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公開番号2025066012
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-22
出願番号2023175589
出願日2023-10-10
発明の名称塩化マグネシウムの製造システム
出願人三菱重工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C01F 5/30 20060101AFI20250415BHJP(無機化学)
要約【課題】被処理水からのマグネシウムイオンの回収率を高める。
【解決手段】塩化マグネシウムの製造システムは、海水を原料とする被処理水中の硫酸イオン濃度を電気透析で低減させる第一除去部と、前記第一除去部から排出されて前記硫酸イオン濃度が低減された前記被処理水中のナトリウムイオン濃度を低減させる少なくとも一つの第二除去部と、前記第二除去部から排出されて前記ナトリウムイオン濃度が低減された前記被処理水を濃縮し、塩化マグネシウムが晶析したスラリーを生成する濃縮部と、少なくとも一つの前記第二除去部に対して上流の位置に、前記濃縮部から排出された廃液を供給するリサイクルラインと、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
海水を原料とする被処理水中の硫酸イオン濃度を電気透析で低減させる第一除去部と、
前記第一除去部から排出されて前記硫酸イオン濃度が低減された前記被処理水中のナトリウムイオン濃度を低減させる少なくとも一つの第二除去部と、
前記第二除去部から排出されて前記ナトリウムイオン濃度が低減された前記被処理水を濃縮し、塩化マグネシウムが晶析したスラリーを生成する濃縮部と、
少なくとも一つの前記第二除去部に対して上流の位置に、前記濃縮部から排出された廃液を供給するリサイクルラインと、を備える塩化マグネシウムの製造システム。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記第二除去部は、前記第一除去部において前記硫酸イオン濃度が低減された前記被処理水から一価イオンと多価イオンを分離するナノろ過膜を有して複数配置され、
前記リサイクルラインは、複数の前記ナノろ過膜の中で少なくとも最下流に配置された最下流ナノろ過膜に対して上流の位置に前記廃液を供給する請求項1に記載の塩化マグネシウムの製造システム。
【請求項3】
前記リサイクルラインは、流通している前記廃液中のマグネシウムイオン及びナトリウムイオンの比であるイオン比がより低い位置に前記廃液を戻すように接続されている請求項1又は2に記載の塩化マグネシウムの製造システム。
【請求項4】
前記第二除去部は、前記第一除去部において前記硫酸イオン濃度が低減された前記被処理水から一価イオンと多価イオンを分離するナノろ過膜を有して複数配置され、
複数の前記ナノろ過膜の中の一の前記ナノろ過膜から排出された廃水を、複数の前記ナノろ過膜の中で一の前記ナノろ過膜に対して上流に位置する上流ナノろ過膜に対して、上流の位置に供給する追加リサイクルラインをさらに備える請求項1又は2に記載の塩化マグネシウムの製造システム。
【請求項5】
前記追加リサイクルラインは、複数の前記ナノろ過膜の中で最上流に位置する最上流ナノろ過膜に対して、上流の位置に前記廃水を供給する請求項4に記載の塩化マグネシウムの製造システム。
【請求項6】
前記リサイクルラインを通じて少なくとも一つの前記第二除去部に戻る前記廃液中の硫酸イオン量を低減させる硫酸イオン低減部をさらに備える請求項1又は2に記載の塩化マグネシウムの製造システム。
【請求項7】
前記硫酸イオン低減部は、
前記リサイクルラインに配置され、前記リサイクルラインを流通する前記廃液を外部に排出する排出弁と、
前記第二除去部から排出されて前記濃縮部に供給前の前記被処理水中の前記硫酸イオン濃度の情報を取得するイオン濃度検出部と、を有し、
前記排出弁は、前記イオン濃度検出部で取得した前記被処理水中の前記硫酸イオン濃度が予め定めた基準を満たした場合に開放されて前記廃液を外部に排出する請求項6に記載の塩化マグネシウムの製造システム。
【請求項8】
前記硫酸イオン低減部は、前記第二除去部から排出されて前記濃縮部に供給前の前記被処理水に塩化バリウムを添加するバリウム添加部と、
前記塩化バリウムが添加された前記被処理水から硫酸バリウムを除去するバリウム除去部と、を有する請求項6に記載の塩化マグネシウムの製造システム。
【請求項9】
前記硫酸イオン低減部は、前記リサイクルラインに配置され、前記廃液中の硫酸イオンのみを選択的に除去可能な硫酸イオン除去装置を有する請求項6に記載の塩化マグネシウムの製造システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、塩化マグネシウムの製造システムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、海水から塩化マグネシウムを回収する方法として、特許文献1に記載されているように、電気透析(Electrodialysis、ED)で海水中の硫酸イオン(SO

2-
)を分離した後に、ナノろ過膜(NF:Nanofiltration)での圧力ろ過によってナトリウムイオン(Na

)を分離する方法が知られている。この方法では、硫酸イオン及びナトリウムイオンを海水等の処理水から除去することで、塩化マグネシウム(MgCl

)が主成分となる水溶液が得られる。塩化マグネシウムが主成分となる水溶液を晶析によって濃縮することで、塩化マグネシウムを析出させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-109791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1の方法では、電気透析、ナノろ過膜でのろ過、及び晶析を行う際に、処理水からマグネシウムイオン(Mg
2+
)以外のイオンを分離する際に、他のイオンを含む廃水が生じる。この廃液は、通常、外部に排出される。しかしながら、マグネシウムイオンと他のイオンとを完全に分離することが難しい影響で、本来、晶析を実施するまで処理水中に残しておきたいマグネシウムイオンが廃水中にも含まれた状態となっている。その結果、被処理水からのマグネシウムイオンの回収率が十分ではないという課題がある。そこで、可能な限り海水を原料とする被処理水からのマグネシウムイオンの回収率を高めることが求められている。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、コストのかかる電気透析で硫酸イオンが低減された被処理水からのマグネシウムイオンを塩化マグネシウムとして高い回収率で回収することが可能な塩化マグネシウムの製造システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る塩化マグネシウムの製造システムは、海水を原料とする被処理水中の硫酸イオン濃度を電気透析で低減させる第一除去部と、前記第一除去部から排出されて前記硫酸イオン濃度が低減された前記被処理水中のナトリウムイオン濃度を低減させる少なくとも一つの第二除去部と、前記第二除去部から排出されて前記ナトリウムイオン濃度が低減された前記被処理水を濃縮し、塩化マグネシウムが晶析したスラリーを生成する濃縮部と、少なくとも一つの前記第二除去部に対して上流の位置に、前記濃縮部から排出された廃液を供給するリサイクルラインと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の塩化マグネシウムの製造システムによれば、コストのかかる電気透析で硫酸イオンが低減された被処理水からのマグネシウムイオンを塩化マグネシウムとして高い回収率で回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
第一実施形態に係る塩化マグネシウムの製造システムを示す模式図である。
第二実施形態に係る塩化マグネシウムの製造システムを示す模式図である。
第三実施形態に係る塩化マグネシウムの製造システムを示す模式図である。
第四実施形態に係る塩化マグネシウムの製造システムを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本開示による塩化マグネシウムの製造システムを実施するための形態を説明する。しかし、本開示はこの実施形態のみに限定されるものではない。
【0010】
<第一実施形態>
(塩化マグネシウムの製造システム)
塩化マグネシウムの製造システム1は、海水中の硫酸イオンとナトリウムイオンを低減させ、海水から塩化マグネシウム(MgCl

)を製造する。海水を濃縮する際には、さまざまな種類の塩が析出する。具体的には、海水を濃縮する際に析出する塩としては、水に対する溶解度の違いから、まず少量の酸化鉄(Fe



)が析出される。次いで、炭酸カルシウム(CaCO

)が析出し、さらに硫酸カルシウム(CaSO

)、塩化ナトリウム(NaCl)、硫酸マグネシウム(MgSO

)が順に析出する。その際、これらの塩の析出量は、塩化ナトリウムが最も多く、次いで硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化鉄の順となっている。そして、製造の対象とする塩化マグネシウムは、これらの塩が析出した後に析出する。さらに、塩化マグネシウムの前に析出する塩について着目すると、海水に含まれる硫酸イオン(SO

2-
)を選択的に減らすことができれば、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムの析出を抑制できる。同様に、海水に含まれるナトリウムイオン(Na

)を選択的に減らすことができれば、塩化ナトリウムの析出を抑制できる。そのため、本実施形態の塩化マグネシウムの製造システム1では、海水中の硫酸イオンとナトリウムイオンを選択的に減らすことで、塩化マグネシウムの析出量を増やしている。
(【0011】以降は省略されています)

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