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公開番号2025075693
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2023187044
出願日2023-10-31
発明の名称分子篩炭素及びその製造方法、並びにガス分離装置
出願人大阪ガスケミカル株式会社,国立大学法人 長崎大学
代理人個人,個人
主分類C01B 32/306 20170101AFI20250508BHJP(無機化学)
要約【課題】ガス分離性能がより向上した分子篩炭素、及びその製造方法、並びにガス分離装置を提供すること。
【解決手段】本発明の分子篩炭素は、X線光電子分光法により測定される光電子スペクトルを用いて、式(1)により求められる強度比(O1s/C1s)が0.23以上0.35以下である。強度比(O1s/C1s)=(S(C-OH)+S(C-O)+S´(C=O))/(S(C-C)+S(C-OH,C-O-C)+S(C=O)+S(COOR))…(1)
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
X線光電子分光法により測定される光電子スペクトルを用いて、下記式(1)により求められる強度比(O1s/C1s)が0.23以上0.35以下である、分子篩炭素。
強度比(O1s/C1s)=(S
(C-OH)
+S
(C-O)
+S´
(C=O)
)/(S
(C-C)
+S
(C-OH,C-O-C)
+S
(C=O)
+S
(COOR)
)…(1)
(式(1)中、S
(C-OH)
は532.5eV付近に認められるC-OH結合由来のピーク面積を示し、S
(C-O)
は534.1eV付近に認められるC-O結合由来のピーク面積を示し、S´
(C=O)
は530.9eV付近に認められるC=O結合由来のピーク面積を示し、S
(C-C)
は285.0eV付近に認められるC-C結合由来のピーク面積を示し、S
(C-OH,C-O-C)
は286.1eV付近に認められるC-OH結合及びC-O-C結合由来のピーク面積を示し、S
(C=O)
は287.5eV付近に認められるC=O結合由来のピーク面積を示し、S
(COOR)
は289.5eV付近に認められるCOOR結合由来のピーク面積を示す。)。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
下記式(2)により求められる20kPaにおける有効酸素吸着量が0.90cm

(STP)/g以上1.10cm

(STP)/g以下である、請求項1に記載の分子篩炭素。
有効酸素吸着量(cm

(STP)/g)=V

-V

…(2)
(式(2)中、V

は、25℃における酸素吸着等温線から求められる20kPaにおける有効酸素吸着量(cm

(STP)/g)を示し、V

は、80℃における酸素吸着等温線から求められる20kPaにおける有効酸素吸着量(cm

(STP)/g)を示す。)
【請求項3】
体積基準のメジアン径(D50)が0.1μm以上1000.0μm以下である、請求項1に記載の分子篩炭素。
【請求項4】
分離対象ガスが空気であって、空気から酸素を選択的に吸着する、請求項1~3のいずれか一項に記載の分子篩炭素。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか一項に記載の分子篩炭素の製造方法であって、電気化学的酸化工程を含む、製造方法。
【請求項6】
圧力スイング吸着法によって、空気より酸素を分離するためのガス分離装置であって、
前記圧力スイング吸着法における吸着材として、請求項1~3のいずれか一項に記載の分子篩炭素を備える、装置。
【請求項7】
温度スイング吸着法によって、空気より酸素を分離するためのガス分離装置であって、
前記温度スイング吸着法における吸着材として、請求項1~3のいずれか一項に記載の分子篩炭素を備える、装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、分子篩炭素及びその製造方法、並びにガス分離装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
分子篩炭素(Carbon Molecular Sieve、CMS)は、吸着対象ガスの最小分子径の差に応じた速度分離型の分子篩特性を発現する。これは、分子篩炭素の細孔入口にアモルファス炭素由来のバリア層が存在し、バリア層を超えるために必要なエネルギーが吸着対象ガスの最小分子径によって決まるためである。このため、圧力スイング吸着(Pressure Swing Adsorption、PSA)法や、温度スイング吸着(Thermal Swing Adsorption、TSA)法を利用した低分子ガスの分離に利用されており、特にPSA法による空気中の酸素と窒素との分離に広く応用されている。その他にも、例えば、PSA法によるメタン、オレフィン、及びパラフィンの分離に広く応用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、パラフィンとオレフィンとの混合ガスの吸着選択性に優れ、パラフィンとオレフィンとの混合ガスを効率よく分離することが可能である分子篩炭素が開示されている。その分子篩炭素は、分子プローブ法により求められた0.37nm以上の入口径を有する細孔の総容積をA1として、0.49nm以上の入口径を有する細孔の総容積をB2としたときに、B2/A1≦0.1を満たす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-171375号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の分子篩炭素は、上記のバリア層による分子篩炭素細孔入口の狭窄、すなわち、バリア層の高さについて言及されているものの、バリア層の厚みには一切言及されていない。ガスの分離能は、理論的には、バリア層が薄ければ薄いほど向上するが、これまでバリア層の厚みを制御することは困難であった。そのため、その分子篩炭素では、ガス分離能をより向上させることが困難であった。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、ガス分離性能がより向上した分子篩炭素、及びその製造方法、並びにガス分離装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の分子篩炭素、及びその製造方法、並びに特定のガス分離装置によって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は、以下の実施態様を含む。
[1]X線光電子分光法により測定される光電子スペクトルを用いて、下記式(1)により求められる強度比(O1s/C1s)が0.23以上0.35以下である、分子篩炭素。
強度比(O1s/C1s)=(S
(C-OH)
+S
(C-O)
+S´
(C=O)
)/(S
(C-C)
+S
(C-OH,C-O-C)
+S
(C=O)
+S
(COOR)
)…(1)
(式(1)中、S
(C-OH)
は532.5eV付近に認められるC-OH結合由来のピーク面積を示し、S
(C-O)
は534.1eV付近に認められるC-O結合由来のピーク面積を示し、S´
(C=O)
は530.9eV付近に認められるC=O結合由来のピーク面積を示し、S
(C-C)
は285.0eV付近に認められるC-C結合由来のピーク面積を示し、S
(C-OH,C-O-C)
は286.1eV付近に認められるC-OH結合及びC-O-C結合由来のピーク面積を示し、S
(C=O)
は287.5eV付近に認められるC=O結合由来のピーク面積を示し、S
(COOR)
は289.5eV付近に認められるCOOR結合由来のピーク面積を示す。)。
【0009】
[2]下記式(2)により求められる20kPaにおける有効酸素吸着量が0.90cm

(STP)/g以上1.10cm

(STP)/g以下である、[1]に記載の分子篩炭素。
有効酸素吸着量(cm

(STP)/g)=V

-V

…(2)
(式(2)中、V

は、25℃における酸素吸着等温線から求められる20kPaにおける有効酸素吸着量(cm

(STP)/g)を示し、V

は、80℃における酸素吸着等温線から求められる20kPaにおける有効酸素吸着量(cm

(STP)/g)を示す。)
【0010】
[3]体積基準のメジアン径(D50)が0.1μm以上1000.0μm以下である、[1]に記載の分子篩炭素。
(【0011】以降は省略されています)

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