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公開番号
2025065787
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-22
出願番号
2023175222
出願日
2023-10-10
発明の名称
酸化チタン粒子及びその製造方法
出願人
株式会社レゾナック
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C01G
23/07 20060101AFI20250415BHJP(無機化学)
要約
【課題】アナターゼ含有率が高く、粗大粒子が少なく、均一性及び分散性に優れた酸化チタン粒子及びその製造方法の提供。
【解決手段】四塩化チタン及び不活性ガスを含有する原料ガス(G1)と、酸素ガス及び水蒸気の少なくとも1種並びに不活性ガスを含有する酸化性ガス(G2)とを、反応管に導入して反応ガスを生成させる反応工程と、冷却ガスを導入して反応ガスを冷却することで酸化チタン粒子を得る冷却工程とを含む、酸化チタン粒子の製造方法であって、反応工程におけるG1の流量(F
G1
)に対するG1中の四塩化チタンの流量(F
G1T
)の比F
G1T
/F
G1
が0.01以上0.4未満であり、冷却工程における冷却ガス導入後のTiO
2
質量(kg)と総ガス量(m
3
)の比(TiO
2
質量)/(総ガス量)が0超0.07kg/m
3
以下である、酸化チタン粒子の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
四塩化チタン及び不活性ガスを含有する原料ガス(G1)と、酸素ガス及び水蒸気の少なくとも1種並びに不活性ガスを含有する酸化性ガス(G2)とを、反応管に導入して反応ガスを生成させる反応工程と、
冷却ガスを導入して前記反応ガスを冷却することで酸化チタン粒子を得る冷却工程と
を含む、酸化チタン粒子の製造方法であって、
前記反応工程におけるG1の流量(F
G1
)に対するG1中の四塩化チタンの流量(F
G1T
)の比F
G1T
/F
G1
が0.01以上0.4未満であり、前記冷却工程における前記冷却ガス導入後のTiO
2
質量(kg)と総ガス量(m
3
)の比(TiO
2
質量)/(総ガス量)が0超0.07kg/m
3
以下である、酸化チタン粒子の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記四塩化チタンの流量(F
G1T
)/(前記水蒸気の流量(F
G2W
)+前記酸素ガスの流量(F
G2O
))が0.01以上0.3未満である請求項1に記載の酸化チタン粒子の製造方法。
【請求項3】
前記冷却工程における前記冷却ガスの量/総ガス量の比が0.3以上0.6以下である請求項1又は2に記載の酸化チタン粒子の製造方法。
【請求項4】
G1の流量(F
G1
)/G2の流量(F
G2
)が0.3以上1.2以下である請求項1又は2に記載の酸化チタン粒子の製造方法。
【請求項5】
反応管の内壁又は上部にパージ媒体の吹き出し口が設けられ、前記反応管の中心軸線に対して垂直な前記反応管の横断面において、前記パージ媒体の前記吹き出し口と前記反応管の前記中心軸線を結ぶ線に対して、前記パージ媒体の吹き出し角度αが、50°以上であり、前記パージ媒体の吹き出し流速が35m/s以上である、請求項1又は2に記載の酸化チタン粒子の製造方法。
【請求項6】
前記反応管の入口の断面積(S1)と、前記原料ガス(G1)及び前記酸化性ガス(G2)の導入管の出口の断面積の総和(S2)の比(S1/S2)が1.0以上10.0以下である請求項1又は2に記載の酸化チタン粒子の製造方法。
【請求項7】
BET比表面積が40m
2
/g超120m
2
/g以下、アナターゼ含有率が94%以上であり、25℃、pH7の水に入れ、超音波強度55W、38kHzで5分間の超音波分散による水篩を行なったときに、目開きが45μmの篩を通過しなかった残渣濃度が13ppm以下である、酸化チタン粒子。
【請求項8】
硝酸銀電位差滴定法により測定した酸化チタン粒子のCl含有量が0.20質量%以下である、請求項7に記載の酸化チタン粒子。
【請求項9】
Na、Al、S、Fe、Ni、Cr、Nb及びZrの含有量がそれぞれ50質量ppm以下、かつSi及びCの含有量がそれぞれ500質量ppm以下である、請求項7又は8に記載の酸化チタン粒子。
【請求項10】
請求項7又は8に記載の酸化チタン粒子を含むスラリー。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、酸化チタン粒子及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
酸化チタンの工業的応用分野は極めて広く、化粧品、紫外線遮蔽材、シリコーンゴムヘの添加剤を代表とし、近年では、光触媒、太陽電池、誘電体原料、Liイオン電池用電極材原料など用途は多岐に亘っている。なお、「酸化チタン」は、日本工業規格(JIS)には二酸化チタンと記載されているが、一般名として酸化チタンが広く使用されているので本開示では二酸化チタン(TiO
2
)を酸化チタンと略称する。
【0003】
最近、酸化チタンは特に高性能の誘電体原料、例えばBaTiO
3
の原料として注目されている。BaTiO
3
は加熱下で次の反応によって得られる。
BaCO
3
+TiO
2
→BaTiO
3
+CO
2
【0004】
上記の反応は固相反応であり、その際先ず高温でBaCO
3
が分解してBaOが生成し、BaOがTiO
2
粒子中を拡散固溶してBaTiO
3
になると言われている。したがって、BaTiO
3
粒子の大きさはTiO
2
粒子の大きさに支配されることになる。近年では、積層セラミックコンデンサーの小型化に伴って、誘電層の薄層化が課題となっており、そのためにはBaTiO
3
粒子の微粒化及び均一化が不可欠となっている。また、誘電層厚みよりも大きなBaTiO
3
粒子が存在すると、積層セラミックコンデンサー内で短絡が生じ、機器の故障につながる。したがって、BaTiO
3
の原料であるTiO
2
の微粒化及び均一化が必要であるとともに、粗大なTiO
2
粒子が含まれないことが好ましい。その他の用途でも、同様に、酸化チタン粒子は微粒化及び均一化が求められており、また粗大粒子は含まれない方がよい。
【0005】
酸化チタンの製造法としては、大別して四塩化チタンや硫酸チタンを加水分解する液相法と、四塩化チタンを酸素又は水蒸気と高温で反応させる気相法がある。
【0006】
液相法は、比較的温和な条件下で酸化チタンを製造することができ、微細な一次粒子が得られやすいという利点があるが、酸化チタンがゾル又はスラリーの状態で得られるため、この状態で使用する場合、用途が限定されるという問題がある。当該ゾル又はスラリーを酸化チタン粒子として使用するためには乾燥させる必要があり、乾燥後は一般に凝集が激しくなる。このように凝集の激しい酸化チタン粒子は、粒度分布が不均一になるという問題がある。また、乾燥して得られる当該酸化チタン粒子を溶媒に分散させたときの分散性が悪いという問題もある。分散性が悪いと、上記のBaTiO
3
の生成のために原料を混合する際に、酸化チタン粒子と他の原料とが十分に混合せず、原料成分に偏在が生じ、反応時に不均一成長を引き起こして、品質のばらつき等が生じる。
【0007】
一方、気相法によると、温度等の製造条件を調整することで生成する酸化チタンの一次粒子径を調整することができる。また、気相法では溶媒を使用しないため、酸化チタンは粉末として得られ、液相法で挙げた問題が生じることは少ない。更に、気相法では、液相法よりも比較的高い温度で反応させるため、得られる酸化チタンの結晶性が高いという特長がある。
【0008】
しかし、気相法では、液相法よりも高い温度で反応させるため、反応管内又は冷却ガスを導入した後の冷却管内において、温度が高すぎる、あるいは酸化チタン粒子の滞留時間が長すぎるなど、酸化チタン粒子が受ける熱量が大きい場合、酸化チタン粒子同士の焼結が過度に進行し、酸化チタンの微粒子が得られにくく、粒度分布も不均一になってしまう。酸化チタン同士の焼結を避けるために、反応ゾーンの温度を低くしすぎると、酸化チタンの核生成が十分に行われず、微粒子が得られにくい、あるいは結晶性が低い酸化チタンしか得られない。一方、冷却ガスによって、反応ガスを直ちに冷却することで、酸化チタン同士の焼結を抑えることができ、微粒子の酸化チタンを得ることができる。冷却が直ちに行われない場合や、冷却にムラがある場合、粒子同士の焼結が不均一に生じ、均一な酸化チタン微粒子が得られにくい。
【0009】
特許文献1には、均一な酸化チタン粒子を気相法により得ることを目的として、ハロゲン化チタンガスと酸化性ガスに特定の条件で反応させることを特徴とする酸化チタン粒子の製造方法が記載されている。
【0010】
また、特許文献2には、粗大粒子のない均一な酸化チタン粒子を気相法により得ることを目的として、TiCl
4
蒸気と水素及び酸素とを反応させ、直径が45μmよりも大きい金属酸化物の粒子が少ないことを特徴とする酸化チタン粒子の製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
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