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公開番号2025075136
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2023186088
出願日2023-10-31
発明の名称安定性が改善された次亜臭素酸溶液
出願人伯東株式会社
代理人
主分類C01B 11/20 20060101AFI20250508BHJP(無機化学)
要約【課題】年間の気温変動の中にあっても、長期にわたり安定に殺菌効果を維持することができる安定な次亜臭素酸溶液を提供する。
【解決手段】臭素安定化剤としてスルホベンズイミド化合物を用いることで、高温域においても安定な次亜臭素酸溶液を得られることを見出した。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
安定な次亜臭素酸溶液であって、臭素安定化剤としてスルホベンズイミド化合物を含み、次亜臭素酸に対するスルホベンズイミド化合物のモル比が0.2~10であることを特徴とする次亜臭素酸溶液。
続きを表示(約 130 文字)【請求項2】
前記スルホベンズイミド化合物が、o-スルホベンズイミド及び/またはその塩であることを特徴とする請求項1記載の次亜臭素酸溶液。
【請求項3】
前記溶液のpHが13以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の次亜臭素酸溶液。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は冷却水系、冷温水系、集塵水系、紙パルプ工程水系、製鉄工程水系、金属加工工程水系等の各種用排水系、各種工程水系等における微生物に起因する諸障害を抑制することができる水処理剤組成物に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
冷却水系、冷温水系、集塵水系、紙パルプ工程水系、製鉄工程水系、金属加工工程水系等の各種工程水中に生育する微生物は、系内で増殖してスライムやバイオファウリングと呼ばれる微生物性の付着物を形成し、熱交換器の伝熱効率低下、流路の閉塞及び嫌気性菌による微生物腐食などの微生物障害を引き起こす原因となる。
【0003】
微生物障害の対策としては、塩素系殺菌剤、臭素系殺菌剤、過酸化水素類などの酸化作用を有する酸化性殺菌剤や、第4級アンモニウム塩類、グルタルアルデヒド、3-イソチアゾロン類、有機臭素化合物類、ヒドラジン類等の非酸化性殺菌剤が使用されている。このうち次亜塩素酸や次亜塩素酸イオンを生成する無機塩素系殺菌剤は、殺菌効果が優れ、かつ、環境中で速やかに分解して無害な塩素イオンとなることから、安全性が高く、飲料水やプールの殺菌などに広く使用されている。
【0004】
無機塩素系殺菌剤を水に溶解させると、次亜塩素酸イオンと非乖離の次亜塩素酸が生成するが、殺菌効果は主に非乖離の次亜塩素酸に由来する。次亜塩素酸および次亜塩素酸イオンの存在比はpHに依存し、pHの高い領域で次亜塩素酸イオンの割合が多くなる。これは、水に溶解させると次亜臭素酸と次亜臭素酸イオンを生成する無機臭素系殺菌剤においても同様で、次亜臭素酸と次亜臭素酸イオンの存在比においてもpHに依存し、pHの高い領域で次亜臭素酸イオンの割合が多くなるが、次亜臭素酸の場合、次亜塩素酸と比較して高pHにおいても存在比が高い特徴がある。
【0005】
次亜塩素酸はアミンなどの窒素化合物が存在すると容易に反応し、結合塩素を生成する。結合塩素は酸化性が低く次亜塩素酸と比較して殺菌効果が低下するデメリットもあるが、次亜臭素酸は窒素化合物との反応性は高くなく、窒素化合物が存在しても殺菌効果を維持できるため、水系の殺菌剤としてよく利用されている。
【0006】
次亜臭素酸を水系の殺菌剤として使用する場合、次亜臭素酸自体の安定性が低いため、現場において次亜塩素酸と臭化ナトリウムなどの臭化物と反応させ生成させる方法や、水と反応して次亜塩素酸と次亜臭素酸を放出する1-ブロモ-3-クロロ-5,5-ジメチルヒダントイン(BCDMH)を生成させる方法が用いられている。しかしながら、次亜塩素酸ナトリウムと臭化物を反応させる方法では、溶液タンクおよび薬注装置が2つ必要であり、また、BCDMHを用いた場合、BCDMHは固形物であるため、溶解速度を制御できない問題がある。
【0007】
これらの問題を解決するために、次亜臭素酸に加え、臭素安定化剤を併用する技術が提案されている。例えば、特許文献1には(A)塩素、二酸化塩素、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム、臭素、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウム、次亜臭素酸カルシウム、ジクロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸など水中で次亜塩素酸および/あるいは次亜臭素酸を発生する化合物と、(B)2-ピロリドン、ビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンなどのピロリドン類、γ-ブチロラクトン、β-ブチロラクトン、α-アセチル-γ-ブチロラクトンなどのブチロラクトン類から選ばれる一種以上を有効成分として含有させる方法が提案されている。しかしながら、これらの提案では次亜臭素酸溶液の安定性は十分ではなく、特に40℃を超える高温域において十分な安定性が得られない課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2002-363016
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、年間の気温変動の中にあっても、長期にわたり安定に殺菌効果を維持することができる安定な次亜臭素酸溶液を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは鋭意検討の結果、臭素安定化剤としてスルホベンズイミド化合物を用いることで、高温域においても安定な次亜臭素酸溶液を得られることを見出した。
即ち、請求項1に係る発明は、安定な次亜臭素酸溶液であって、臭素安定化剤としてスルホベンズイミド化合物を含み、次亜臭素酸に対するスルホベンズイミド化合物のモル比が0.2~10であることを特徴とする次亜臭素酸溶液である。
(【0011】以降は省略されています)

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