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公開番号
2025074899
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-14
出願番号
2023186017
出願日
2023-10-30
発明の名称
水素貯蔵燃料及びその製造方法
出願人
兵庫県公立大学法人
,
サンアロイ工業株式会社
代理人
個人
主分類
C01B
3/00 20060101AFI20250507BHJP(無機化学)
要約
【課題】
取り扱いの安全性を向上し、しかも、貯蔵、運搬に適した形態とした水素貯蔵燃料を提供する。
【解決手段】
水素貯蔵媒体を構成するアンモニア(NH
3
)を固体の立方晶として、ホウ酸ガラスマトリックス(B
2
O
3
-B(OH)
3
)中に閉じ込めて構成されている。この水素貯蔵媒体は、アンモニア(NH
3
)を溶解した水溶液にホウ酸(B
3
O
2
)を混合した混合水溶液を作製し、次いで、前記混合水溶液を凍結して凍結固化体を作製し、その後、前記凍結固化体を凍結乾燥し、前記凍結固化体中に気体として含有された水蒸気(H
2
O)と、気体として含有されたホウ素化合物(BHO)を排出し、前記凍結固化体中のアンモニア(NH
3
)を濃縮し、アンモニア(NH
3
)をホウ酸ガラスマトリックス(B
2
O
3
-B(OH)
3
)中に常温常圧下で固体の立方晶体として閉じ込めて作製される。
【選択図】 図3
特許請求の範囲
【請求項1】
固体の水素貯蔵燃料であって、
アンモニア(NH
3
)が、常圧常温下で固体の立方晶として、ホウ酸ガラスマトリックス(B
2
O
3
-B(OH)
3
)中に閉じ込められている
ことを特徴とする水素貯蔵燃料。
続きを表示(約 990 文字)
【請求項2】
不可避不純物として、5ホウ酸アンモニウム4水和物(NH
4
B
5
O
8
(H
2
O)
4
)及びアンモニアボラン(NH
3
BH
3
)が混入されている
ことを特徴とする請求項1記載の水素貯蔵燃料。
【請求項3】
アンモニア(NH
3
)を溶解した水溶液にホウ酸(B
3
O
2
)を混合した混合水溶液を作製し、
次いで、前記混合水溶液を凍結して凍結固化体を作製し、
その後、前記凍結固化体を凍結乾燥し、前記凍結固化体中に気体として含有された水蒸気(H
2
O)と、気体として含有されたホウ素化合物(BHO)を排出し、前記凍結固化体中のアンモニア(NH
3
)を濃縮し、
前記アンモニア(NH
3
)をホウ酸ガラスマトリックス(B
2
O
3
-B(OH)
3
)中に常温常圧下で固体の立方晶体として閉じ込めた
ことを特徴とする水素貯蔵燃料の製造方法。
【請求項4】
前記アンモニア(NH
3
)は、不可避不純物である5ホウ酸アンモニウム4水和物(NH
4
B
5
O
8
(H
2
O)
4
)及びアンモニアボラン(NH
3
BH
3
)とともに、前記ホウ酸ガラスマトリックス(B
2
O
3
-B(OH)
3
)中に閉じ込め固化される
ことを特徴とする請求項3記載の水素貯蔵燃料の製造方法。
【請求項5】
前記混合水溶液は、液体窒素により冷却されて凍結固化体とされたことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の水素貯蔵燃料の製造する方法。
【請求項6】
前記凍結固化体は、液体窒素により冷却され状態で、減圧処理されて凍結乾燥されることを特徴とする請求項3-5のいずれか1項に記載の水素貯蔵燃料の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素含有化合物であるアンモニアを用いた水素貯蔵燃料及び水素貯蔵燃料の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、環境破壊を抑制するため、二酸化炭素を削減することが求められている。二酸化炭素の削減を図るため、太陽光発電や風力発電を利用した再生可能エネルギー(自然エネルギー)の供給が進められている。しかしながら、これらの自然エネルギーにはいくつかの制約がある。すなわち、太陽光発電や風力発電による電力は天候に依存するため、需要に釣り合った安定した供給が困難である。また、設備を設置するための地理的制約がある。したがって、自然エネルギーを必要なときに使用できるよう、蓄電技術を開発する必要がある。有力な蓄電技術に水電解による水素の製造がある。水素は、燃料電池によって電力に変換でき、また、化石燃料に代替して直接燃焼させることができる。しかしながら、気体の水素は、その体積の大きさからエネルギー密度が小さく、備蓄と輸送が困難である。また、液体水素は20K以下に冷却して保管する必要があり、コスト面で問題がある。
【0003】
そこで、気体の水素が有する問題点を解消する水素貯蔵物質として、体積あたり、質量あたりの含有密度が高く、燃焼時に二酸化炭素(CO
2
)を排出しない水素含有化合物であるアンモニアが注目されている。アンモニアは、298K、約8気圧で液体となるため、常温で液体としてボンベ中に保管できる。そして、アンモニアは、アンモニア発電やアンモニアエンジンの燃料として直接利用することが期待されている。
【0004】
アンモニアは、ハーバーボッシュ法によって、鉄を触媒に用いて高温、高圧下で、大気中の窒素と水素から大規模に合成でき、食糧増産のための肥料の大量生産を導いた。また、ハーバーボッシュ法を改良して、低圧でアンモニアを合成するため、触媒にリチウム(Li)化合物を用いた方法が試作されている。さらに、偏在する自然エネルギーを利用して小規模にアンモニアを生成する研究がなされている。すなわち、窒素ガス(N
2
(g))の強固なN-N結合を開裂してアンモニアを生成する方法として、電界、放電、触媒の表面プラズモン共鳴による方法が検討されている。
【0005】
以上の逆反応として、適正な触媒、例えばニッケル(Ni)、ゼオライト(Zeolite)、カルシウム窒化水素(Ca
2
NH)を触媒として用いると、アンモニアを水素ガス(H
2
(g))と窒素ガス(N
2
(g))に再変換でき、分離膜を用いて水素(H
2
)のみを捕集できる。
【0006】
そして、自然エネルギーを用いた水電解法による水素と大気中の窒素から製造したアンモニアは、グリーンアンモニアと呼ばれている。グリーンアンモニアは、化石燃料に代替するエネルギー源として期待され、内燃機関や発電システムの燃料として注目されている。
【0007】
なお、ハーバーボッシュ法に代わるアンモニアの合成方法として特許文献1に記載されたものが提案されている。
【0008】
そして、アンモニアを燃料とするアンモニアエンジンシステムとして、特許文献2に開示されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
国際公開第2014/115582号パンフレット
国際公開第2010/058807号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、ボンベに充填された液体のアンモニアは、噴出すると直ちに気化して気体のアンモニアとなる。気体であるアンモニアは、生体内に容易に吸入され、呼吸器官の粘膜を刺激し、そのショックで呼吸停止を誘発するおそれがある。生体内に吸引されることにより、生体の血中アンモニア濃度を高め、意識障害を生じさせるおそれがある。また、眼に入ると、眼に障害を与えるおそれもある。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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