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公開番号2025013630
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2024196116,2020043965
出願日2024-11-08,2020-03-13
発明の名称イソシアネート組成物の製造方法およびイソシアネート組成物
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C07D 229/00 20060101AFI20250117BHJP(有機化学)
要約【課題】色数が低く、かつ、貯蔵安定性に優れたカルボジイミド基および/またはウレトンイミン基を有する有機イソシアネートが得られるとともに、設備の損傷が抑制され、作業性に優れるイソシアネート組成物の製造方法を提供すること。
【解決手段】有機イソシアネート(A)にホスホレン系触媒(B)を添加して、該有機イソシアネート(A)が有するイソシアネート基をカルボジイミド化および/またはウレトンイミン化することと、ついで、停止剤(C)を添加して、カルボジイミド化および/またはウレトンイミン化を停止させることと、を含み、前記停止剤(C)が、スルホン酸無水物を含み、該スルホン酸無水物の添加量が、前記ホスホレン系触媒(B)の添加量に対して、10倍モル以上40倍モル以下である。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
有機イソシアネート(A)にホスホレン系触媒(B)を添加して、該有機イソシアネート(A)が有するイソシアネート基をカルボジイミド化および/またはウレトンイミン化することと、
ついで、停止剤(C)を添加して、カルボジイミド化および/またはウレトンイミン化を停止させることと、を含み、
前記停止剤(C)が、スルホン酸無水物を含み、
該スルホン酸無水物の添加量が、前記ホスホレン系触媒(B)の添加量に対して、10倍モル以上40倍モル以下であることを特徴とするイソシアネート組成物の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記スルホン酸無水物が、トリフルオロメタンスルホン酸無水物であることを特徴とする請求項1に記載のイソシアネート組成物の製造方法。
【請求項3】
前記有機イソシアネート(A)が、ジフェニルメタンジイソシアネートを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のイソシアネート組成物の製造方法。
【請求項4】
前記ホスホレン系触媒(B)の添加量が、前記イソシアネート組成物の質量に対して、0.1ppm以上50ppm以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のイソシアネート組成物の製造方法。
【請求項5】
有機イソシアネート(A)と、ホスホレン系触媒(B)と、停止剤(C)と、の反応生成物を含むイソシアネート組成物であって、
前記停止剤(C)が、スルホン酸無水物を含み、
前記反応生成物は、
前記有機イソシアネート(A)の一部がカルボジイミド化および/またはウレトンイミン化した変性イソシアネートと、
前記有機イソシアネート(A)の残りの一部である未変性イソシアネートと、を含み、
下記測定方法に従って測定される前記未変性イソシアネートの1ヶ月経時変化量が、-2.0%以上0%以下であることを特徴とするイソシアネート組成物:
[測定方法]
(1) 前記イソシアネート組成物のサンプルの分子量分布をゲルパーミエーションクロマトグラフによって測定して、前記未変性イソシアネートのピークトップ分子量付近のピークエリア%を算出して保管前ピークエリア%を得て、
(2) 前記イソシアネート組成物のサンプルを45℃環境下で1ヶ月保管した後、当該保管後のサンプルの分子量分布をゲルパーミエーションクロマトグラフによって測定して、前記未変性イソシアネートのピークトップ分子量付近のピークエリア%を算出して保管後ピークエリア%を得て、
(3) 下記式から、前記1ヶ月経時変化量を算出する。
(1ヶ月経時変化量)=(保管後ピークエリア%)-(保管前ピークエリア%)
【請求項6】
前記スルホン酸無水物が、トリフルオロメタンスルホン酸無水物であることを特徴とする請求項5に記載のイソシアネート組成物。
【請求項7】
前記有機イソシアネート(A)が、ジフェニルメタンジイソシアネートを含むことを特徴とする請求項5または6に記載のイソシアネート組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、イソシアネート組成物の製造方法およびイソシアネート組成物に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
有機イソシアネートにアルキルホスフェート系触媒やホスホレン触媒等の触媒を加えて反応させて得られる、カルボジイミド基および/またはウレトンイミン基を含有する有機イソシアネートが知られている。カルボジイミド基および/またはウレトンイミン基を含有する有機イソシアネートは、塗料、熱硬化エラストマーフォーム等の原料として使用されている。
【0003】
特許文献1は、トリアルキルホスフェート等により有機イソシアネートをカルボジイミド化することを開示している。
また、ホスホレン触媒を用いた有機イソシアネートのカルボジイミド化は、ホスホレン触媒の活性が高く反応が低温でも進行するため、停止剤を用いてカルボジイミド化を途中で停止する。特許文献2は、ホスホレン触媒を用いた有機イソシアネートのカルボジイミド化において、停止剤にトリフルオロメタンスルホン酸を用いることを開示している。また、特許文献2は、かかるカルボジイミド基を有する有機イソシアネートが貯蔵安定性に優れることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特公昭52-2908公報
特開2000-109539公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1にかかるイソシアネート組成物は、得られたカルボジイミド基および/またはウレトンイミン基を含有するイソシアネート組成物の着色度が大きい。一方、トリフルオロメタンスルホン酸は劇物かつ超酸であるため、特許文献2にかかるイソシアネート組成物は、その製造の際に設備の腐食の恐れがあり、また、作業性に劣る。
したがって、本開示の一実施形態は、色数が低く、かつ、貯蔵安定性に優れたカルボジイミド基および/またはウレトンイミン基を有する有機イソシアネートが得られるとともに、設備の損傷が抑制され、作業性に優れるイソシアネート組成物の製造方法を提供することに向けられている。また、本開示の他の実施形態は、設備の損傷が抑制され、作業性に優れる製法により得られるとともに、色数が低く、かつ、貯蔵安定性に優れるイソシアネート組成物を提供することに向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態によれば、
有機イソシアネート(A)にホスホレン系触媒(B)を添加して、該有機イソシアネート(A)が有するイソシアネート基をカルボジイミド化および/またはウレトンイミン化することと、
ついで、停止剤(C)を添加して、カルボジイミド化および/またはウレトンイミン化を停止させることと、を含み、
前記停止剤(C)が、スルホン酸無水物を含み、
該スルホン酸無水物の添加量が、前記ホスホレン系触媒(B)の添加量に対して、10倍モル以上40倍モル以下であるイソシアネート組成物の製造方法が提供される。
【0007】
本開示の他の実施形態によれば、
有機イソシアネート(A)と、ホスホレン系触媒(B)と、停止剤(C)と、の反応生成物を含み、
前記停止剤(C)が、スルホン酸無水物を含むイソシアネート組成物であって、
前記反応生成物は、
前記有機イソシアネート(A)の一部がカルボジイミド化および/またはウレトンイミン化した変性イソシアネートと、
前記有機イソシアネート(A)の残りの一部である未変性イソシアネートと、を含み、
下記測定方法に従って測定される前記未変性イソシアネートの1ヶ月経時変化量が、-2.0%以上0%以下であることを特徴とするイソシアネート組成物:
[測定方法]
(1) 前記イソシアネート組成物のサンプルの分子量分布をゲルパーミエーションクロマトグラフによって測定して、前記未変性イソシアネートのピークトップ分子量付近のピークエリア%を算出して保管前ピークエリア%を得て、
(2) 前記イソシアネート組成物のサンプルを45℃環境下で1ヶ月保管した後、当該保管後のサンプルの分子量分布をゲルパーミエーションクロマトグラフによって測定して、前記未変性イソシアネートのピークトップ分子量付近のピークエリア%を算出して保管後ピークエリア%を得て、
(3) 下記式から、前記1ヶ月経時変化量を算出する。
(1ヶ月経時変化量)=(保管後ピークエリア%)-(保管前ピークエリア%)
【発明の効果】
【0008】
本開示の一実施形態によれば、色数が低く、かつ、貯蔵安定性に優れたカルボジイミド基および/またはウレトンイミン基を有する有機イソシアネートが得られるとともに、設備の損傷が抑制され、作業性に優れるイソシアネート組成物の製造方法を提供することができる。また、本開示の他の実施形態によれば、設備の損傷が抑制され、作業性に優れる製法により得られるとともに、色数が低く、かつ、貯蔵安定性に優れるイソシアネート組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための例示的な実施形態を詳細に説明する。
【0010】
[イソシアネート組成物の製造方法]
本開示の一実施形態は、
有機イソシアネート(A)にホスホレン系触媒(B)を添加して、該有機イソシアネート(A)が有するイソシアネート基をカルボジイミド化および/またはウレトンイミン化することと、
ついで、停止剤(C)を添加して、カルボジイミド化および/またはウレトンイミン化を停止させることと、を含み、
前記停止剤(C)が、スルホン酸無水物を含み、
該スルホン酸無水物の添加量が、前記ホスホレン系触媒(B)の添加量に対して、10倍モル以上40倍モル以下であるイソシアネート組成物の製造方法である。
(【0011】以降は省略されています)

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