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公開番号2025059248
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-10
出願番号2023169210
出願日2023-09-29
発明の名称チタン酸バリウム粒子の分散液、およびその製造方法
出願人日揮触媒化成株式会社
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類C01G 23/00 20060101AFI20250403BHJP(無機化学)
要約【課題】粒度分布が広いBTO粒子分散液を提供する。
【解決手段】
本発明は、ペロブスカイト構造のチタン酸バリウム粒子の分散液であって、動的光散乱法により測定した粒子径の中央値(D50)が2~5nmであり、動的光散乱法により測定した粒子径の最大値(D100)と中央値(D50)の差が30nm以上であり、且つ動的光散乱法により測定した5.4nm以下の割合が70%以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ペロブスカイト構造のチタン酸バリウム粒子の分散液であって、
動的光散乱法により測定した粒子径の中央値D50が2~5nmであり、
動的光散乱法により測定した粒子径の最大値D100と前記中央値D50の差が30nm以上であり、
分散液を動的光散乱法により測定したとき、5.4nm以下の粒子の割合が70%以上であるチタン酸バリウム粒子の分散液。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
分散液を動的光散乱法により測定したとき、3.2nm以下の粒子の割合が30%以上であることを特徴とする請求項1に記載の分散液。
【請求項3】
前記分散液の固形分をXRDにより測定したとき、回折角度が26°での回折強度I

と、ペロブスカイト構造のメインピークの強度I

との比(I

/I

)が0.2以下であることを特徴とする請求項1に記載の分散液。
【請求項4】
請求項1に記載の分散液を用いて基材上に膜を形成することを特徴とする膜付基材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はチタン酸バリウム粒子の分散液およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【0002】
ペロブスカイト構造のチタン酸バリウム(BTO)は高い誘電率や屈折率を示すため、電気光学デバイスの光変調器やスイッチ、積層セラミックコンデンサ(MLCC)、および光学フィルター等に用いられている。これらの用途では、軽薄短小化が進められており、BTO粒子は薄膜の形態で使用されている。このような薄膜はBTO粒子の分散液を基材上に塗布して形成される(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1のようにBTO粒子の分散液を用いた場合、BTO粒子の間に隙間(以下、BTO粒子の間の隙間を間隙と呼称する)が生じ、膜の密度が低くなる。このような膜では、誘電率や屈折率等のBTO粒子の特性が得られにくい。膜の密度を高くするために、非晶質のBTOを焼結助剤的に使用する方法が知られている(例えば、特許文献2)。特許文献2には、このような膜を積層セラミックコンデンサ(MLCC)の誘電体層に適用することにより、MLCCの静電容量を高くすることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-240904号公報
特開2005-306691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2では、非晶質のBTOを用いて緻密な膜を得ようとしているものの、分散液中のBTO粒子と非晶質のBTOの粒子径差が小さい。すなわち、分散液の粒度分布が狭いので、非晶質のBTOが間隙を埋めにくいという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるBTO粒子の分散液は、動的光散乱法により測定した粒子径の中央値(D50)が2~5nmであり、動的光散乱法により測定した粒子径の最大値(D100)と中央値(D50)の差が30nm以上であり、且つ動的光散乱法により測定した5.4nm以下の割合が70%以上である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明のBTO粒子の分散液では、粒子径の最大値(D100)と中央値(D50)の差が30nm以上である。すなわち、分散液の粒度分布が広い。この分散液を用いてBTO粒子の膜を形成することにより、分散液中に存在する比較的大きいBTO粒子(以下、大粒子と呼称する)の間隙に、これらより小さいBTO粒子(以下、小粒子と呼称する)が入り、間隙が埋まる。これにより、膜の密度が高くなる。
【0007】
さらに、分散液中の5.4nm以下の粒子の割合を70%以上にした。これにより、分散液中の小粒子の割合が大きくなり、埋めることができる間隙の量が多くなる。また、小粒子が小さく、且つ小粒子の割合が大きいほど、間隙が小粒子で埋まり易い。そのため、分散液中の3.2nm以下の粒子の割合は30%以上が好ましい。一方、分散液中の5.4nm以下の粒子の割合は99%未満が好ましい。5.4nmより大きい粒子が少なくとも1%以上存在するので、間隙に収まれない小粒子が少なくなる。ここで、粒子の割合は、分散液中の粒子の体積の合計(100%)に対する、粒子の体積の割合である。
【0008】
また、D50が小さいほど、薄い膜を形成できる。膜が薄いほど、膜を適用した電子部品を小型化できる。また、膜をMLCCに適用した場合、MLCCの静電容量を高くすることができる。そのため、D50は5nm以下である。一方、D50が小さすぎる場合、結晶化が不十分な粒子(アモルファス等)が含まれる可能性が高くなり、誘電率が低くなる。そのため、D50は2nm以上である。
【0009】
アモルファスのチタン酸バリウムを含む膜を焼成する場合、アモルファスのチタン酸バリウムが収縮し、空隙が発生してしまう。つまり、分散液の固形分中でアモルファスの量が少ないほど、この分散液を用いて作製した膜の空隙が少なくなる。空隙が発生しない場合でも、焼成により膜に応力がかかるため、膜にクラックが発生したり、膜が曲がったりしてしまう。これらの理由から、分散液の固形分をXRDで測定したとき、回折角度が26°での回折強度I

と、ペロブスカイト構造のメインピークの強度I

との比(I

/I

)は、0.2以下が好ましく、0.1以下がさらに好ましい。
【0010】
また、分散液の粒度分布はブロードのスペクトルが好ましい。この分散液は様々な大きさの小粒子を含む。そのため、この分散液を用いることにより、様々な大きさの間隙を小粒子で埋めることができる。つまり、この分散液を用いた場合、粒度分布が輝線のスペクトルである分散液を用いた場合よりも、膜の間隙を小粒子で埋めやすい。分散液の粒度分布がブロードのスペクトルの場合、分散液の粒度分布は多峰性のスペクトルが好ましく、特に二峰性のスペクトルが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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