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公開番号
2025043215
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-28
出願番号
2023150607
出願日
2023-09-15
発明の名称
リチウム金属複合酸化物の製造方法
出願人
ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
,
BASF SE
代理人
個人
主分類
C01G
53/00 20060101AFI20250321BHJP(無機化学)
要約
【課題】金属複合水酸化物を原料としてリチウム金属複合酸化物を製造する場合において、製造されたリチウム金属複合酸化物に含まれる炭酸リチウム量を低減することができる方法を提供すること。
【解決手段】本開示に係るリチウム金属複合酸化物の製造方法は、少なくとも、水酸化リチウムと、遷移金属を含む水酸化物と、遷移金属以外の添加金属の、炭酸塩以外の化合物である添加化合物とを混合して混合物を調製する混合工程と、混合物を、500℃以上650℃以下で焼成して、少なくともリチウムと遷移金属とを含むリチウム金属複合酸化物としての第1の焼成物を形成する第1の焼成工程と、第1の焼成物を、650℃超で焼成する第2の焼成工程とを含み、添加金属の炭酸塩は、溶解度が炭酸リチウムの溶解度より低く、融点が第2の焼成工程の焼成温度より高いものである。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも、水酸化リチウムと、遷移金属を含む水酸化物と、遷移金属以外の添加金属の、炭酸塩以外の化合物である添加化合物とを混合して混合物を調製する混合工程と、
前記混合物を、500℃以上650℃以下で焼成して、少なくともリチウムと前記遷移金属とを含むリチウム金属複合酸化物としての第1の焼成物を形成する第1の焼成工程と、
前記第1の焼成物を、650℃超で焼成する第2の焼成工程とを含み、
前記添加金属の炭酸塩は、溶解度が炭酸リチウムの溶解度より低く、融点が前記第2の焼成工程の焼成温度より高い
リチウム金属複合酸化物の製造方法。
続きを表示(約 590 文字)
【請求項2】
少なくとも、水酸化リチウムと、遷移金属を含む水酸化物とを混合して第1の混合物を調製する第1の混合工程と、
前記第1の混合物を、500℃以上650℃以下で焼成して、少なくともリチウムと前記遷移金属とを含むリチウム金属複合酸化物としての第1の焼成物を形成する第1の焼成工程と、
少なくとも、前記第1の焼成物と、遷移金属以外の添加金属の、炭酸塩以外の化合物である添加化合物とを混合して第2の混合物を調製する第2の混合工程と、
前記第2の混合物を、650℃超で焼成する第2の焼成工程と、
を含み、
前記添加金属の炭酸塩は、溶解度が炭酸リチウムの溶解度より低く、融点が前記第2の焼成工程の焼成温度より高い
リチウム金属複合酸化物の製造方法。
【請求項3】
前記添加化合物は、水酸化物又は酸化物である
請求項1又は2に記載のリチウム金属複合酸化物の製造方法。
【請求項4】
前記遷移金属は、ニッケルを含む
請求項1又は2に記載のリチウム金属複合酸化物の製造方法。
【請求項5】
製造されるリチウム金属複合酸化物中のニッケルの含有量が、リチウム及び酸素を除く元素に対し80mol%以上である
請求項1又は2に記載のリチウム金属複合酸化物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、リチウム金属複合酸化物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
AV機器やパソコン等の電子機器の駆動用電源として、小型、軽量で高エネルギー密度を有し、充放電電圧が高く、充放電容量も大きいリチウムイオン二次電池が注目されている。このようなリチウムイオン二次電池に有用な正極活物質として、例えば、組成式 Li
a
(Ni
x
Co
y
M
z
)O
2
で表される基本組成を有するリチウム金属複合酸化物(Mは、Mn、Mg、Al等の金属)からなる正極活物質が提案されてきている。
【0003】
図3は、従来の技術のリチウム金属複合酸化物の製造方法のフロー図である。図3に示すように、リチウム金属複合酸化物は、通常、ニッケル化合物、コバルト化合物及びMn、Mg、Al等の金属の化合物から金属複合水酸化物を調製した後、焼成して、前駆体としての金属複合酸化物を得て、さらにこの金属複合酸化物とリチウム化合物との混合物を焼成することで得られる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-198195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示される方法では、焼成工程ではじめてリチウムと金属複合水酸化物が反応して金属複合酸化物が形成されるため、反応前後で嵩高さが元の7割程度まで減少する。この嵩高さの減少が生産性を低下させる要因となっている。
【0006】
そこで、本発明者は、金属複合水酸化物をそのまま前駆体として用い、水酸化リチウムと混合して予備的に焼成を行うことで予めリチウム金属複合酸化物を形成し、その後、本焼成を行う方法に着目した。このような方法によれば、本焼成の前に金属複合酸化物が形成されているため、本焼成の前後で嵩高さがほとんど変化せずに、嵩高さの変化によって生産性を損ねることがない。
【0007】
しかしながら、このような焼成工程を経て得られるリチウム金属複合酸化物には、炭酸リチウムが多く含まれることが分かった。これは主に、金属複合水酸化物に含まれる炭酸イオンが、水酸化リチウムと反応して形成されるものと考えられる。上述した従来法では、金属複合水酸化物を金属複合酸化物に変化させる際に加熱処理を施しているため、この加熱によって炭酸イオンの多くが脱離するため、金属複合酸化物に含まれる炭酸イオンは非常に少なく、これを水酸化リチウムと反応させても炭酸リチウムの生成量は少ないが、金属複合水酸化物をそのまま水酸化リチウムと反応させる場合には、反応の前に炭酸イオンが脱離せずに炭酸リチウムを形成する。
【0008】
ここで、炭酸リチウムを多量に含むリチウム金属複合酸化物は、これを正極活物質として用いた電極の作製時のゲル化の要因となり得る。また、これを正極活物質として含む正極を用いたリチウムイオン二次電池には、高温保存時に電池内部での反応によって炭酸ガスの発生量が増加し、電池が膨張することもある。したがって、リチウム金属複合酸化物において、炭酸リチウムの含有量を低減させることが求められている。
【0009】
本開示は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、金属複合水酸化物を原料としてリチウム金属複合酸化物を製造する場合において、製造されたリチウム金属複合酸化物に含まれる炭酸リチウム量を低減することができる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、少なくとも、水酸化リチウムと、遷移金属を含む水酸化物と、遷移金属以外の添加金属の、炭酸塩以外の化合物である添加化合物とを混合して混合物を調製する混合工程と、混合物を、500℃以上650℃以下で焼成して、少なくともリチウムと遷移金属とを含むリチウム金属複合酸化物としての第1の焼成物を形成する第1の焼成工程と、第1の焼成物を、650℃超で焼成する第2の焼成工程と、含み、添加金属の炭酸塩は、溶解度が炭酸リチウムの溶解度より低く、融点が第2の焼成工程の焼成温度より高いリチウム金属複合酸化物の製造方法、又は、少なくとも、水酸化リチウムと、遷移金属を含む水酸化物とを混合して第1の混合物を調製する第1の混合工程と、第1の混合物を、500℃以上650℃以下で焼成して、少なくともリチウムと遷移金属とを含むリチウム金属複合酸化物としての第1の焼成物を形成する第1の焼成工程と、少なくとも、第1の焼成物と、遷移金属以外の添加金属の、炭酸塩以外の化合物である添加化合物とを混合して第2の混合物を調製する第2の混合工程と、第2の混合物を、650℃超で焼成する第2の焼成工程と、を含み、添加金属の炭酸塩は、溶解度が炭酸リチウムの溶解度より低く、融点が第2の焼成工程の焼成温度より高いリチウム金属複合酸化物の製造方法によれば、非水電解質二次電池の正極活物質として用いるリチウム金属複合酸化物に含まれる炭酸リチウム量を低減できることを見出し、本開示の方法を発明するに至った。具体的に、本開示は、以下のものを提供する。
(【0011】以降は省略されています)
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