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公開番号2025073984
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-13
出願番号2024109393
出願日2024-07-08
発明の名称炭素材料分散液、電極スラリー、電極、及び二次電池の製造方法
出願人artience株式会社
代理人
主分類C01B 32/174 20170101AFI20250502BHJP(無機化学)
要約【課題】炭素材料分散液中の金属磁性異物含有量が少なく、かつ経時安定性にも優れた炭素材料分散液の製造方法の提供を目的とする。またさらには、これを用いたサイクル特性が良好な二次電池を提供することを目的とする。
【解決手段】下記工程(1)~(3)の全てを備える、炭素材料と分散剤と溶媒を含む炭素材料分散液の製造方法により解決される。
[工程(1)]
金属基板に対する滑落角が70°未満かつ累積粒子径D50が20μm以上である炭素材料プレ分散液(X1)を得る工程
[工程(2)]
炭素材料プレ分散液(X1)の製造と同時および/または製造後に、金属磁性異物を磁選処理により除去し、炭素材料プレ分散液(X2)を得る工程
[工程(3)]
炭素材料プレ分散液(X2)を分散し、炭素材料分散液を製造する工程
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記工程(1)~(3)の全てを備える、
炭素材料と分散剤と溶媒を含む炭素材料分散液の製造方法。
[工程(1)]
金属基板に対する滑落角が70°未満かつ累積粒子径D
50
が20μm以上である炭素材料プレ分散液(X1)を得る工程
[工程(2)]
炭素材料プレ分散液(X1)の製造と同時および/または製造後に、金属磁性異物を磁選処理により除去し、炭素材料プレ分散液(X2)を得る工程
[工程(3)]
炭素材料プレ分散液(X2)を分散し、炭素材料分散液を製造する工程
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
前記溶媒が非水溶媒である、請求項1記載の炭素材料分散液の製造方法。
【請求項3】
炭素材料プレ分散液(X2)の分散と同時および/または分散後に、さらに金属磁性異物を除去する工程を備えた、請求項1記載の炭素材料分散液の製造方法。
【請求項4】
請求項1~3いずれか1項記載の方法により製造した炭素材料分散液に、活物質を混合する、電極スラリーの製造方法。
【請求項5】
請求項4記載の方法により製造した電極スラリーを、集電体に塗工して電極膜を形成する工程を備えた、電極の製造方法。
【請求項6】
請求項4記載の方法により製造した電極スラリーを、集電体に塗工して電極膜を形成する工程を備えた、二次電池の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、炭素材料分散液、電極スラリー、電極、及び二次電池の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池は、電気自動車及び携帯機器等のバッテリーとして広く用いられている。電気自動車及び携帯機器等の高性能化に伴い、リチウムイオン二次電池には、高容量、高出力、及び小型軽量化といった要求が年々高まっている。
【0003】
リチウムイオン二次電池の容量は、電極の主材料である正極活物質及び負極活物質に大きく依存することから、これらの活物質に用いるための各種材料が盛んに研究されている。しかし、実用化されている活物質を使用した場合の充電容量は、いずれも理論値に近いところまで到達しており、改良は限界に近い。そこで、電極膜内の活物質の充填量が増加すれば、単純に充電容量を増加させることができるため、充電容量には直接寄与しない導電助剤、及びバインダー樹脂等の添加量の低減や削減が試みられている。
【0004】
導電助剤は、電極内部で導電パスを形成する役割を担っており、電極膜の膨張収縮により切断が生じにくいことが求められる。少量の導電助剤で導電パスを維持するためには、比表面積が大きい炭素材料、例えばケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレンなどを用いることが望ましい。しかしこれらの炭素材料は、合成時の金属触媒や製造工程由来の金属磁性異物を含有しており、これによる電圧低下不良の問題がある。金属磁性異物は、二次電池内部で溶解し、デンドライド状に析出し、セパレーターを突き破り、内部短絡の要因となることがある。さらに、金属磁性異物の含有量が多い炭素材料を含有する電極膜では、二次電池の高温充放電により、電解液や活物質の劣化が発生しやすく、高温サイクル特性の悪化が問題となってくる。
【0005】
そこで特許文献1では、カーボンブラック粒子の分散処理が行われたスラリー組成物中の、Fe、NiおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む粒子状金属成分を、粒子状金属除去工程として、ビッカース硬度が10GPa以上25GPa未満のマグネットカバーを有するマグネットにより除去する方法が提案されている。
また、特に、カーボンナノチューブは合成の際に使用される金属触媒由来の金属磁性異物が残存していることが多く、より電圧低下不良の問題が起こりやすい。そこで、特許文献2では、鉄、コバルト、ニッケル等の金属磁性異物を含むカーボンナノチューブを解砕し、電磁石を用いて、カーボンナノチューブの金属磁性異物を除去する方法が検討されている。
特許文献3では、バインダー組成物に含まれる粒子状金属を除去する方法を提案している。
特許文献4では、カーボンナノチューブの製造方法において、せん断モジュールで解繊されたカーボンナノチューブを含む媒体液中の強磁性体の不純物である金属磁性異物を除去する方法を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2015-191756号公報
特開2010-174418号公報
再表2010-032784号公報
特開2021-065846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1~4のような従来の方法では、炭素材料分散液中の金属磁性異物の含有量を低減させることに限界があり、かつ炭素材料分散液の経時安定性、および二次電池とした際の特性が充分に改善できていないのが現状である。
【0008】
例えば、磁選処理やフィルター等の方法により炭素材料そのものから金属磁性異物を除去する場合、炭素材料の内部に取り込まれている金属磁性異物を除去することは難しい。一方、炭素材料分散液から金属磁性異物を除去する場合、分散工程により炭素材料内部に取り込まれている金属磁性異物を顕在化させることは可能だが、磁選処理やフィルター等で効率よく金属を除去するために、炭素材料分散液を低粘度に調製する必要がある。しかし分散に伴い、炭素材料だけでなく金属磁性異物も微細化されるため、金属磁性異物の除去効率が低下する恐れがある。そのため、炭素材料分散液中の金属磁性異物の除去効率を最大限に引き出すには改良の余地があった。
【0009】
そこで本発明は、炭素材料分散液中の金属磁性異物含有量が少なく、かつ経時安定性にも優れた炭素材料分散液の製造方法の提供を目的とする。またさらには、これを用いたサイクル特性が良好な二次電池を提供することを目的とする。
なかでも、合成の際に使用される金属触媒由来の金属磁性異物が残存していることが多い、カーボンナノチューブを用いた場合であっても、金属磁性異物の含有量を従来よりも低減したカーボンナノチューブ分散液の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らが鋭意検討したところによると、滑落角が70°未満かつ累積粒子径D
50
が20μm以上である炭素材料プレ分散液であって、その製造と同時および/または製造後に金属磁性異物を除去することで、効率的に金属磁性異物を回収でき、従来よりも炭素材料分散液中の金属磁性異物量を低減できることが判明した。さらにこれにより、分散後の炭素材料分散液の経時安定性が向上することが判明した。
これにより、本発明は金属磁性異物の含有量が少なく、かつ経時安定性のよい炭素材料分散液を提供すること、およびサイクル特性が良好な二次電池を提供することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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