代謝や蛋白質合成などにおいて重要な役割を果たしている(非特許文献2)。またバセドウ病や甲状腺炎、橋本病などで甲状腺に異常が発生するとそのホルモンバランスが崩れ、動悸・体重減少・指の震え・汗かき・軟便・筋力低下など様々な全身症状が出ることも分かっている。そのためT4は、甲状腺機能をチェックする上で必須の診断マーカーとして広く利用されている。
【0005】
T4の血中濃度は臨床上非常に重要な情報ではあるが、その測定系の構築は容易ではない。特に血中のT4濃度は非常に低いため、その検出には感度のよい測定系を構築する必要がある。さらにT4はその内部に不斉中心があるため、L-サイロキシン(以下「L-T4」という。)とD-T4の光学異性体が存在する。以下の式(I)にD-T4の構造を示す。
【0006】
JPEG
2025012172000002.jpg
78
170
【0007】
そしてこれらの光学異性体は、生体内で別々の働きがあると分かっている(非特許文献2)。そのため臨床上正確な診断を行うためには、L-T4とD-T4とを見分けることが望ましい。しかしT4は分子量が小さいため、通常のイムノアッセイでは競合法で測定される。しかし競合法では前述のように高い反応特異性が得られず、L-T4とD-T4とを区別するのは困難であった。
【0008】
L-T4とD-T4を区別して測定する方法としてはHPLC法なども報告されているが、感度や測定スピードなどの性能ではイムノアッセイに遠く及ばず、これまで大きな課題となっていた(非特許文献3)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
生化学、82(8)、710:2010
Journal of Chromatography A, 1217 (2010) 4255-4266
Pharm Res. 2005 Apr;22(4):667-75.2005 Apr 7.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、イムノアッセイにおいてD-T4を特異的に感度よく短時間でその濃度を測定することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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