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公開番号2025049841
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-04
出願番号2023158297
出願日2023-09-22
発明の名称粒子の分散液、及びその製造方法
出願人日揮触媒化成株式会社
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類C01B 33/145 20060101AFI20250327BHJP(無機化学)
要約【課題】屈折率が低く、アスペクト比の高い粒子の存在割合が高い中空シリカ粒子の分散液及びその製造方法を提供する。
【解決手段】この粒子は、珪素を含む外殻と、その内側に空洞を有する粒子であって、その平均粒子径が15~150nm、屈折率が1.08~1.35であって、シアーズ測定法によって算出される粒子表面のシラノール基の数密度が0.5~2.5個/nm2であって、前記粒子の内、アスペクト比が1.50~5.00の粒子の個数割合は50%以上である。この粒子を含む分散液をレジスト材に使用した場合、パターン部からの粒子脱離、すなわち、残渣やパターン荒れが少ないパターン膜が得られ、かつ上層レジスト膜形成後も同様の特性を有する膜を得ることが可能になる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
珪素を含む外殻と、その内側に空洞を有する粒子であって、
前記粒子の平均粒子径が15~150nm、屈折率が1.08~1.35、シアーズ測定法によって算出される粒子表面のシラノール基の数密度が0.5~2.5個/nm

であって、前記粒子の内、アスペクト比が1.50~5.00である粒子の個数割合が50%以上であることを特徴とする粒子の分散液。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記粒子の平均アスペクト比が1.25~5.00であることを特徴とする請求項1記載の粒子の分散液。
【請求項3】
前記空洞の平均アスペクト比が1.00~6.50であることを特徴とする請求項1記載の粒子の分散液。
【請求項4】
前記粒子の内、非連結粒子の短径並びに連結粒子のくびれ部の径の加重平均値(Dn)と、平均一次粒子径(Df)との比(Dn/Df)が0.20~0.95であることを特徴とする請求項1又は2記載の粒子の分散液。
【請求項5】
前記粒子の水分散液のパルスNMR測定から求められる粒子の比表面積(A1)と、前記粒子の平均粒子径から求められる粒子の比表面積(A2)との比(A1/A2)が0.60以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の粒子の分散液。
【請求項6】
前記粒子のヘリウムガスによる密度と窒素ガスによる密度との差が、0.2~1.4g/cm

であることを特徴とする請求項1又は2記載の粒子の分散液。
【請求項7】
前記粒子の
29
Si-NMR解析において、ケミカルシフトが-78~-120ppmに現れる珪素原子のQ

~Q

構造を表す各々のピークの面積の合計に対する、ケミカルシフトが-108~-120ppmに現れるQ

構造を表すピークの面積の割合が90%未満であることを特徴とする請求項1又は2記載の粒子の分散液。
【請求項8】
前記粒子が、アルキル基、アクリロイル基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、メルカプト基、及びエポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基と、
水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基から選ばれる少なくとも1種の官能基と、
を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の粒子の分散液。
【請求項9】
アルカリ水溶液を準備する第一工程と、
珪素を含む化合物の溶液と、アルカリ可溶の前記珪素以外の無機元素の化合物の水溶液とを、前記珪素の酸化物をSiO

と表し、前記無機元素の酸化物をMOxと表した時、前記溶液及び前記水溶液の濃度は各々SiO

、MOxとして3.1~10.0質量%、かつ、分散液の固形分濃度が2.5質量%以上となる期間を有するように前記アルカリ水溶液中に同時に添加して、複合酸化物粒子aの分散液を調製する第二工程と、
次に、前記第二工程のモル比よりも小さいモル比(MOx/SiO

)で、珪素を含む化合物の溶液と、アルカリ可溶の前記珪素以外の無機元素の化合物の水溶液と、を添加して、平均一次粒子径が15~150nm、かつ、前記平均一次粒子径から前記複合酸化物粒子aの平均一次粒子径を減じて2で除した値が3~14nmとなる複合酸化物粒子bの分散液を調製する第三工程と、
次に、複合酸化物粒子bの分散液に酸を加え、前記複合酸化物粒子bを構成する珪素以外の元素の少なくとも一部を除去して、シリカ系粒子の分散液を調製する第四工程と、
次に、前記シリカ系粒子の分散液を、60~200℃まで加温し、その後50℃未満に降温する第五工程と、
を含む粒子の分散液の製造方法。
【請求項10】
前記第一工程のアルカリ水溶液が、両性酸化物となる元素を含む、請求項9記載の粒子の分散液の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、中空シリカ粒子の分散液、及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子、プリント基板、液晶ディスプレイパネル、有機ELディスプレイパネル等の製造に用いられるフォトリソグラフィでは、基板上に感光性の物質を塗布し、パターン上に露光及び現像させることにより加工する技術が普及している。このフォトリソグラフィに使用される感光性材料(レジスト材)は、基板表面に、例えば、低屈折率膜(あるいは高屈折率膜)や絶縁膜といった機能膜をパターン状に形成させる材料である。このため、高感度、高解像度、及び高透明性が要求される。このような機能膜は、レジスト材を用いて所望する形状にパターニングされながら形成される。このレジスト材は、樹脂成分と、重合開始剤、及び溶剤といった成分で構成される。
【0003】
これまで、膜の低屈折率化の手段として、中空シリカ粒子や、粒子内部が多孔質な低屈折率粒子を塗布液に使用することが知られている。例えば、特開2019-119848号公報(特許文献1)や特開2020-166156号公報(特許文献2)には、感光性樹脂組成物として、膜の屈折率を低くするために、粒子内に気体が包含されているシリカ粒子を使用することが示されている。また、国際公開第2010/071010号(特許文献3)には、シリカ系中空微粒子が鎖状に連結した鎖状シリカ系中空微粒子について記載されている。更に、特開2009-020520号公報(特許文献4)には、低誘電性、接着力、耐熱性等に優れた感光性樹脂組成物について記載され、有機シランで表面処理されたコロイド状ナノ粒子無機物の使用について示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-119848号公報
特開2020-166156号公報
国際公開第2010/071010号
特開2009-020520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エレクトロニクス分野では、レジスト膜によって回路基板や素子といった部材が作製される。こうしたレジスト膜の多層構造において、マイクロレンズ機能や反射防止機能を付与するために低屈折率のパターン膜が要求される。この低屈折率粒子としては、「外殻の内側に空洞を有する粒子」、所謂「中空粒子」が例示される。ところが、このような粒子を配合したレジスト膜を現像してパターンを形成する際、パターン部から粒子の脱離により基板上に粒子由来の残渣が発生しやすく、シャープなパターンが得られないこと(所謂、パターン荒れ)が懸念される。このように、レジスト膜形成工程における残渣、及びパターン荒れは、デバイスの品質に大きな影響を与える。
【0006】
また、低屈折粒子として、「空隙率の高い」中空粒子すなわち「粒子径の大きい」中空粒子を配合すると、パターン部の表面凹凸が大きくなるため、パターン荒れが発生し易い。一方、このパターン部の表面凹凸を抑制するために「粒子径の小さい」中空粒子を配合すると、粒子径の大きい中空粒子に比べて、中空粒子の空隙率が低く屈折率が高いため、膜の屈折率の低下が不十分となる。更に、膜の低屈折率化を図って中空粒子の配合量を増加しても、粒子間に存在し得る樹脂成分が少ないことに起因して、表面凹凸が大きくなり、パターン荒れが発生し易くなる。すなわち、粒子配合によるレジスト膜の低屈折率化は、粒子脱離を抑制するとともに、屈折率と表面凹凸の平坦化を両立する必要がある。
【0007】
特許文献1や特許文献2に記載の粒子をレジスト材に使用する場合は、屈折率の低い膜を得ることは期待できるが、粒子表面のシラノール基の数密度が低いため、アルカリ現像液との相溶性が低く、パターン荒れが発生する問題や、パターン部から粒子の脱離が発生し、基板上に粒子に由来する残渣が生じる問題がある。また、特許文献3に記載の粒子をレジスト材に使用する場合は、屈折率の低い膜を得ることは期待できるが、粒子表面のシラノール基の数密度が高いため、レジスト膜中の分散性が低く、パターンを形成すること自体が困難となる問題がある。更に、特許文献4に記載の粒子は、有機シランで表面処理されているため、レジスト膜中の分散性は高いものの、アルカリ現像液との相溶性は低く、パターン荒れが発生する問題や、基板上に粒子に由来する残渣が生じる問題がある。
【0008】
粒子由来の残渣が存在すると、配線パターン破壊によるオープン・ショート不良や、動作スピードが低下するおそれがある。粒子が配合されたレジスト膜における残渣の発生要因としては、例えば、アルカリ現像液との相溶性不足、現像後のリンス不足、パターン部からの粒子脱離、上層レジスト膜形成時の溶剤によるパターン膜の溶解が挙げられる。中でも、パターン部からの粒子脱離による残渣や上層レジスト膜形成時のパターン膜の溶解は、現像工程後の工程で発生する。このことは、レジスト膜の多層構造の形成が不十分となり、同時にパターンの崩壊に繋がるおそれがある。このため、粒子としては、上層レジスト膜形成時においても、パターン部から脱離しにくいことが求められる。ここで、上層レジスト膜形成時のパターン膜の溶解は、上層に塗工するレジスト液の溶剤が、パターン膜中の粒子と樹脂の界面への浸透が要因と想定される。このパターン部からの粒子脱離を抑制するために、中空粒子の配合量を少なくすると、低屈折率の膜を得ることが困難となるおそれがある。また、粒子と樹脂との結合性を強化させると、樹脂との結合が過剰となり現像し難くなるおそれがある。加えて、アルカリ現像液への相溶性が低下するため、却って基板上の粒子由来の残渣が発生しやすくなるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を解決するため、以下のような粒子の分散液を見出した。この粒子は、珪素を含む外殻と、その内側に空洞を有する。この粒子は、平均粒子径が15~150nm、屈折率が1.08~1.35、シアーズ測定法によって算出される粒子表面のシラノール基の数密度が0.5~2.5個/nm

である。この粒子の内、アスペクト比が1.50~5.00の粒子の個数割合は50%以上である。
【0010】
以下、この粒子を単に「粒子」あるいは「分散液中の粒子」ということがある。
(【0011】以降は省略されています)

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