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公開番号
2025018308
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-06
出願番号
2023121900
出願日
2023-07-26
発明の名称
NASICON構造を有するナトリウム化合物
出願人
日本化学工業株式会社
代理人
弁理士法人あしたば国際特許事務所
主分類
C01B
33/32 20060101AFI20250130BHJP(無機化学)
要約
【課題】工業的に有利な方法で、NASICON構造を有するX線回折的に単相のナトリウム化合物を得ることができる方法を提供する。
【解決手段】NASICON構造を有し、少なくともナトリウム、ジルコニウム、ケイ素及びリンを含有するナトリウム化合物の製造方法であって、ナトリウム、ジルコニウム、ケイ素及びリンを含有し、赤外吸収スペクトルにおいて少なくとも950~1050cm
-1
の範囲に極大値がある吸収ピーク及び1060~1150cm
-1
の範囲に極大値がある吸収ピークが観察される反応前駆体を800~1100℃で焼成することを特徴とするNASICON構造を有するナトリウム化合物の製造方法。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
NASICON構造を有し、少なくともナトリウム、ジルコニウム、ケイ素及びリンを含有するナトリウム化合物の製造方法であって、
ナトリウム、ジルコニウム、ケイ素及びリンを含有し、赤外吸収スペクトルにおいて少なくとも950~1050cm
-1
の範囲に極大値がある吸収ピーク及び1060~1150cm
-1
の範囲に極大値がある吸収ピークが観察される反応前駆体を800~1100℃で焼成することを特徴とするNASICON構造を有するナトリウム化合物の製造方法。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記反応前駆体が、無定形の反応前駆体であることを特徴とする請求項1に記載のNASICON構造を有するナトリウム化合物の製造方法。
【請求項3】
前記反応前駆体は、
ジルコニウム源、ケイ素源及びリン酸を混合して、混合スラリーを調製する第1工程と、
前記混合スラリーを加熱処理して加熱処理物スラリーを得る第2工程と、
前記加熱処理物スラリーに、ナトリウム源を添加して、ナトリウム含有加熱処理物スラリーを得る第3工程と、
前記ナトリウム含有加熱処理物スラリーを湿式粉砕する第4工程と、
前記第4工程後のナトリウム含有加熱処理物スラリーを乾燥する第5工程と、
を行い得られるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のNASICON構造を有するナトリウム化合物の製造方法。
【請求項4】
前記ケイ素源が、沈降性シリカであることを特徴とする請求項1又は2に記載のNASICON構造を有するナトリウム化合物の製造方法。
【請求項5】
前記第1工程において、更に、界面活性剤を、前記混合スラリーに含有させることを特徴とする請求項3に記載のNASICON構造を有するナトリウム化合物の製造方法。
【請求項6】
前記ナトリウム源が、水酸化ナトリウムであることを特徴とする請求項3に記載のNASICON構造を有するナトリウム化合物の製造方法。
【請求項7】
前記第2工程における加熱処理温度が、50~120℃であることを特徴とする請求項3に記載のNASICON構造を有するナトリウム化合物の製造方法。
【請求項8】
前記第5工程における乾燥は、噴霧乾燥により行うことを特徴とする請求項3に記載のNASICON構造を有するナトリウム化合物の製造方法。
【請求項9】
NASICON構造を有するナトリウム化合物が、下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項1記載のNASICON構造を有するナトリウム化合物の製造方法。
Na
g
Zr
h
Si
i
P
j
O
k
(1)
(式中、gは2.7≦g≦3.3、hは1.7≦h≦2.3、iは1.7≦i≦2.3、jは0.8≦j≦1.2、kは10≦k≦14である。)
【請求項10】
前記反応前駆体に、更にナトリウム及びジルコニウム以外の金属元素であるM元素を有するM源を含有させることを特徴とする請求項1に記載のNASICON構造を有するナトリウム化合物の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体電解質等として有用なNASICON構造を有するナトリウム化合物の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
携帯機器、ノート型パソコン、電気自動車、及び産業用ロボットなどの電源として非水系リチウム二次電池が利用されている。また、近年では、可燃性の有機溶媒を含む電解質を使用する非水系リチウム二次電池に代えて、安全性の高い固体電解質を使用したリチウムイオン全固体電池の開発が盛んに進められている。
【0003】
一方で、リチウムは世界的な原材料の高騰等が懸念されているため、リチウムに代わる材料としてナトリウムも注目されており、例えば、特許文献1には、固体電解質としてNASICON構造を有するナトリウムイオン伝導体ナトリウムのナトリウム化合物を使用したナトリウムイオン全固体電池が提案されている。
【0004】
特許文献1には、ナトリウム、ジルコニウム、ケイ素及びリンを含む前駆体溶液を加水分解してゲル化させて1日放置し、ゲルを熟成させた後、120℃で24時間乾燥させ、擂潰した後、750℃で5時間仮焼して前駆体粉末を得、これを1000℃で5時間焼成して、Na
3
Zr
2
(SiO
4
)
2
(PO
4
)で表される固体電解質を合成する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010-15782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の固体電解質の合成方法では、反応前駆体を得るまで長時間を要するなど、NASICON構造を有するX線回折的に単相のナトリウム化合物を工業的に有利に得ることが困難であった。
【0007】
従って、本発明の目的は、工業的に有利な方法で、NASICON構造を有するX線回折的に単相のナトリウム化合物を得ることができる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、NASICON構造を有し、少なくともナトリウム、ジルコニウム、ケイ素及びリンを含有するナトリウム化合物を製造する方法において、ナトリウム、ジルコニウム、ケイ素及びリンを含有する特定の反応前駆体を用いることにより、比較的短時間でNASICON構造を有するX線回折的に単相のナトリウム化合物が得られること、また、該反応前駆体は一連の工程を行うことで工業的に有利な方法で得られること等を見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明(1)は、
NASICON構造を有し、少なくともナトリウム、ジルコニウム、ケイ素及びリンを含有するナトリウム化合物の製造方法であって、
ナトリウム、ジルコニウム、ケイ素及びリンを含有し、赤外吸収スペクトルにおいて少なくとも950~1050cm
-1
の範囲に極大値がある吸収ピーク及び1060~1150cm
-1
の範囲に極大値がある吸収ピークが観察される反応前駆体を800~1100℃で焼成することを特徴とするNASICON構造を有するナトリウム化合物の製造方法を提供するものである。
【0010】
また、本発明(2)は、前記反応前駆体が、無定形の反応前駆体であることを特徴とする(1)のNASICON構造を有するナトリウム化合物の製造方法を提供するものである。
(【0011】以降は省略されています)
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