TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025012658
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023115666
出願日2023-07-14
発明の名称アンモニア合成システム
出願人株式会社豊田中央研究所,トヨタ自動車株式会社,国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人個人,個人
主分類C01C 1/04 20060101AFI20250117BHJP(無機化学)
要約【課題】アンモニアを効率的に合成することができる技術を提供する。
【解決手段】アンモニアを合成するアンモニア合成システムであって、水素と窒素とを含む反応ガスからアンモニアを合成する合成反応を促進する触媒を収容した反応器と、反応器に供給される反応ガス中の窒素に対する水素の割合であるH2/N2比を制御する制御部と、を備え、制御部は、触媒の劣化度合に応じてH2/N2比を制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
アンモニアを合成するアンモニア合成システムであって、
水素と窒素とを含む反応ガスからアンモニアを合成する合成反応を促進する触媒を収容した反応器と、
前記反応器に供給される前記反応ガス中の窒素に対する水素の割合であるH
2
/N
2
比を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記触媒の劣化度合に応じてH
2
/N
2
比を制御する、アンモニア合成システム。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
請求項1に記載のアンモニア合成システムであって、
前記制御部は、前記反応器から送出される反応後ガス中のアンモニア濃度と前記触媒の温度とのうち少なくとも一方を前記触媒の劣化度合の指標として、H
2
/N
2
比を制御する、アンモニア合成システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のアンモニア合成システムであって、
前記制御部は、
第1基準時点における前記アンモニア濃度が前記第1基準時点より前の比較時点における前記アンモニア濃度に所定割合を乗じた比較濃度以下である場合、もしくは、前記第1基準時点における前記触媒の温度が前記比較時点における前記触媒の温度に所定割合を乗じた比較温度以下である場合、H
2
/N
2
比を減少させる減少制御を実行し、
最後に前記減少制御を実行した後の第2基準時点における前記アンモニア濃度が前記第1基準時点における前記アンモニア濃度よりも高い場合、もしくは、前記第2基準時点における前記触媒の温度が前記第1基準時点における前記触媒の温度よりも高い場合、最後の前記減少制御を実行した後のH
2
/N
2
比を維持する維持制御を実行し、
前記第2基準時点における前記アンモニア濃度が前記第1基準時点における前記アンモニア濃度以下である場合、もしくは、前記第2基準時点における前記触媒の温度が前記第1基準時点における前記触媒の温度以下である場合、H
2
/N
2
比を最後の前記減少制御を実行する前のH
2
/N
2
比に戻す回帰制御を実行し、
前記維持制御もしくは前記回帰制御を実行した後の時点を新たな前記第1基準時点とみなして、再び前記第1基準時点における前記アンモニア濃度と前記比較濃度との比較および前記第1基準時点における前記触媒の温度と前記比較温度との比較を行う、アンモニア合成システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アンモニア合成システムに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、触媒を収容した反応器に対して、窒素(N
2
)と水素(H
2
)とを含む反応ガスを供給することによりアンモニアを合成するアンモニア合成システムが知られている。そのようなアンモニア合成システムとして、例えば、特許文献1には、パージガスや冷却器を用いて中間生成ガスを冷却するアンモニア合成システムが開示されている。また、特許文献2には、アンモニア合成に用いる循環ガス中のアンモニアガスの濃度を3体積%以上にして、アンモニア合成を実行するアンモニア合成システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-203603号公報
特開2020-66573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
触媒に供給される反応ガス中の窒素に対する水素の割合(H
2
/N
2
比)は、アンモニア合成速度を決定するパラメータの1つである。アンモニア合成速度を促進するために適切なH
2
/N
2
比は、例えば、触媒の劣化度合に応じて変動する。しかし、特許文献1,2におけるアンモニア合成システムでは、H
2
/N
2
比の制御について何ら考慮しておらず、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、アンモニアを効率的に合成することができるアンモニア合成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、アンモニア合成システムが提供される。このアンモニア合成システムは、水素と窒素とを含む反応ガスからアンモニアを合成する合成反応を促進する触媒を収容した反応器と、前記反応器に供給される前記反応ガス中の窒素に対する水素の割合であるH
2
/N
2
比を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記触媒の劣化度合に応じてH
2
/N
2
比を制御する。
【0008】
アンモニアの合成に適した反応ガス中のH
2
/N
2
比は、触媒が劣化するほど小さくなる傾向にある。この構成によれば、そのような触媒の劣化度合に応じて反応ガス中のH
2
/N
2
比を制御することができる。したがって、触媒の劣化度合を考慮せずに調整されたH
2
/N
2
比の反応ガスが反応器に供給される形態と比べて、アンモニアを効率的に合成することができる。すなわち、触媒の劣化とともに反応ガス中のH
2
/N
2
比を触媒の活性がより促進される好適な値に近付けることから、アンモニアの製造に必要な投入エネルギーを低減することができる。
【0009】
(2)上記形態のアンモニア合成システムにおいて、前記制御部は、前記反応器から送出される反応後ガス中のアンモニア濃度と前記触媒の温度とのうち少なくとも一方を前記触媒の劣化度合の指標として、H
2
/N
2
比を制御してもよい。
例えば、あるH
2
/N
2
比の反応ガスを劣化していない触媒に供給している際の反応後ガス中のアンモニア濃度と比べて、同じH
2
/N
2
比の反応ガスを触媒に供給している際の反応後ガス中のアンモニア濃度が低い場合、その触媒は劣化しているとみなすことができる。また、アンモニア合成反応は発熱反応であることから、あるH
2
/N
2
比の反応ガスを劣化していない触媒に供給している際の触媒の温度と比べて、同じH
2
/N
2
比の反応ガスを触媒に供給している際の触媒の温度が低い場合、その触媒は劣化しているとみなすことができる。したがって、この構成によれば、反応後ガス中のアンモニア濃度や触媒の温度を触媒劣化の指標として用いることから、精度良く触媒の劣化度合を把握しながらH
2
/N
2
比を制御することができる。その結果、触媒の劣化に応じたH
2
/N
2
比の反応ガスが反応器に供給できることから、一層効率的にアンモニアを合成することができる。
【0010】
(3)上記形態のアンモニア合成システムにおいて、前記制御部は、第1基準時点における前記アンモニア濃度が前記第1基準時点より前の比較時点における前記アンモニア濃度に所定割合を乗じた比較濃度以下である場合、もしくは、前記第1基準時点における前記触媒の温度が前記比較時点における前記触媒の温度に所定割合を乗じた比較温度以下である場合、H
2
/N
2
比を減少させる減少制御を実行し、最後に前記減少制御を実行した後の第2基準時点における前記アンモニア濃度が前記第1基準時点における前記アンモニア濃度よりも高い場合、もしくは、前記第2基準時点における前記触媒の温度が前記第1基準時点における前記触媒の温度よりも高い場合、最後の前記減少制御を実行した後のH
2
/N
2
比を維持する維持制御を実行し、前記第2基準時点における前記アンモニア濃度が前記第1基準時点における前記アンモニア濃度以下である場合、もしくは、前記第2基準時点における前記触媒の温度が前記第1基準時点における前記触媒の温度以下である場合、H
2
/N
2
比を最後の前記減少制御を実行する前のH
2
/N
2
比に戻す回帰制御を実行し、前記維持制御もしくは前記回帰制御を実行した後の時点を新たな前記第1基準時点とみなして、再び前記第1基準時点における前記アンモニア濃度と前記比較濃度との比較および前記第1基準時点における前記触媒の温度と前記比較温度との比較を行ってもよい。
この構成によれば、反応後ガス中のアンモニア濃度や触媒の温度に応じて、減少制御や回帰制御、維持制御を実行させることによって、反応ガス中のH
2
/N
2
比をアンモニアの合成に好適な値に近付けることができる。したがって一層効率的にアンモニアを合成することができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

株式会社豊田中央研究所
合成ガス製造装置
16日前
株式会社合同資源
金属ヨウ化物錠剤
2日前
トヨタ自動車株式会社
資源の回収方法
2日前
日揮触媒化成株式会社
ゼオライト成形体の製造方法
4日前
日本特殊陶業株式会社
材料粉末および材料粉末の製造方法
3日前
国立大学法人 新潟大学
反応媒体および水素の製造方法
4日前
積水化学工業株式会社
還元剤
7日前
株式会社エフ・シー・シー
カーボンナノチューブ分散液の製造方法
3日前
日揮触媒化成株式会社
粒子の分散液、及びその製造方法
7日前
東ソー株式会社
Cr-Si系焼結体
1日前
三菱重工業株式会社
塩化マグネシウムの製造システム
16日前
三井金属鉱業株式会社
炭化ケイ素粉末及びその製造方法
1日前
東京エレクトロン株式会社
オゾン濃縮器、基板処理装置及びオゾン供給方法
7日前
ティアンキ リチウム コーポレーション
EVグレード硫化リチウムとその調製方法
今日
住友金属鉱山株式会社
炭酸マグネシウムの製造方法、及び、二酸化炭素の固定方法
7日前
株式会社東芝
オゾン発生器
8日前
学校法人東京理科大学
導電性組成物
14日前
学校法人金沢工業大学
ポリホウ酸イオンの高濃度水溶液
4日前
ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
リチウム金属複合酸化物の製造方法
14日前
ティアンキ リチウム コーポレーション
EVグレード高純度硫化リチウムの調製方法と製造方法
8日前
日揮触媒化成株式会社
チタン酸バリウム粒子の分散液、およびその製造方法
1日前
株式会社東芝
オゾン発生装置用の電源装置
2日前
日鉄鉱業株式会社
種粒子とコバルトフェライト粒子の複合粒子及びその製造方法
15日前
DOWAエレクトロニクス株式会社
六方晶フェライト合成用非晶質体および六方晶フェライト磁性粉の製造方法
7日前
エア・ウォーター・メカトロニクス株式会社
精製ガスの製造装置および精製ガスの製造方法
7日前
株式会社豊田中央研究所
炭素捕捉方法
16日前
住友化学株式会社
前駆体、リチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
16日前
株式会社エフ・シー・シー
カーボンナノチューブ分散液の製造方法
3日前
ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
リチウム金属複合酸化物の製造方法及び金属複合水酸化物粉末
3日前
古河機械金属株式会社
硫化物系無機固体電解質材料用の五硫化二リン組成物
1日前
古河機械金属株式会社
硫化物系無機固体電解質材料用の五硫化二リン組成物
1日前
住友化学株式会社
カルコゲニド含有化合物、固体電解質、正極材、誘電体、及び電池
1日前
国立大学法人東海国立大学機構
ナノ中空粒子及びナノ中空粒子の製造方法
9日前
株式会社ルミカ
二酸化塩素発生装置、二酸化塩素発生方法、及び密閉構造
今日
エスケー イノベーション カンパニー リミテッド
硫化リチウムの製造方法
11日前
国立大学法人信州大学
層状酸化物の層間への選択的インターカレーション方法、層状化合物構造体の合成方法、及び層状化合物構造体
4日前
続きを見る