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公開番号2025026434
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2024133823
出願日2024-08-09
発明の名称顆粒粉末及びその製造方法
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C04B 35/488 20060101AFI20250214BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】
顆粒化に供する原料粉末スラリーの有機成分の詳細な組成制御を必須とすることなく、プレス成形法によって、高い強度を有する成形体が得られる顆粒粉末及びその簡便な製造方法の少なくともいずれかを提供する。
【解決手段】
セラミックスの粉末、及び、結合剤を含み、なおかつ、結合剤の質量あたりの赤外スペクトルにおける1730±20cm-1にピークトップを有する吸光ピーク強度が0.023count以上である、セラミックスの顆粒粉末。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
セラミックスの粉末、及び、結合剤を含み、なおかつ、結合剤の質量あたりの赤外スペクトルにおける1730±20cm
-1
にピークトップを有する吸光ピーク強度が0.023count以上である、セラミックスの顆粒粉末。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記セラミックスがジルコニアである、請求項1に記載の顆粒粉末。
【請求項3】
前記ジルコニアが安定化元素含有ジルコニアである、請求項2に記載の顆粒粉末。
【請求項4】
前記安定化元素がイットリウム、マグネシウム、カルシウム、セリウム及びエルビウムの群から選ばれる1以上である、請求項3に記載の顆粒粉末。
【請求項5】
前記結合剤が、ポリビニルピロリドン系樹脂及びアクリル系樹脂の少なくともいずかである、請求項1又は2に記載の顆粒粉末。
【請求項6】
前記結合剤の含有量が0.1質量%以上8質量%以下である、請求項1又は2に記載の顆粒粉末。
【請求項7】
軽装嵩密度が1.10g/cm

以上である、請求項1又は2に記載の顆粒粉末。
【請求項8】
前記顆粒粉末15±0.5gを直径25mmの円柱状金型に充填し、圧力49MPaでプレス成形したときの実測密度が2.70g/cm

以上である、請求項1又は2に記載の顆粒粉末。
【請求項9】
セラミックスの粉末、結合剤及び溶媒を含むスラリーを、熱風温度と排風温度の差を55℃以上として噴霧乾燥する工程、を有する請求項1に記載の顆粒粉末の製造方法。
【請求項10】
前記熱風温度が300℃以下である、請求項9に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、セラミックスの顆粒粉末及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
ジルコニア(二酸化ジルコニウム、ZrO

)をはじめとするセラミックス(焼結体)は、原料粉末を成形して成形体(圧粉体)とし、これを(必要に応じて仮焼した後に)焼結することで作製される。原料粉末の成形方法においては、金型に充填した原料粉末を加圧成形するプレス成形が汎用されている。通常、原料粉末は二次粒子径が1μm以下と小さく、流動性が低い。そのため、原料粉末を造粒し、凝集径を数十μmとした顆粒粉末(造粒粉末)がプレス成形に供される。流動性の改善に加え、原料粉末の成形時の特性を改善するため、原料粉末と、結合剤等の有機成分とを含む顆粒粉末が使用される。
【0003】
例えば、有機成分を含む顆粒粉末として、例えば、アクリル共重合樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアルキレンオキサイド及びステアリン酸からなる有機成分とセラミックス粉末とを噴霧乾燥することで得られる顆粒粉末が開示されている(特許文献1)。特許文献1では、このような顆粒粉末によって、成形時の離型性に優れる成形体が得られることが開示されている。また、特許文献2には、スラリーの気泡量、粘度及び表面張力などを制御することで平均円形度が高い顆粒粉末が得られることが開示されている。また、特許文献2の顆粒粉末は積層体の成形に適した原料となることが併せて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開2013/047413号
国際公開2018/056331号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の顆粒粉末により、成形圧を高くすることで強度の高い成形体が得られることが開示されている。しかしながら、特許文献1の顆粒粉末では、結合剤を含む詳細な有機成分の組成が制御された原料粉末スラリーの使用が必須である。さらに、本発明者の検討の結果、特許文献1の顆粒粉末により得られる成形体は、ハンドリング中に端部が欠けるなどの欠陥が生じやすいことが確認された。一方、特許文献2では、顆粒の円形度が原料粉末スラリーに有機成分の添加で制御できることが開示されている。この様に、従来は顆粒化に供する原料粉末のスラリーの有機成分の詳細な組成制御することにより、得られる顆粒粉末の特性を制御していた。なお、特許文献2では、顆粒粉末の円形度の制御に分散剤の使用が示唆されているものの、分散剤及びその他条件についての具体的な開示が一切されておらず、円形度の制御の具体的方法については開示が無い。
【0006】
本開示は、顆粒化に供する原料粉末スラリーの有機成分の詳細な組成制御を必須とすることなく、プレス成形法によって、ハンドリング中の割れや欠けの発生が生じにくい強度を有する成形体が得られる顆粒粉末、及び、この様な顆粒粉末の簡便な製造方法の少なくともいずれかを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従来は、原料粉末と有機成分の組合せや、原料粉末と有機成分など、スラリーの組成に着目することで、成形性に適した顆粒粉末を得ていた。これに対し、本開示では、スラリー組成の詳細な制御によらない顆粒特性の改善として、顆粒化条件自体に着目して検討した。その結果、顆粒化条件自体の制御によって、より高い強度を有する成形体を与える顆粒粉末が得られること、これにより、得られる成形体の端部の欠陥が生じにくくなることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は特許請求の範囲のとおりであり、また、本開示の要旨は以下のとおりである。
[1] セラミックスの粉末、及び、結合剤を含み、なおかつ、結合剤の質量あたりの赤外スペクトルにおける1730±20cm
-1
にピークトップを有する吸光ピーク強度が0.023count以上である、セラミックスの顆粒粉末。
[2] 前記セラミックスがジルコニアである、上記[1]に記載の顆粒粉末。
[3] 前記ジルコニアが安定化元素含有ジルコニアである、上記[2]に記載の顆粒粉末。
[4] 前記安定化元素がイットリウム、マグネシウム、カルシウム、セリウム及びエルビウムの群から選ばれる1以上である、上記[3]に記載の顆粒粉末。
[5] 前記結合剤が、ポリビニルピロリドン系樹脂及びアクリル系樹脂の少なくともいずかである、上記[1]乃至[4]のいずれかひとつに記載の顆粒粉末。
[6] 前記結合剤の含有量が0.1質量%以上8質量%以下である、上記[1]乃至[5]のいずれかひとつに記載の顆粒粉末。
[7] 軽装嵩密度が1.10g/cm

以上である、上記[1]乃至[6]のいずれかひとつに記載の顆粒粉末。
[8] 前記顆粒粉末15±0.5gを直径25mmの円柱状金型に充填し、圧力49MPaでプレス成形したときの実測密度が2.70g/cm

以上である、上記[1]乃至[7]のいずれかひとつに記載の顆粒粉末。
[9] セラミックスの粉末、結合剤及び溶媒を含むスラリーを、熱風温度と排風温度の差を55℃以上として噴霧乾燥する工程、を有する上記[1]乃至[8]のいずれかひとつに記載の顆粒粉末の製造方法。
[10] 前記熱風温度が300℃以下である、上記[9]に記載の製造方法。
[11] 上記[1]乃至[8]のいずれかひとつに記載の顆粒粉末を使用する成形体の製造方法。
[12] 上記[11]に記載の成形体を使用する仮焼体の製造方法。
[13] 上記[11]に記載の成形体、又は、上記[12]に記載の仮焼体を使用する焼結体の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本開示により、顆粒化に供する原料粉末スラリーの有機成分の詳細な組成制御を必須とすることなく、プレス成形法によって、ハンドリング中の割れや欠けの発生が生じにくい強度を有する成形体が得られる顆粒粉末、及び、この様な顆粒粉末の簡便な製造方法の少なくともいずれかを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例2の顆粒粉末のSEM観察図(図中スケールは100μm)
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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