TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025073716
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-13
出願番号2023184729
出願日2023-10-27
発明の名称歯科用硬化性組成物及び歯科用硬化性組成物包装体
出願人株式会社トクヤマデンタル
代理人
主分類A61K 6/831 20200101AFI20250502BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】 強度、透明性及びX線造影性に優れる硬化体を与えることができ、フロー性が高く適切な稠度を有するライニング用ハイフロータイプのフロアブルCRとして好適な歯科用硬化性組成物を提供する。
【解決手段】 液状の重合性単量体成分:100質量部、平均一次粒子径が50nm~1μmであるシリカ又はシリカ系複合酸化物粉粒体:90~290質量部を含む歯科用硬化性組成物に、X線不透過性充填材として、X線回折測定におけるメインピークの半値全幅が0.3°以上となるような非晶質性を有する結晶性希土類金属フッ化物粉粒体が樹脂マトリックス中に分散した複合体からなる粒子によって構成され、平均粒子径が10~20μmであり、且つ比表面積が3~5m2/gである有機無機複合粉粒体を10~20質量部配合する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
25℃における粘度が100~500mPa・sである、1種のラジカル重合性単量体又は複数のラジカル重合性単量体の混合物からなる重合性単量体成分(A)、X線不透過性充填材(B)及び、前記X線不透過性充填材以外の無機フィラー(C)を含んでいる歯科用硬化性組成物であって、
前記X線不透過性充填材(B)が、結晶性希土類金属フッ化物からなる粒子によって構成される結晶性希土類金属フッ化物粉粒体が樹脂マトリックス中に分散した複合体であって、該複合体における前記結晶性希土類金属フッ化物粉粒体の平均含有率が60~90質量%である複合体からなる有機無機複合粒子によって構成され、X線回折測定法により測定された前記希土類金属フッ化物粒子に由来する最大強度ピークの半値全幅が0.3°以上であり、レーザー回折-散乱法により求められる体積基準の粒度分布におけるメディアン径で定義される平均粒子径が10~20μmであり、且つ窒素吸着法にて測定した比表面積が3~5m

/gである有機無機複合粉粒体(b)からなり、
前記無機フィラーが、シリカ又はシリカ系複合酸化物からなる一次粒子又はその凝集粒子によって構成され、電子顕微鏡観察画像解析で測定される平均一次粒子径が50nm~1μmであるシリカ又はシリカ系複合酸化物粉粒体(c)を含み、
前記重合性単量体成分(A):100質量部に対する前記有機無機複合粉粒体(b)の含有量及び前記シリカ又シリカ系複合酸化物粉粒体(c)の含有量が、夫々、(b):10~20質量部及び(c):90~290質量部である、
ことを特徴とする歯科用硬化性組成物。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
前記有機無機複合粉粒体(b)及び前記シリカ系複合酸化物粉粒体(c)の合計質量に占める前記有機無機複合粉粒体(b)の質量の割合が4~18質量%である請求項1に記載の歯科用硬化性組成物。
【請求項3】
容器内に歯科用硬化性組成物が収容されてなる歯科用硬化性組成物包装体であって、
前記容器は、
吐出口を有しニードルチップを装着できる筒先を先端に有する筒状バレルと、
筒先に着脱可能に装着されて前記吐出口を封止するキャップ又は前記筒先に装着されたニードルチップ及び該ニードルチップのニードルの先端領域に着脱可能に装着されて該ニードルを封止するキャップと、
先端部にガスケットを有し後端側に操作部を有する押し子と、を有し、
前記バレルの後端部より前記ガスケットを摺動可能に挿入することによりガスケットより先端側のバレル内に流体収容空間が形成されたシリンジ型容器であり、
前記流体収容空間内に請求項1に記載の歯科用硬化性組成物が収容されてなる、
ことを特徴とする歯科用硬化性組成物包装体。
【請求項4】
ポリプロピレンフィルム上に0.1gの歯科用硬化性組成物を吐出した後に、37℃のインキュベータ内で2分間水平の状態で静置した際のペーストの広がり直径(mm)で定義される「フロー値」が8.0~10.0(mm)である、請求項1に記載の歯科用硬化性組成物が前記流体収容空間に収容されてなる、請求項3に記載の歯科用硬化性組成物包装体。
【請求項5】
請求項4に記載の歯科用硬化性組成物包装体からなる、ライニング用フロアブルコンポジットレジン包装体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科医療の分野において、天然歯の一部又は全体を代替し得る歯科材料、特に歯科用フロアブルコンポジットレジンとしてライニング用途等に好適に使用できる高流動性と高X線造影性を有する歯科用硬化性組成物及びその包装体に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
歯科用硬化性組成物は、重合性単量体(モノマー)、無機フィラー、及び重合開始剤を主成分として含むものであり、中でもコンポジットレジン(以下、「CR」と略記することもある。)は歯の欠損やう蝕を除去した後の窩洞を修復するための材料として歯科治療において最も多用されている材料の一つである。
【0003】
無機フィラーは、コンポジットレジン硬化体の強度等の機械物性を高めるために配合されるものであるが、一般に、無機フィラーの配合量が多くなると硬化体強度は高くなる一方でペーストの流動性は低下し、また、硬化体の審美性や表面滑沢性は配合する無機フィラーの粒子形態や屈折率の影響を受けることが知られている。そのため、コンポジットレジン(CR)においては、求められる物性に応じて無機フィラーの種類や配合量が適宜決定されている。CRに配合される無機フィラーとしては、硬化体の審美性(或いは透明性)などの観点や、シランカップリング剤による処理によりペースト性状等を制御することもできるといった理由からシリカ系粒子からなる粉粒体が使用されることが多い(特許文献1及び2参照)。
【0004】
また、歯科治療後におけるコンポジットレジンの充填部位と天然歯質部位とをレントゲン写真やCT撮影により判別するために必要なX線造影性を付与するためにX線造影材(X線造影剤)を配合することも一般に行われている(特許文献3参照。)。さらに、X線造影材に関しては、X線造影性を高めるために配合量を増やしても硬化体の透明性を低下させ難いものも知られている(特許文献4及び5参照)。
【0005】
すなわち、特許文献3には、硬化物に高いX線造影機能を付与すると共に、歯科用硬化性組成物の粘度を適切に制御できる有機無機フィラーとして、“平均粒度0.15μmのSiO

-ZrO

と、平均粒度0.05μmのYbF

とからなる無機凝集粒子と、各無機凝集粒子の表面を覆うと共に各無機1次粒子を相互に結合する重合性単量体の重合硬化物と、イオン性界面活性剤とを含む有機樹脂層と、を含み、孔径1~500nmの範囲のミクロ孔が0.01~0.30cm

/gの容積で形成されてなる有機無機複合フィラー”が、記載されている。
【0006】
また、特許文献4及び5には、歯科用硬化性組成物に必要なX線不透過性を付与でき、しかも硬化体の透過性を低下させ難く、審美的な修復を可能とするX線不透過性充填材として、“結晶性希土類金属フッ化物粒子を主成分として含み、且つ、X線回折パターンにおける前記結晶性希土類金属フッ化物粒子に由来する最大強度ピークの半値全幅が0.3°以上である粉粒体からなるX線不透過性充填材”及び“樹脂マトリックス中に結晶性希土類金属フッ化物からなる粉粒体が分散した複合体を破砕して得られる有機無機複合粒子によって構成され、X線回折パターンにおける前記希土類金属フッ化物に由来する最大強度ピークの半値全幅が0.3°以上である有機無機粉粒体からなるX線不透過性充填材”が夫々記載されている。
【0007】
また、CRに関しては、近年、ニードルチップと呼ばれる、小さな孔を有するニードルを装着できるシリンジに充填された包装体として提供され、ニードルチップ装着後に前記ニードル先端から窩洞に直接ペーストを充填できるようにしたフロアブルコンポジットレジン(フロアブルCR)が開発されている。該フロアブルCRは、上記したような使用形態を可能にする流動性を有すると共に一定の硬化体強度や審美性を実現できるものであり、より簡便に歯牙の修復が行えることから臨床現場で多用されるようになっている。そして、上記フロアブルCRとしては、主として咬合面の再現が必要な症例に使用されるローフロータイプのものと、窩洞に薄くペーストを塗布するライニング(裏層)用(窩洞に開放する象牙細管開口部を封鎖し外部からの刺激が歯髄に伝わるのを防止するための層を形成する用途)に主として使用されるハイフロータイプのものが知られている。
【0008】
これらタイプのフロアブルCRにおいては、ニードルチップを装着したシリンジから流動性ペーストを吐出させる際にピストンに加える力を大きく増大させずに、微妙な力加減で吐出量を任意にコントロールできるような良好な「稠度」を有すること、及び高流動性と硬化体が高強度であることの両立を図ることが望まれている。なお、「稠度」とは、流動性ペーストの硬さ(軟らかさ)を表す指標であり、荷重をかけたときの広がり易さによって評価されるものである。
【0009】
一方、その用途に応じてタイプ毎に求められるペースト性状は若干異なっている。すなわち、ローフロータイプにおいては、垂直面に塗布したときの垂れ易さとして評価される所謂「垂れ性」が低く、充填後に形状を整えてから硬化させるまでの間に変形しない良好な「賦形性」(静置時における自然流動により変形が起こり難く、形状を維持できる性質)を有することが求められている。一方、ハイフロータイプにおいては、適切な稠度を有することは重要であるものの、賦形性はさほど重要ではなく(「垂れ性」は上昇してもよく)、寧ろ水平面上で(無荷重の状態で)自然に延び広がるような高い「フロー性」が要求される。
【0010】
また、歯科治療後におけるコンポジットレジンの充填部位と天然歯質部位とをレントゲンやCT撮影により判別するために付与されるX線造影性の程度についても差があり、ライニングで形成されるコンポジットレジン硬化体層は薄いことから、ハイフロータイプにおいてはより高いX線造影性が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
健康器具
2か月前
個人
鼾防止用具
2か月前
個人
歯茎みが品
3か月前
個人
歯の掃除具
6か月前
個人
身体牽引装置
6か月前
個人
脈波測定方法
3か月前
個人
洗井間専家。
1か月前
個人
白内障治療法
2か月前
個人
マッサージ機
3か月前
個人
乗馬テラピー
6か月前
個人
導電香
3か月前
個人
塗り薬塗り具
5か月前
個人
脈波測定方法
2か月前
個人
染毛方法
5か月前
個人
発熱器具
6か月前
個人
クリップ
3か月前
個人
収納容器
5か月前
個人
健康器具
5か月前
個人
片足歩行支援具
4か月前
個人
ホバーアイロン
1か月前
個人
眼科診療車
4か月前
個人
口内洗浄具
3か月前
個人
磁器治療器
6か月前
三生医薬株式会社
錠剤
2か月前
個人
車椅子持ち上げ器
2か月前
個人
動体視力強化装置
7か月前
個人
シャンプー
22日前
個人
血管硬化度算出方法
7か月前
東レ株式会社
吸収制御剤
5か月前
株式会社結心
手袋
2か月前
個人
服薬支援装置
1か月前
株式会社コーセー
化粧料
4か月前
個人
避難困難者救出台車
4か月前
個人
除菌システム
4か月前
株式会社 MTG
浴用剤
3か月前
株式会社コーセー
美爪料
4か月前
続きを見る