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公開番号2025003226
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023103774
出願日2023-06-23
発明の名称一酸化ケイ素の製造方法
出願人株式会社アドマテックス
代理人弁理士法人 共立特許事務所
主分類C01B 33/113 20060101AFI20241226BHJP(無機化学)
要約【課題】従来よりも生産性が良い一酸化ケイ素の製造方法を提供すること。
【解決手段】反応系中の酸素量を化学量論的に必要な量から減少させることで生成した一酸化ケイ素の更なる酸化を抑制することができる。つまり、火炎を不完全燃焼状態にすることで一酸化ケイ素の生産性が向上する。更に、生成した一酸化ケイ素が火炎中に戻らないようにすることで生成した一酸化ケイ素がシリカにまで酸化されることを抑制できる。本発明の一酸化ケイ素の製造方法は、金属ケイ素、又は、金属ケイ素及びシリカからなる原料粒子材料を、可燃性ガスと酸素を含む助燃性ガスとから形成される火炎中に投入して一酸化ケイ素を含む生成物を得る反応工程を有し、前記助燃性ガス中の酸素の量が前記可燃性ガスが完全に燃焼し且つ前記原料粒子材料が一酸化ケイ素にまで酸化乃至還元されるために必要な化学量論比の1倍未満である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
金属ケイ素、又は、金属ケイ素及びシリカからなる原料粒子材料を、可燃性ガスと酸素を含む助燃性ガスとから形成される火炎中に投入して一酸化ケイ素を含む生成物を得る反応工程を有し、
前記助燃性ガス中の酸素の量が前記可燃性ガスが完全に燃焼し且つ前記原料粒子材料が一酸化ケイ素にまで酸化乃至還元されるために必要な化学量論比の1倍未満である一酸化ケイ素の製造方法。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
前記助燃性ガス中の酸素の量が前記可燃性ガスが完全に燃焼するために必要な化学量論比の1倍未満である請求項1に記載の一酸化ケイ素の製造方法。
【請求項3】
前記助燃性ガス中の酸素の量が前記可燃性ガスが完全に燃焼するために必要な化学量論比の0.4以上である請求項2に記載の一酸化ケイ素の製造方法。
【請求項4】
前記反応工程は、燃焼炉中で行われ、
前記燃焼炉内の気体の流れが一方向になるように、ガスを流すか、及び/又は、前記火炎を前記燃焼炉の上部から下部に向けて発生させる以外の配置にする請求項1に記載の一酸化ケイ素の製造方法。
【請求項5】
前記火炎を形成する燃焼バーナは、火炎を上方向乃至横方向に向けて形成する請求項4に記載の一酸化ケイ素の製造方法。
【請求項6】
前記反応工程における前記燃焼炉内の酸素濃度は5体積%未満である請求項1に記載の一酸化ケイ素の製造方法。
【請求項7】
前記生成物を洗浄液で洗浄して、炭素含有化合物、窒素含有化合物を除去する洗浄工程を有する請求項1に記載の一酸化ケイ素の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、一酸化ケイ素の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来の一酸化ケイ素の製造方法は、金属ケイ素からなる粒子材料と、シリカからなる粒子材料を混合・接触させた状態で高温(1500℃以上)に加熱することで一酸化ケイ素ガスを発生させる方法(方法1)、シリカからなる粒子材料に炭素からなる粒子材料を高温で反応させて還元して一酸化ケイ素ガスを発生させる方法(方法2)、金属ケイ素からなる粒子材料とシリカからなる粒子材料とを酸素ガスの存在下で爆発燃焼させる方法(方法3:特許文献1)が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2023/282136号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、方法1では、金属ケイ素からなる粒子材料とシリカからなる粒子材料との接触部分で進行する固相接触反応であるため反応速度が遅い。反応速度を向上するために反応温度を上げると金属ケイ素が揮発して純度が悪くなり、粒子間の接触面積を増加するために粒子材料を微細化すると取り扱いを誤ると粉塵爆発が生じるおそれが生じる。
【0005】
方法2では、シリカを炭素により還元する反応が連続的であるため一酸化ケイ素の生成で止めることが困難で金属ケイ素の生成まで進行することがあった。
【0006】
方法3では、分析データの記載は無いが原理的には一酸化ケイ素が生成するものと思われる。しかしながら本発明者らの検討の結果、一酸化ケイ素を効率的に生成することは困難であった。具体的には、金属ケイ素及びシリカの混合物を火炎中にて加熱することで得られた一酸化ケイ素は、そのまま回収できず、一定割合で火炎中にて再度加熱されてシリカにまで酸化されることが分かった。
【0007】
本発明は上記実情に鑑み完成したものであり、従来よりも生産性良く一酸化ケイ素を製造することができる製造方法を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決する目的で鋭意検討を行った結果、以下の知見を得た。方法3のように火炎中の反応で得られた一酸化ケイ素は、その火炎で更に加熱されることでシリカにまで酸化される。反応に用いる火炎は、可燃性ガスと酸素を含む助燃性ガスとの混合物を燃焼することで形成されるが、火炎中に存在する一酸化ケイ素は可燃性ガスと酸素を取り合い、シリカにまで酸化される。
【0009】
従って、反応系中の酸素量を化学量論的に必要な量から減少させることで生成した一酸化ケイ素の更なる酸化を抑制することができる。つまり、金属ケイ素からなる粒子材料から、又は、金属ケイ素からなる粒子材料及びシリカからなる粒子材料の混合物を投入して一酸化ケイ素を形成する際に火炎は不完全燃焼状態にすることで一酸化ケイ素の生産性が向上することを見出した。更に、生成した一酸化ケイ素が火炎中に戻らないようにすることで生成した一酸化ケイ素がシリカにまで酸化されることを更に抑制できる。
【0010】
(1)本発明は上記知見に基づき完成したものであり、上記課題を解決する本発明の一酸化ケイ素の製造方法は、金属ケイ素、又は、金属ケイ素及びシリカからなる原料粒子材料を、可燃性ガスと酸素を含む助燃性ガスとから形成される火炎中に投入して一酸化ケイ素を含む生成物を得る反応工程を有し、
前記助燃性ガス中の酸素の量が前記可燃性ガスが完全に燃焼し且つ前記原料粒子材料が一酸化ケイ素にまで酸化乃至還元されるために必要な化学量論比の1倍未満である。
(【0011】以降は省略されています)

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