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公開番号
2025086323
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-06
出願番号
2024150443
出願日
2024-09-02
発明の名称
希土類複合酸化物粒子の製造方法
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
弁理士法人英明国際特許事務所
主分類
C01F
17/34 20200101AFI20250530BHJP(無機化学)
要約
【解決手段】Sc、Y、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選ばれる1種類以上の希土類元素のイオンと、Alのイオン及び/又はGaのイオンと、カルボキシ基を有する有機化合物と、尿素とを含む水溶液を80℃以上、かつ水溶液の沸点以下の温度で加熱し、有機化合物と、尿素の加水分解生成物と、希土類元素のイオンと、Alのイオン及び/又はGaのイオンとの反応により希土類複合化合物の粒子を生成させ、希土類複合化合物から希土類複合酸化物を生成させる。
【効果】アルミニウム及び/又はガリウムを含む希土類複合化合物粒子を析出させる水溶液中に、カルボキシ基を有する有機化合物を添加することで、ゲル化し易く、肥大化した粒子が得られやすいアルミニウム、ガリウムなどの金属元素が含まれていても、従来の方法と比較して、ゲル化及び粒子の肥大化が抑制され、分散性の良い粒子が得られる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)Sc、Y、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選ばれる1種類以上の希土類元素のイオンと、Alのイオン及びGaのイオンの一方又は双方と、カルボキシ基を有する有機化合物と、尿素とを含む水溶液を80℃以上、かつ上記水溶液の沸点以下の温度で加熱し、上記有機化合物と、尿素の加水分解生成物と、上記希土類元素のイオンと、Alのイオン及びGaのイオンの一方又は双方との反応により希土類複合化合物の粒子を生成させる工程と、
(B)上記希土類複合化合物から希土類複合酸化物を生成させる工程と
を含むことを特徴とする希土類複合酸化物粒子の製造方法。
続きを表示(約 560 文字)
【請求項2】
上記有機化合物が、カルボキシ基を1つ以上有する有機化合物、又は2つのカルボキシ基が縮合しており、水溶液中で容易にカルボキシ基を生成する有機化合物であることを特徴する請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
上記工程(B)において、上記工程(A)で得られた希土類複合化合物の粒子を固液分離し、得られた固形分を、酸素を含む雰囲気中、600℃以上の温度で焼成して上記希土類複合酸化物を生成させることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
レーザー回折法で測定した粒度分布の体積基準のメジアン径(D50)が0.1μm以上10μm以下の希土類複合酸化物粒子を製造することを特徴とする請求項3記載の製造方法。
【請求項5】
上記カルボキシ基を有する有機化合物がマレイン酸、無水マレイン酸、リンゴ酸、クエン酸からなる群から選ばれる1種類以上であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
上記工程(B)において、上記工程(A)で得られた希土類複合化合物の粒子を固液分離し、得られた固形分を、酸素を含む雰囲気中、700℃以上の温度で焼成して上記希土類複合酸化物を生成させることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックスの原料として有用な、アルミニウム及びガリウムの一方又は双方を含む希土類複合酸化物粒子の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
希土類元素を含む複合酸化物は、様々な機能性セラミックス製品に用いられており、製品の高特性化に貢献している。アルミニウム又はガリウムを含む希土類複合酸化物の粉末原料は、様々な手法を用いてセラミックスや蛍光体、薄膜、コーティングなどを作製するのに使用されている。近年、機能性セラミックス製品の高特性化のために、より微細な粉末原料が求められることが多くなっている。
【0003】
微粒子の希土類炭酸塩や希土類酸化物を得る方法としては、例えば、特開2000-239019号公報(特許文献1)に記載されている方法などがあり、この方法では、尿素を、過酸化水素の共存下、水中で加熱によって加水分解することで、希土類元素イオンから、希土類元素の塩基性炭酸塩を単分散粒子として析出させ、これを固液分離した後、乾燥、焼成することで、希土類酸化物を得ている。
【0004】
また、金属元素の複合化合物及び複合酸化物を得る方法としては、例えば、特開2018-095524号公報(特許文献2)に記載されている方法などがあり、この方法では、ペロブスカイト型複合酸化物を構成する各金属元素成分を含む金属化合物と、ジカルボン酸化合物とを溶媒に溶解して溶液を得た後、乾固、焼成することで、金属元素の複合酸化物を得ている。
【0005】
しかし、特開2000-239019号公報(特許文献1)記載の方法で、希土類元素以外の金属元素、例えば、アルミニウムやガリウムのような水酸化、ゲル化しやすい金属元素のイオンと、希土類元素イオンとを析出させた場合、水酸化したアルミニウムやガリウムのゲル化によって、回収性の悪い、希土類元素を含む複合化合物が得られる。また、これを焼成すると水酸化物の脱水縮合により、粒子同士が強く凝集し、肥大化した、アルミニウムやガリウムを含む希土類複合酸化物となる。
【0006】
また、特開2018-095524号公報(特許文献2)記載の方法では、金属元素成分を含む金属化合物と、ジカルボン酸化合物を溶媒に溶解した溶液を、ロータリーエバポレーターを用いて乾固して金属元素の複合化合物を得ており、工業スケールでの量産性の観点では、生産性が悪い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2000-239019号公報
特開2018-095524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、アルミニウム及びガリウムの一方又は双方を含む希土類複合酸化物粒子を、ゲル化を抑制し、粒子を肥大化させずに製造する方法を提供すること、また、生産性が高く、量産に有利な、アルミニウム及びガリウムの一方又は双方を含む希土類複合酸化物粒子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
均一沈澱法では、希土類元素のイオン源である希土類鉱酸塩などと、尿素とを含む水溶液を加熱することで希土類元素の塩基性炭酸塩などの希土類化合物の粒子を析出させることができるが、アルミニウム、ガリウムといった金属元素の場合では、水酸化物塩などの金属化合物の粒子が低いpH領域から析出し、これらの粒子は、粒子同士が結び付きやすく、粒子はゲル化し易く、肥大化する。これらのゲル化し易い金属元素と希土類元素が共存した状態での均一沈殿法では、ゲル化し、肥大化した粒子が得られる。
【0010】
本発明者は、上記課題を解決するため、均一沈澱法によるアルミニウム及びガリウムの一方又は双方を含む希土類複合酸化物粒子の製造について鋭意検討を重ねた結果、希土類元素とアルミニウム及びガリウムの一方又は双方とを含む水溶液に、カルボキシ基を有する有機化合物を含有させて加熱することで、析出する粒子のゲル化、肥大化が改善され、分散性の良い、アルミニウム及びガリウムの一方又は双方を含む希土類複合酸化物粒子を製造できることを見出し、本発明に至った。
(【0011】以降は省略されています)
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