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公開番号2025117542
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-12
出願番号2024226130
出願日2024-12-23
発明の名称酸化マグネシウム粉末及びその製造方法
出願人宇部マテリアルズ株式会社
代理人弁理士法人翔和国際特許事務所
主分類C01F 5/08 20060101AFI20250804BHJP(無機化学)
要約【課題】簡便な操作で得ることができる耐水性の高い酸化マグネシウム、及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】マグネシウム化合物を焼成して酸化マグネシウム焼結体を得る第1焼成工程と、第1焼成工程で得られた酸化マグネシウム焼結体を粉砕して酸化マグネシウム粉砕品を得る粉砕工程と、粉砕工程で得られた前記酸化マグネシウム粉砕品を焼成して酸化マグネシウム粉末を得る第2焼成工程とを有する酸化マグネシウム粉末の製造方法である。本製造方法では、第2焼成工程における焼成温度を第1焼成工程における焼成温度よりも低く設定する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下の測定方法で測定したゼータ電位が-50mV以上-5mV以下である酸化マグネシウム粉末。
<測定方法>
前記酸化マグネシウム粉末0.2gをホウ酸塩緩衝液(pH=9.18)50mLに投入し、超音波ホモジナイザで3分間分散処理を行う。次いで、分散処理後1分以内に測定装置に投入し、設定温度25℃、平衡時間2分の条件でゼータ電位測定を行う。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
円形度が0.6以上0.8以下である、請求項1に記載の酸化マグネシウム粉末。
【請求項3】
レーザー回折散乱法による体積基準の累積頻度50%における粒径D
50
が1μm以上200μm以下である、請求項1又は2に記載の酸化マグネシウム粉末。
【請求項4】
レーザー回折散乱法による体積基準の累積頻度90%における粒径D
90
が200μm以下である、請求項1又は2に記載の酸化マグネシウム粉末。
【請求項5】
JIS R2212-4に従い、CaO、SiO

、Fe



、Al



及びB



の含有量をICP発光分光分析により定量した後、差数法により全体から前記5成分の含有量を差し引くことによって求められた前記酸化マグネシウム粉末の純度が88質量%以上99質量%以下である、請求項1又は2に記載の酸化マグネシウム粉末。
【請求項6】
85℃・85%RHの環境下に48時間静置した後の質量増加率が2.0質量%以下である、請求項1又は2に記載の酸化マグネシウム粉末。
【請求項7】
マグネシウム化合物を焼成して酸化マグネシウム焼結体を得る第1焼成工程と、
第1焼成工程で得られた酸化マグネシウム焼結体を粉砕して酸化マグネシウム粉砕品を得る粉砕工程と、
粉砕工程で得られた酸化マグネシウム粉砕品を焼成して酸化マグネシウム粉末を得る第2焼成工程と、を有する酸化マグネシウム粉末の製造方法であって、
第2焼成工程における焼成温度を第1焼成工程における焼成温度よりも低く設定する、酸化マグネシウム粉末の製造方法。
【請求項8】
第1焼成工程における焼成温度よりも低いことを条件として、第2焼成工程における焼成温度を1200℃以下に設定する、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
粉砕工程で得られた酸化マグネシウム粉砕品と、水及び/又はバインダとを混合し、それによって得られた混合物を第2焼成工程に供する、請求項7又は8に記載の製造方法。
【請求項10】
第2焼成工程で得られた酸化マグネシウム粉末を分級し、レーザー回折散乱法による体積基準の累積頻度90%における粒径D
90
が200μm以下の酸化マグネシウム粉末とする、請求項7又は8に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は酸化マグネシウム粉末及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
酸化マグネシウムは、水と反応して水酸化マグネシウムに変化しやすい性質を有している。特に粉砕された酸化マグネシウムはその表面の活性が高いので水と一層反応しやすい。このように酸化マグネシウムは耐水性に課題があることから、耐水性の向上が望まれている。
酸化マグネシウムの耐水性を向上させることを目的として、特許文献1においては、酸化マグネシウムの表面を脂肪酸や各種カップリング剤で処理することが提案されている。
特許文献2においては、酸化マグネシウムの表面を研磨することで表面に存在する耐水性が低い粒界相を剥離させることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-160781号公報
特開2019-99413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び2に記載の技術によれば酸化マグネシウムの耐水性を向上させることは可能であるが、表面処理剤を使用すると製造コストが増加するという課題がある。また、酸化マグネシウムの表面を研磨すると、表面の剥離除去に起因する収率の低下が生じる上、そもそも表面に低耐水性の粒界相が発達していない酸化マグネシウムには表面の研磨は効果的ではないという課題がある。
したがって本発明の課題は、簡便な操作で得ることができる耐水性の高い酸化マグネシウム、及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の測定方法で測定したゼータ電位が-50mV以上-5mV以下である酸化マグネシウム粉末を提供するものである。
<測定方法>
前記酸化マグネシウム粉末0.2gをホウ酸塩緩衝液(pH=9.18)50mLに投入し、超音波ホモジナイザで3分間分散処理を行う。次いで、分散処理後1分以内に測定装置に投入し、設定温度25℃、平衡時間2分の条件でゼータ電位測定を行う。
【0006】
また本発明は、前記酸化マグネシウム粉末の好適な製造方法として、マグネシウム化合物を焼成して酸化マグネシウム焼結体を得る第1焼成工程と、
第1焼成工程で得られた酸化マグネシウム焼結体を粉砕して酸化マグネシウム粉砕品を得る粉砕工程と、
粉砕工程で得られた酸化マグネシウム粉砕品を焼成して酸化マグネシウム粉末を得る第2焼成工程と、を有する酸化マグネシウム粉末の製造方法であって、
第2焼成工程における焼成温度を第1焼成工程における焼成温度よりも低く設定する、酸化マグネシウム粉末の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、耐水性の高い酸化マグネシウム粉末が提供される。また本発明によれば、少なくとも2回の焼成工程を行うという簡便な操作で耐水性の高い酸化マグネシウム粉末を製造することができる。このようにして得られる本発明の酸化マグネシウム粉末は、特に樹脂組成物用のフィラーやセラミック原料などとして好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。まず、本発明の酸化マグネシウム粉末の製造方法を説明する。本発明の酸化マグネシウム粉末の製造方法は、以下の(1)乃至(3)の工程に大別される。
(1)マグネシウム化合物を焼成して酸化マグネシウム焼結体を得る工程(第1焼成工程)。
(2)第1焼成工程で得られた酸化マグネシウムを粉砕して酸化マグネシウム粉砕品を得る工程(粉砕工程)。
(3)粉砕工程で得られた酸化マグネシウム粉砕品を焼成して酸化マグネシウム粉末を得る工程(第2焼成工程)。
以下、これらの工程について順に説明する。
【0009】
(1)第1焼成工程
本工程では、マグネシウム化合物を焼成して、熱分解させることによって、酸化マグネシウム焼結体を得る。マグネシウム化合物としては、水酸化マグネシウム、並びに炭酸マグネシウム(マグネサイト)、塩基性炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、及び硫酸マグネシウム等のマグネシウム塩を用いることができ、なかでも水酸化マグネシウムを好適に用いることができる。
【0010】
酸化マグネシウム焼結体の好ましい純度は、後述する酸化マグネシウム粉末の好ましい純度と同様である。酸化マグネシウム焼結体の純度は、後述する酸化マグネシウム粉末の純度と同様の方法によって測定される。
(【0011】以降は省略されています)

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