TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025009356
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-20
出願番号
2023112306
出願日
2023-07-07
発明の名称
炭酸カルシウム粒子の製造方法および炭酸カルシウム粒子の製造装置
出願人
株式会社TBM
代理人
弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類
C01F
11/18 20060101AFI20250110BHJP(無機化学)
要約
【課題】ファインバブルを使用して炭酸カルシウムを生成する際に、ファインバブルの最適な導入時間を簡易に決定できる炭酸カルシウム粒子の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、カルシウムを含む材料溶液に、二酸化炭素を含むファインバブルを導入する工程と、前記材料溶液の電気伝導率を経時的に測定する工程と、を有し、前記測定されている電気伝導率が極小値をとった後に、前記ファインバブルの導入を停止する、炭酸カルシウム粒子の製造方法に関する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
カルシウムを含む材料溶液に、二酸化炭素を含むファインバブルを導入する工程と、
前記材料溶液の電気伝導率を経時的に測定する工程と、を有し、
前記測定されている電気伝導率が極小値をとった後に、前記ファインバブルの導入を停止する、
炭酸カルシウム粒子の製造方法。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記ファインバブルは、平均粒子径が1μm以上100μm以下の気泡である、
請求項1に記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
【請求項3】
前記ファインバブルの導入を開始したときの前記材料溶液の電気伝導率をEC
0
、
前記電気伝導率の極小値をEC
min
、
前記ファインバブルの導入を停止するときの前記材料溶液の電気伝導率をEC
fin
、とするとき、
前記電気伝導率が極小値をとった後、なおかつ式EC
fin
/(EC
0
-EC
min
)が0.05となる前に、前記ファインバブルの導入を停止する、
請求項1に記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
【請求項4】
前記ファインバブルを導入する工程において、
前記測定された電気伝導率に応じて、前記ファインバブルの平均粒子径を変化させる、
請求項1に記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
【請求項5】
前記ファインバブルを導入する工程において、
前記測定された電気伝導率に応じて、前記ファインバブルの導入速度を変化させる、
請求項1に記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
【請求項6】
前記ファインバブルを導入する工程は、前記材料溶液のpHを7.0以上として行う、
請求項1に記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
【請求項7】
カルシウムを含む材料溶液の電気伝導率を経時的に測定する測定部と、
前記材料溶液に、二酸化炭素を含むファインバブルを導入する導入部と、
前記導入部による前記ファインバブルの導入を制御して、前記測定されている電気伝導率が極小値をとった後に、前記ファインバブルの導入を停止させる、制御部と、を有する、
炭酸カルシウム粒子の製造装置。
【請求項8】
前記ファインバブルの導入を開始したときの前記材料溶液の電気伝導率をEC
0
、
前記電気伝導率の極小値をEC
min
、
前記ファインバブルの導入を停止するときの前記材料溶液の電気伝導率をEC
fin
、とするとき、
前記制御部は、前記電気伝導率が極小値をとった後、なおかつEC
fin
/(EC
0
-EC
min
)が0.05となる前に、前記ファインバブルの導入を停止する、
請求項7に記載の炭酸カルシウム粒子の製造装置。
【請求項9】
前記導入部は、前記材料溶液が内部を流通する管状の多孔質セラミックスと、
前記多孔質セラミックスの内部に二酸化炭素を圧入する圧入部と、を有する、
請求項7に記載の炭酸カルシウム粒子の製造装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記導入部による前記ファインバブルの導入を制御して、前記測定された電気伝導率に応じて、前記ファインバブルの平均粒子径を変化させる、
請求項7に記載の炭酸カルシウム粒子の製造装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸カルシウム粒子の製造方法および炭酸カルシウム粒子の製造装置に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
温室効果ガスである二酸化炭素の排出量を低減するため、二酸化炭素をカルシウムと反応させて炭酸カルシウムとして固定化することが検討されている。特許文献1および特許文献2などに記載のように、コンクリートスラッジや鉄鋼スラグなどのカルシウムを含有する廃棄物から水中に抽出されたカルシウムと、上記水中に導入した二酸化炭素と、を反応させることで、炭酸カルシウムを生成することができる。これらの方法は、カルシウムを含有する廃棄物の廃棄量も減らせるので、廃棄物による環境悪化も抑制できると期待される。
【0003】
炭酸カルシウム粒子は、プラスチック、紙および塗料などへの充填材、農薬および肥料などの土壌改良剤、接着剤、シーラント、研磨作用を利用して消しゴムや歯磨剤、ならびに、食品添加物および化粧品原料などの幅広い分野で使用される。また、最近では、炭酸カルシウム粒子を主原料としたシート・フィルム状の紙代替製品や、プラスチック代替製品が開発され、広く使用されている。紙代替製品としては、クリアファイル、名刺、冊子(パンフレット・写真集等)、販促POP、メニュー表、パッケージ、ポスター、電飾シート、シール・ラベル、マップ、マスクケース、タグの用途に使用されている。プラスチック代替製品としては、従来、プラスチックが用いられていた用途(各種成形品、たとえば、レジ袋・買い物袋、食品容器、飲料カップ、ハンガー、文房具、うちわ、化粧品容器、ボトル、建築資材等)に使用されている。
【0004】
二酸化炭素の導入によって炭酸カルシウムを生成する際に、カルシウムと反応させる二酸化炭素の気泡を小粒子化することで、反応速度を速める方法も検討されている。たとえば、特許文献3および特許文献4には、キャビテーションにより生じる100ミクロン以下の気泡(キャビテーション気泡)を使用することで、平均粒子径が100nmや200nm以下の炭酸カルシウム粒子を短時間で生成できたと記載されている。また、特許文献5および特許文献6には、平均粒子径が1000nm以下であるウルトラファインバブルを使用することで、短時間で炭酸カルシウム粒子を生成できたと記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2009-279552号公報
特開2014-148432号公報
特開2015-199654号公報
特開2015-199659号公報
特開2018-039696号公報
特開2023-028788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献3~特許文献6に記載のように、二酸化炭素の気泡を小粒子化させた、いわゆるファインバブルを使用することで、炭酸カルシウム粒子を短時間で生成できることが知られている。しかし、本発明者の知見によると、炭酸カルシウム粒子の晶出速度は気泡の粒子径のみでは決定されず、様々な条件によって変化し得る。そのため、ファインバブルを使用したとしても、最適な生成時間を特定することは難しかった。そして、ファインバブルの導入時間を必要以上に短くしてしまうと、炭酸カルシウム粒子が十分に晶出する前に生成を停止することになってしまい、炭酸カルシウム粒子の収率は低下してしまう。また、ファインバブルの導入時間を必要以上に長くしてしまうと、反応速度が期待したほど高まらないことになる。
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、ファインバブルを使用して炭酸カルシウムを生成する際に、ファインバブルの最適な導入時間を簡易に決定できる炭酸カルシウム粒子の製造方法、および当該方法を実施できる炭酸カルシウム粒子の製造装置を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の一態様は、下記[1]~[6]の炭酸カルシウム粒子の製造方法に関する。
[1]カルシウムを含む材料溶液に、二酸化炭素を含むファインバブルを導入する工程と、
前記材料溶液の電気伝導率を経時的に測定する工程と、を有し、
前記測定されている電気伝導率が極小値をとった後に、前記ファインバブルの導入を停止する、
炭酸カルシウム粒子の製造方法。
[2]前記ファインバブルは、平均粒子径が1μm以上100μm以下の気泡である、
[1]に記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
[3]前記ファインバブルの導入を開始したときの前記材料溶液の電気伝導率をEC
0
、
前記電気伝導率の極小値をEC
min
、
前記ファインバブルの導入を停止するときの前記材料溶液の電気伝導率をEC
fin
、とするとき、
前記電気伝導率が極小値をとった後、なおかつ式EC
fin
/(EC
0
-EC
min
)が0.05となる前に、前記ファインバブルの導入を停止する、
[1]または[2]に記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
[4]前記ファインバブルを導入する工程において、
前記測定された電気伝導率に応じて、前記ファインバブルの平均粒子径を変化させる、
[1]~[3]のいずれかに記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
[5]前記ファインバブルを導入する工程において、
前記測定された電気伝導率に応じて、前記ファインバブルの導入速度を変化させる、
[1]~[4]のいずれかに記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
[6]前記ファインバブルを導入する工程は、前記材料溶液のpHを7.0以上として行う、
[1]~[5]のいずれかに記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
【0009】
上記課題を解決するための本発明の一態様は、下記[7]~[11]の炭酸カルシウム粒子の製造装置に関する。
[7]カルシウムを含む材料溶液の電気伝導率を経時的に測定する測定部と、
前記材料溶液に、二酸化炭素を含むファインバブルを導入する導入部と、
前記導入部による前記ファインバブルの導入を制御して、前記測定されている電気伝導率が極小値をとった後に、前記ファインバブルの導入を停止させる、制御部と、を有する、
炭酸カルシウム粒子の製造装置。
[8]前記ファインバブルの導入を開始したときの前記材料溶液の電気伝導率をEC
0
、
前記電気伝導率の極小値をEC
min
、
前記ファインバブルの導入を停止するときの前記材料溶液の電気伝導率をEC
fin
、とするとき、
前記制御部は、前記電気伝導率が極小値をとった後、なおかつEC
fin
/(EC
0
-EC
min
)が0.05となる前に、前記ファインバブルの導入を停止する、
[7]に記載の炭酸カルシウム粒子の製造装置。
[9]前記導入部は、前記材料溶液が内部を流通する管状の多孔質セラミックスと、
前記多孔質セラミックスの内部に二酸化炭素を圧入する圧入部と、を有する、
[7]または[8]に記載の炭酸カルシウム粒子の製造装置。
[10]前記制御部は、前記導入部による前記ファインバブルの導入を制御して、前記測定された電気伝導率に応じて、前記ファインバブルの平均粒子径を変化させる、
[7]~[9]のいずれかに記載の炭酸カルシウム粒子の製造装置。
[11]前記制御部は、前記導入部による前記ファインバブルの導入を制御して、前記測定された電気伝導率に応じて、前記ファインバブルの導入速度を変化させる、
[7]~[10]のいずれかに記載の炭酸カルシウム粒子の製造装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ファインバブルを使用して炭酸カルシウムを生成する際に、ファインバブルの最適な導入時間を簡易に決定できる炭酸カルシウム粒子の製造方法、および当該方法を実施できる炭酸カルシウム粒子の製造装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
株式会社TBM
炭酸カルシウム粒子の製造方法
9日前
株式会社TBM
チューブ状炭酸カルシウムの製造方法
9日前
株式会社TBM
炭酸カルシウム粒子の製造方法および炭酸カルシウム粒子の製造装置
13日前
株式会社TBM
炭酸カルシウム粒子の製造方法および炭酸カルシウム粒子の製造装置
13日前
中外炉工業株式会社
アンモニア分解装置
3日前
JFEスチール株式会社
リンの製造方法
3日前
三桜工業株式会社
水素発生装置及び水素発生方法
13日前
三菱ケミカル株式会社
ゼオライトの製造方法
13日前
三菱ケミカル株式会社
ゼオライトの製造方法
13日前
個人
オゾン発生用放電管
9日前
京都府公立大学法人
水素の生産方法、及び水素生産システム
3日前
デクセリアルズ株式会社
シリカエアロゲル分散物、シート、膜
9日前
株式会社TBM
炭酸カルシウム粒子の製造方法
9日前
株式会社TBM
チューブ状炭酸カルシウムの製造方法
9日前
株式会社MARUWA
窒化アルミニウム粉末及びその改質方法並びに高分子成形体
9日前
住友金属鉱山株式会社
ニッケル硫化物原料の処理方法、並びに硫黄回収方法
9日前
花王株式会社
表面に有機基を有する中空シリカ粒子の製造方法
3日前
ジカンテクノ株式会社
シリカの製造方法
11日前
一般財団法人電力中央研究所
燃焼プロセスにおける反応性窒素の回収システム、発電設備
9日前
DIC株式会社
シリコン粒子、シリコン含有活物質、二次電池用負極活物質、負極および二次電池
13日前
個人
抗バイオフィルム剤、組成物及び医療用機器並びに抗バイオフィルム剤に依る菌付着防止方法
13日前
DIC株式会社
シリコン粒子、シリコン含有活物質、二次電池用負極活物質、負極および二次電池
13日前
DIC株式会社
シリコン粒子、シリコン含有活物質、二次電池用負極活物質、負極および二次電池
13日前
堺化学工業株式会社
酸化チタン含有粉末及び酸化チタン含有粉末の製造方法
13日前
古手川産業株式会社
次亜塩素酸型ハイドロカルマイトの製造方法、及び次亜塩素酸型ハイドロカルマイト
9日前
日本ゼオン株式会社
繊維状炭素ナノ構造体
13日前
JFEスチール株式会社
粒状硫酸アンモニウム製造方法および粒状硫酸アンモニウム製造設備
13日前
湖北融通高科先進材料集団股フン有限公司
ヒドロキシリン酸鉄からリン酸鉄リチウムを製造する方法及び適用
13日前
株式会社TBM
炭酸カルシウム粒子の製造方法および炭酸カルシウム粒子の製造装置
13日前
個人
水素化マグネシウムと塩化マグネシウム水溶液から製造したクロロマグネシウムプラズマで水から水素を製造する方法
13日前
株式会社豊田中央研究所
アンモニア合成システム
9日前
株式会社テクノ菱和
過酸化水素ガス発生装置および過酸化水素ガス発生方法
9日前
株式会社ダイセル
異原子ドープナノダイヤモンド
5日前
三井金属鉱業株式会社
タンタル酸化合物分散液およびその製造方法
9日前
扶桑化学工業株式会社
コロイダルシリカ及びその製造方法
3日前
株式会社田中化学研究所
金属複合水酸化物粉末、リチウム二次電池用正極活物質の製造方法及び金属複合水酸化物粉末の製造方法
9日前
続きを見る
他の特許を見る