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公開番号2025012750
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023115824
出願日2023-07-14
発明の名称炭酸カルシウム粒子の製造方法
出願人株式会社TBM
代理人弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類C01F 11/18 20060101AFI20250117BHJP(無機化学)
要約【課題】粒度分布がシャープであり、かつ粒子径の小さい炭酸カルシウム粒子の製造方法を提供すること。
【解決手段】上記炭酸カルシウム粒子の製造方法は、管状部材の内部を一方向に流動する、カルシウムを含むカルシウム含有溶液に、バブル状の二酸化炭素を導入して炭酸カルシウム粒子を晶出させる工程を含み、前記管状部材内での前記カルシウム含有溶液のレイノルズ数を2000以上30000以下に制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
管状部材の内部を一方向に流動する、カルシウムを含むカルシウム含有溶液に、バブル状の二酸化炭素を導入して炭酸カルシウム粒子を晶出させる工程を含み、
前記管状部材内での前記カルシウム含有溶液のレイノルズ数を2000以上30000以下に制御する、
炭酸カルシウム粒子の製造方法。
続きを表示(約 280 文字)【請求項2】
前記管状部材が、セラミックス製であり、
前記管状部材の外部から二酸化炭素を圧入することで、前記管状部材の内部に前記バブル状の二酸化炭素を生成する、
請求項1に記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
【請求項3】
前記バブル状の二酸化炭素の平均粒子径が100μm以下である、
請求項1に記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
【請求項4】
前記炭酸カルシウム粒子を晶出させる工程における、前記カルシウム含有溶液のpHが7.0以上である、
請求項1に記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸カルシウム粒子の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
炭酸カルシウム粒子は、プラスチック、紙および塗料等への充填材や、農薬および肥料等の土壌改良剤、接着剤、シーラントとして使用されたり、研磨作用を利用して消しゴムや歯磨剤として使用されたり、食品添加物や化粧品原料等として、幅広い分野で使用される。また最近では、炭酸カルシウム粒子を主原料としたシート・フィルム状の紙代替製品や、プラスチック代替製品が開発され、広く使用されている。紙代替製品としては、クリアファイル、名刺、冊子(パンフレット・写真集等)、販促POP、メニュー表、パッケージ、ポスター、電飾シート、シール・ラベル、マップ、マスクケース、タグの用途に使用されている。プラスチック代替製品としては、従来、プラスチックが用いられていた用途(各種成形品、例えばレジ袋・買い物袋、食品容器、飲料カップ、ハンガー、文房具、うちわ、化粧品容器、ボトル、建築資材等)に使用されている。
【0003】
近年、温室効果ガスである二酸化炭素の排出量を低減するため、二酸化炭素をカルシウムと反応させ、炭酸カルシウムとして固定化することが検討されている。特許文献1および特許文献2には、コンクリートスラッジや鉄鋼スラグ等の廃棄物から水中に抽出されたカルシウムと二酸化炭素とを反応させる方法が記載されている。当該方法によれば、カルシウムを含有する廃棄物の廃棄量も減らすことができ、廃棄物による環境悪化も抑制できると期待される。また、特許文献3には、カルシウムを含むカルシウム含有溶液に二酸化炭素をファインバブルとして導入し、より効率よく炭酸カルシウムを合成することが記載されている。
【0004】
一方、特許文献4には、各種成分への分散性に優れた炭酸カルシウムを合成するため、二酸化炭素(炭酸イオン)とカルシウムイオンとを反応させる際のレイノルズ数を調整することが記載されている。特許文献5には、バテライト結晶相を有する炭酸カルシウムを製造するため、二酸化炭素(炭酸イオン)とカルシウムイオンとを反応させる際のレイノルズ数を調整することが記載されている。さらに、特許文献6には、均一な粒子径の炭酸カルシウム粒子を製造するために、二酸化炭素(炭酸イオン)とカルシウムイオンとを反応させる際のレイノルズ数を調整することが記載されている。ただし、特許文献4~6のいずれの方法においても、炭酸イオンとカルシウムイオンとの反応は撹拌槽内、すなわちバッチ式で行っており、上記レイノルズ数は、撹拌翼の直径等に基づいて決定されるレイノルズ数(以下、「撹拌レイノルズ数」とも称する)であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-148432号公報
特開2023-035105号公報
特開2023-028788号公報
特開昭56-160322号公報
特表平5-509282号公報
特開平9-165217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、炭酸カルシウムを様々な用途に使用するためには、その粒度分布をシャープにしたり、小粒子径にしたりすることが求められる。しかしながら、上述のいずれの方法においても、得られる炭酸カルシウム粒子を小粒径にすることは難しく、さらにその粒度分布をシャープにすることは難しかった。例えば、上記特許文献6には、粒子径を均一にできると記載されているものの、本発明者らの検証によれば、炭酸カルシウム粒子の粒子径が比較的大きく、さらなる改良が必要であった。
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みなされたものである。具体的には、粒度分布がシャープであり、かつ粒子径の小さい炭酸カルシウム粒子を製造可能な方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らの鋭意検討によれば、管状部材内で、カルシウム化合物を含むカルシウム含有溶液中にバブル状の二酸化炭素を導入する工程を含む炭酸カルシウム粒子の製造方法において、管状部材を流動するカルシウム含有溶液のレイノルズ数を特定の範囲に制御することで、上記課題を解決出来る知見が得られ、本発明を完成させた。
【0009】
本発明の一態様は、下記[1]~[4]の炭酸カルシウム粒子の製造方法を提供する。
[1]管状部材の内部を一方向に流動する、カルシウムを含むカルシウム含有溶液に、バブル状の二酸化炭素を導入して炭酸カルシウム粒子を晶出させる工程を含み、前記管状部材内での前記カルシウム含有溶液のレイノルズ数を2000以上30000以下に制御する、炭酸カルシウム粒子の製造方法。
[2]前記管状部材が、セラミックス製であり、前記管状部材の外部から二酸化炭素を圧入することで、前記管状部材の内部に前記バブル状の二酸化炭素を生成する、[1]に記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
[3]前記バブル状の二酸化炭素の平均粒子径が100μm以下である、[1]または[2]に記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
[4]前記炭酸カルシウム粒子を晶出させる工程における、前記カルシウム含有溶液のpHが7.0以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の炭酸カルシウム粒子の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、粒度分布がシャープであり、かつ粒子径の小さい炭酸カルシウム粒子を製造可能である。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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