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公開番号
2025008554
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-20
出願番号
2023110805
出願日
2023-07-05
発明の名称
炭酸カルシウム粒子の製造方法および炭酸カルシウム粒子の製造装置
出願人
株式会社TBM
代理人
弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類
C01F
11/18 20060101AFI20250109BHJP(無機化学)
要約
【課題】簡易な方法で、狙いの粒子径を有する炭酸カルシウム粒子を生成することができる、炭酸カルシウム粒子の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、カルシウムを含む材料溶液の硫黄濃度を測定する工程と、前記測定された硫黄濃度が、晶出させる炭酸カルシウムの粒径に応じて定められた所定の硫黄濃度とは異なる濃度であるときに、前記材料溶液の硫黄濃度を前記所定の硫黄濃度に調整する工程と、前記硫黄濃度を調整された前記材料溶液に二酸化炭素または炭酸イオンを導入して、炭酸カルシウムを晶出させる工程と、を有する、炭酸カルシウム粒子の製造方法に関する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
カルシウムを含む材料溶液の硫黄濃度を測定する工程と、
前記測定された硫黄濃度が、晶出させる炭酸カルシウムの粒径に応じて定められた所定の硫黄濃度とは異なる濃度であるときに、前記材料溶液の硫黄濃度を前記所定の硫黄濃度に調整する工程と、
前記硫黄濃度を調整された前記材料溶液に二酸化炭素または炭酸イオンを導入して、炭酸カルシウムを晶出させる工程と、を有する、
炭酸カルシウム粒子の製造方法。
続きを表示(約 810 文字)
【請求項2】
前記硫黄濃度を測定する工程は、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP-OES)または誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)により行われる、
請求項1に記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
【請求項3】
前記所定の硫黄濃度は、50mg/L以上10000mg/L以下の濃度である、
請求項1に記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
【請求項4】
前記所定の硫黄濃度は、0.01mg/L以上50mg/L未満の濃度である、
請求項1に記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
【請求項5】
前記材料溶液のバリウム濃度を所定のバリウム濃度に調整する工程を有し、
前記炭酸カルシウムを晶出させる工程では、前記硫黄濃度およびバリウム濃度を調整された前記材料溶液に二酸化炭素を導入する、
請求項1に記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
【請求項6】
前記晶出させる工程は、前記材料溶液のpHを7.0以上として、二酸化炭素を導入することにより行う、
請求項1に記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
【請求項7】
カルシウムを含む材料溶液の硫黄濃度を測定する測定部と、
前記材料溶液の前記測定された硫黄濃度を、晶出させる炭酸カルシウムの粒径に応じて定められた所定の硫黄濃度に調整する濃度調整部と、
前記硫黄濃度を調整された前記材料溶液に二酸化炭素を導入して、炭酸カルシウムを晶出させる晶出部と、を有する、
炭酸カルシウム粒子の製造装置。
【請求項8】
前記濃度調整部は、前記材料溶液の前記測定された硫黄濃度が、前記所定の硫黄濃度ではないときに、前記材料溶液の硫黄濃度を所定の硫黄濃度に調整する
請求項7に記載の炭酸カルシウム粒子の製造装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸カルシウム粒子の製造方法および炭酸カルシウム粒子の製造装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
温室効果ガスである二酸化炭素の排出量を低減するため、二酸化炭素をカルシウムと反応させて炭酸カルシウムとして固定化することが検討されている。特許文献1および特許文献2などに記載のように、コンクリートスラッジや鉄鋼スラグなどのカルシウムを含有する廃棄物から水中に抽出されたカルシウムと、上記水中に導入した二酸化炭素などと、を反応させることで、炭酸カルシウムを生成することができる。これらの方法は、カルシウムを含有する廃棄物の廃棄量も減らせるので、廃棄物による環境悪化も抑制できると期待される。
【0003】
炭酸カルシウム粒子は、プラスチック、紙および塗料などへの充填材、農薬および肥料などの土壌改良剤、接着剤、シーラント、研磨作用を利用して消しゴムや歯磨剤、ならびに、食品添加物および化粧品原料などの幅広い分野で使用される。また、最近では、炭酸カルシウム粒子を主原料としたシート・フィルム状の紙代替製品や、プラスチック代替製品が開発され、広く使用されている。紙代替製品としては、クリアファイル、名刺、冊子(パンフレット・写真集等)、販促POP、メニュー表、パッケージ、ポスター、電飾シート、シール・ラベル、マップ、マスクケース、タグの用途に使用されている。プラスチック代替製品としては、従来、プラスチックが用いられていた用途(各種成形品、たとえば、レジ袋・買い物袋、食品容器、飲料カップ、ハンガー、文房具、うちわ、化粧品容器、ボトル、建築資材等)に使用されている。これらの各用途には、それぞれに応じた粒子径の炭酸カルシウム粒子を使用する。そのため、所望の粒子径を有する炭酸カルシウム粒子を製造する方法が求められている。
【0004】
生成される炭酸カルシウム粒子の粒子径を制御する方法はいくつか検討されている。たとえば、特許文献3および特許文献4には、硫酸カルシウム、亜硫酸アルミニウムおよび硫酸亜鉛などの硫酸塩を水酸化カルシウム水溶液に添加し、さらに二酸化炭素ガスの導入条件を制御することにより、粒子径が0.03μm以下のような小粒径の炭酸カルシウム粒子を生成できると記載されている。特許文献5には、炭酸化の条件を精密に制御して、粒子径が0.8μm~1.0μmの解謬しやすい炭酸カルシウム粒子を生成し、これを機械的に磨砕または解砕することで、粒子径が0.1μm~0.5μmの炭酸カルシウム粒子を得る方法が記載されている。
【0005】
また、特許文献6には、DL-アラニンおよびグリシンの2種類のアミノ酸を含む中性アミノ酸含有水溶液に硫酸バリウムを添加することで、炭酸カルシウム粒子の粒子径を微細化できると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2009-279552号公報
特開2014-148432号公報
特開昭48-103100号公報
特開昭54-041299号公報
特開昭62-202817号公報
特開2019-052065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献4~特許文献6に記載のように、炭酸カルシウム粒子の粒子径を微細化する方法はいくつか知られている。しかし、特許文献4~特許文献5に記載の方法は、粒子径が0.03μm以下のような超微細粒子は作成できるが、粒子径がより大きい炭酸カルシウム粒子を作成することができない。さらには、特許文献4~特許文献5に記載の方法は、炭酸カルシウム粒子を晶出させる条件を精密に制御する必要があり、実用的ではない。
【0008】
また、特許文献6に記載の方法は、数μm程度の炭酸カルシウム粒子を生成することができるものの、得られる炭酸カルシウム粒子の粒子径が安定せず、狙いの粒子径を有する炭酸カルシウム粒子を生成することができなかった。
【0009】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、簡易な方法で、狙いの粒子径を有する炭酸カルシウム粒子を生成することができる、炭酸カルシウム粒子の製造方法、および当該方法を実施できる炭酸カルシウム粒子の製造装置を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明の一態様は、下記[1]~[6]の炭酸カルシウム粒子の製造方法に関する。
[1]カルシウムを含む材料溶液の硫黄濃度を測定する工程と、
前記測定された硫黄濃度が、晶出させる炭酸カルシウムの粒径に応じて定められた所定の硫黄濃度とは異なる濃度であるときに、前記材料溶液の硫黄濃度を前記所定の硫黄濃度に調整する工程と、
前記硫黄濃度を調整された前記材料溶液に二酸化炭素または炭酸イオンを導入して、炭酸カルシウムを晶出させる工程と、を有する、
炭酸カルシウム粒子の製造方法。
[2]前記硫黄濃度を測定する工程は、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP-OES)または誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)により行われる、
[1]に記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
[3]前記所定の硫黄濃度は、50mg/L以上10000mg/L以下の濃度である、
[1]または[2]に記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
[4]前記所定の硫黄濃度は、0.01mg/L以上50mg/L未満の濃度である、
[1]または[2]に記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
[5]前記材料溶液のバリウム濃度を所定のバリウム濃度に調整する工程を有し、
前記炭酸カルシウムを晶出させる工程では、前記硫黄濃度およびバリウム濃度を調整された前記材料溶液に二酸化炭素を導入する、
[1]~[4]のいずれかに記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
[6]前記晶出させる工程は、前記材料溶液のpHを7.0以上として、二酸化炭素を導入することにより行う、
[1]~[5]のいずれかに記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
(【0011】以降は省略されています)
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