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公開番号
2025072701
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-12
出願番号
2023182929
出願日
2023-10-25
発明の名称
酸性次亜塩素酸水の製造方法
出願人
株式会社トクヤマ
代理人
主分類
C01B
11/04 20060101AFI20250501BHJP(無機化学)
要約
【課題】 安定したpHの酸性次亜塩素酸水を工業的に、かつ安定的に製造する方法を提供する。
【解決手段】 有効塩素濃度0.5質量%以上の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、弱酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラムに通液させるイオン交換工程を含む酸性次亜塩素酸水の製造方法において、前記弱酸性陽イオン交換樹脂の水分保有能力が60%以下であり、カラム出口における通過液のpHが2.5となった時点以降から製品としての回収を開始し、pHが5.5以下の時点で回収を停止することを特徴とする酸性次亜塩素酸水の製造方法を提供する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
有効塩素濃度0.5質量%以上の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、弱酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラムに通液させるイオン交換工程を含む酸性次亜塩素酸水の製造方法において、
前記弱酸性陽イオン交換樹脂の水分保有能力が60%以下であり、
カラム出口における通過液のpHが2.5となった時点以降から製品としての回収を開始し、pHが5.5以下の時点で回収を停止することを特徴とする酸性次亜塩素酸水の製造方法。
続きを表示(約 540 文字)
【請求項2】
前記カラム出口における通過液のpHが3.5に到達するよりも前の時点で回収を停止することを特徴とする請求項1記載の酸性次亜塩素酸水の製造方法。
【請求項3】
前記次亜塩素酸ナトリウム水溶液の有効塩素濃度C[質量%]と、当該次亜塩素酸ナトリウム水溶液を前記カラムへ通液させる際の空間速度SV[1/h]とが、下記関係式(1)を満たすものとする、請求項1又は2記載の酸性次亜塩素酸水の製造方法。
0.1 ≦ SV×C ≦ 20 (1)
【請求項4】
SV×Cが15以下で通液を行う請求項3記載の酸性次亜塩素酸水の製造方法。
【請求項5】
前記イオン交換工程を経た弱酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラムに再生剤を通液して弱酸性陽イオン交換樹脂の再生を行い、
次いで、再生された弱酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラムに、有効塩素濃度0.5質量%以上の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を通液させる請求項1又は2記載の酸性次亜塩素酸水の製造方法。
【請求項6】
前記弱酸性陽イオン交換樹脂がポリアクリル酸をジビニルベンゼンで架橋された樹脂である請求項1又は2記載の酸性次亜塩素酸水の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高濃度の保存安定性に優れた酸性次亜塩素酸水を、安価かつ安定的に製造するための製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、殺菌用途では、次亜塩素酸ナトリウムなどの塩基性に調整された次亜塩素酸塩溶液が広く用いられている。次亜塩素酸は塩基性条件下では主として、次亜塩素酸イオン(ClO
-
)で存在する。一方、酸性条件では次亜塩素酸(HClO)で存在し、この次亜塩素酸は次亜塩素酸イオンよりも高い殺菌性能をもつことが知られている。このため、酸性次亜塩素酸水が殺菌用に要望されている。
【0003】
一方で、酸性次亜塩素酸水は、保存安定性の面で、同程度の濃度の次亜塩素酸塩溶液に劣ることが知られている。具体的には、酸性次亜塩素酸水は熱や紫外線、経時変化によって分解しやすい性質がある。分解速度は液中に含まれる不純物の量によって変化し、純度が高いほど分解しにくい性質があることが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
純度の高い酸性次亜塩素酸水を作る方法として、三室電解法が知られている(特許文献2参照)。三室電解法は、イオン交換樹脂で挟まれた箇所に存在する純水に電圧をかけることで、陽極側から酸性次亜塩素酸水を回収する方法である。この方法では高い純度の酸性次亜塩素酸水を生成することができるものの、装置構成が複雑であることや、数十ppm程度の薄い酸性次亜塩素酸水しか製造できないため保管・輸送のコストがかかることから、得られる製品の酸性次亜塩素酸水が高価になることが課題であった。
【0005】
また、イオン交換樹脂で次亜塩素酸塩溶液のカチオンを交換して酸性次亜塩素酸水を得る方法も知られている。この方法は、原料の次亜塩素酸塩溶液をイオン交換樹脂に接触するだけで目的の酸性次亜塩素酸水を得られるため、より安価に、高濃度で高純度な酸性次亜塩素酸水を得ることができる方法である。例えば特許文献3では、反応槽内で次亜塩素酸塩溶液と弱酸性陽イオン交換樹脂を攪拌混合することでpH3.0~5.5となる高濃度の酸性次亜塩素酸水を得る方法が開示されている。この方法では、原料、特にイオン交換樹脂の添加や分離の操作が煩雑であるという課題があった。
【0006】
このため、カラムにイオン交換樹脂を充填し原料を流通することで、原料の出し入れによる操作を簡易化した方法について広く検討されている。例えば特許文献4では、イオン交換樹脂を充填したカラムに、次亜塩素酸溶液をpH3.0~7.5の範囲になるように通液することで、酸性次亜塩素酸水を得る方法が開示されている。しかし、本発明者らによる検討によって、特許文献4の方法では、得られる酸性次亜塩素酸水のpHの変動が大きい場合があることが明らかになった。これは、工業的・商業的な製品とするうえで、同等の品質を担保する必要性の観点から改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第7164767号公報
特許第4216892号公報
国際公開WO2019/225599号公報
国際公開WO2011/056940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のとおり、これまでの製造方法においては、高純度の酸性次亜塩素酸水を得ることが可能であるものの、工業的に安定的に同品質の酸性次亜塩素酸水を得る点で、尚改善の余地があった。そこで本発明の目的は、安定したpHの酸性次亜塩素酸水を工業的に、かつ安定的に製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った。上記特許文献3及び4記載のイオン交換樹脂を充填したカラムに次亜塩素酸塩水溶液を通液して、カチオン交換による酸性次亜塩素酸水の製造方法におけるpH変動について、通液するpHに着目したところ、特許文献記載のpHよりも低いpH領域にて酸性次亜塩素酸水を得ることにより、pHの変動が抑制された、且つ高濃度の酸性次亜塩素酸水を得ることができるという知見を得た。
【0010】
一方、製造に使用したイオン交換樹脂は、カチオン交換することにより、元のイオン型に再生することができることから、イオン交換樹脂の再生と再使用について検討を進めた。しかしながら、酸性次亜塩素酸水の製造とイオン交換樹脂の再生のプロセスを繰り返したところ、新品に近いイオン交換樹脂を用いて製造した酸性次亜塩素酸水と、繰り返し使用したイオン交換樹脂を用いて製造した酸性次亜塩素酸水では、後者の方が保存安定性に劣ることがわかった。さらに製造と再生のプロセスを20回程度行ったところ、イオン交換樹脂が粉砕・劣化し、イオン交換樹脂を充填したカラムを閉塞して通液できなくなる課題も明らかになった。
(【0011】以降は省略されています)
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