TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025010070
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-20
出願番号
2024106360
出願日
2024-07-01
発明の名称
ゼオライトの製造方法
出願人
三菱ケミカル株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C01B
39/48 20060101AFI20250109BHJP(無機化学)
要約
【課題】
撹拌槽型反応器中で、短時間で均一な原料水性反応物前駆体を調製し、かつ熟成および水熱合成することで高純度・高結晶性のゼオライトを得るための製造方法を提供すること。
【解決手段】
少なくともSi元素源、Al元素源、アルカリ金属元素源、及び水を混合し水性反応物前駆体を得る混合工程と、混合工程後に熟成する熟成工程と、水熱合成工程とを有するゼオライトの製造方法であって、
前記混合工程において、前記水性反応物前駆体が10リットル以上の撹拌槽を使用し、撹拌翼を用いて混合され、かつ前記混合工程において翼先端平均周速が5m/s以上である、ゼオライトの製造方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくともSi元素源、Al元素源、アルカリ金属元素源、及び水を混合し水性反応物前駆体を得る混合工程と、混合工程後に熟成する熟成工程と、水熱合成工程とを有するゼオライトの製造方法であって、
前記混合工程において、前記水性反応物前駆体が10リットル以上の撹拌槽を使用し、撹拌翼を用いて混合され、かつ前記混合工程において翼先端平均周速が5m/s以上である、ゼオライトの製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
翼先端周速が10m/s以上である時間が全体で30s以上900s以下である、請求項1に記載のゼオライトの製造方法。
【請求項3】
前記混合工程、熟成工程、該混合工程と熟成工程の間、及び熟成工程後水熱合成工程前の少なくともいずれかの段階で、有機構造規定剤を添加する、請求項1に記載のゼオライトの製造方法。
【請求項4】
前記混合工程、前記熟成工程および前記水熱合成工程を撹拌槽型反応器内で行う、請求項1に記載のゼオライトの製造方法。
【請求項5】
前記ゼオライトのFramework densityが14T/1000Å
3
以上19T/1000Å
3
以下である、請求項1に記載のゼオライトの製造方法。
【請求項6】
前記ゼオライトが、酸素8員環、酸素10員環、および酸素12員環の少なくとも一つを有する、請求項1に記載のゼオライトの製造方法。
【請求項7】
前記水性反応物前駆体中のSi元素とAl元素の比がAl元素の酸化物に対するSi元素の酸化物のモル比(SiO
2
/Al
2
O
3
のモル比)として、5以上、1000以下である、請求項1に記載のゼオライトの製造方法。
【請求項8】
前記水性反応物前駆体に含まれるSi元素とアルカリ金属元素の比が、Si元素源の酸化物に対するM
(2/n)
O(Mはアルカリ金属元素を示し、nは1である。)のモル比(M
(2/n)
O/SiO
2
モル比)として、0.01以上0.5以下である、請求項1に記載のゼオライトの製造方法。
【請求項9】
前記混合工程において、さらにアルカリ土類金属元素源を混合する、請求項1に記載のゼオライトの製造方法。
【請求項10】
前記水性反応物前駆体に含まれるSi元素とアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素の比が、Si元素の酸化物に対するM
(2/n)
O(Mはアルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素を示し、nはアルカリ金属の場合は1、アルカリ土類金属の場合は2である)のモル比(M
(2/n)
O/SiO
2
モル比)として、0.02以上0.5以下である、請求項9に記載のゼオライトの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はゼオライトの製造方法に関し、より詳細には、大スケール(例えば10L以上であり、より好ましくは500L以下)の撹拌槽を用いたゼオライトの水性反応物前駆体の製造、熟成、およびゼオライトの製造に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
ゼオライトはその骨格構造に由来する細孔によって、分子ふるい効果やイオン交換能、触媒能、吸着能などの特性をもっており、現在、吸着材、イオン交換剤、工業触媒、環境触媒として幅広く利用されている。
【0003】
量産スケールでのゼオライトの製造は、一般的に撹拌槽型反応器に、原料を逐次添加し、水性反応物前駆体を調製後、熟成を行い、更に水熱合成を行うという流れで行われる。一方、水性反応物前駆体の組成により、原料の均一混合を実現することが困難な場合も知られている。その不均一な水性反応物前駆体状態で熟成、水熱合成を行うと、結晶成長速度に影響を及ぼし、結果的に、目的とする高純度・高結晶性のゼオライトが得られない。例えば特許文献1には、量産が特に難しいとされているAEI型ゼオライトを0.1リットル単位で製造している。また、特許文献2、特許文献3等では1リットルレベルの製造を行い、数百gのAEI型ゼオライトを得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-81809号公報
特開2017-206417号公報
特開2021-147260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の特許文献1~3に開示される技術によると、最大で数百gのゼオライトを製造することができる。しかしながら、これをさらに大量に、具体的には10リッター以上の撹拌槽を用いてゼオライトを製造する場合では、結晶性の低下に起因すると思われる特性の低下や、所望のゼオライト以外の副生成物の混入が生じ、良質のゼオライトを大量に製造することができないという課題があった。
また、通常のゼオライトの水性反応物前駆体を大量に調製する際には、撹拌槽型反応器を用いることが主流である。しかしながら、調製した水性反応物前駆体の物性によっては、短時間かつ均一の混合を実現することは困難であることが知られている。これに対して、例えば、粘性の高い原料水性反応物前駆体を調製時、前記のゼオライト合成原料であるSi元素源、Al元素源、アルカリ金属元素源、必要に応じて添加される有機構造規定剤及び水の添加順序、さらに、原料の添加速度を制御することが通常行われる。しかしながら、比較的均一の水性反応物前駆体の混合状態を実現するためには、長い混合時間(数時間~数十時間)が必要であった。さらに、同じ撹拌槽型反応器内での水性反応物前駆体の調製、熟成、水熱合成を行うことは好ましい態様であるが、水性反応物前駆体の物性および水熱合成中の原料のゲル化に適した攪拌システムは確立していない。その結果、水性反応物前駆体は不均一となり、高純度かつ高結晶性の目的ゼオライトが得られないという課題がある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、短時間で均一な水性反応物前駆体を調製し、かつ熟成および水熱合成することで高純度・高結晶性のゼオライトを大量に得るための製造方法を提供することにある。また、より好ましい態様として、撹拌槽型反応器中で、かかる高純度・高結晶性のゼオライトを大量に得るための製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前述の課題について鋭意検討の結果、混合工程において10L以上の撹拌槽を用いて水性反応物前駆体を製造する際に、撹拌翼の周速が一定速度以上になっていることが重要であることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明の要旨は、以下の通りである。
[1]少なくともSi元素源、Al元素源、アルカリ金属元素源、及び水を混合し水性反応物前駆体を得る混合工程と、混合工程後に熟成する熟成工程と、水熱合成工程とを有するゼオライトの製造方法であって、
前記混合工程において、前記水性反応物前駆体が10リットル以上の撹拌槽を使用し、撹拌翼を用いて混合され、かつ前記混合工程において翼先端平均周速が5m/s以上である、ゼオライトの製造方法。
[2]翼先端周速が10m/s以上である時間が全体で30s以上900s以下である、上記[1]に記載のゼオライトの製造方法。
[3]前記混合工程、熟成工程、該混合工程と熟成工程の間、及び熟成工程後水熱合成工程前の少なくともいずれかの段階で、有機構造規定剤を添加する、上記[1]又は[2]に記載のゼオライトの製造方法。
[4]前記混合工程、前記熟成工程および前記水熱合成工程を撹拌槽型反応器内で行う、上記[1]~[3]のいずれかに記載のゼオライトの製造方法。
[5]前記ゼオライトのFramework densityが14T/1000Å
3
以上19T/1000Å
3
以下である、上記[1]~[4]のいずれかに記載のゼオライトの製造方法。
[6]前記ゼオライトが、酸素8員環、酸素10員環、および酸素12員環の少なくとも一つを有する、上記[1]~[5]のいずれかに記載のゼオライトの製造方法。
[7]前記水性反応物前駆体中のSi元素とAl元素の比がAl元素の酸化物に対するSi元素の酸化物のモル比(SiO
2
/Al
2
O
3
のモル比)として、5以上、1000以下である、上記[1]~[6]のいずれかに記載のゼオライトの製造方法。
[8]前記水性反応物前駆体に含まれるSi元素とアルカリ金属元素の比が、Si元素の酸化物に対するM
(2/n)
O(Mはアルカリ金属元素を示し、nは1である。)のモル比(M
(2/n)
O/SiO
2
モル比)として、0.01以上0.5以下である、上記[1]~[7]のいずれかに記載のゼオライトの製造方法。
[9]前記混合工程において、さらにアルカリ土類金属元素源を混合する、上記[1]~[8]のいずれかに記載のゼオライトの製造方法。
[10]前記水性反応物前駆体に含まれるSi元素とアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素の比が、Si元素の酸化物に対するM
(2/n)
O(Mはアルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素を示し、nはアルカリ金属の場合は1、アルカリ土類金属の場合は2である)のモル比(M
(2/n)
O/SiO
2
モル比)として、0.02以上0.5以下である、上記[9]に記載のゼオライトの製造方法。
[11]前記アルカリ金属元素源が、少なくともカリウム元素源を含む、上記[1]~[10]のいずれかに記載のゼオライトの製造方法。
[12]前記水性反応混合物中のアルカリ金属元素源に含まれるアルカリ金属元素に対するカリウム元素のモル比が、0.01以上1以下である、上記[11]に記載のゼオライトの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、撹拌槽中で、短時間で均一な水性反応物前駆体を調製し、かつ熟成および水熱合成することで高純度・高結晶性のゼオライトを大量に得るための製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明に用いられる代表的な撹拌槽型反応器の概略図である。
代表的な目的物のAEI型ゼオライト、不純物のMOR型ゼオライト、不純物のGME型ゼオライト、不純物のMER型ゼオライト、不純物のANA型ゼオライト、不純物のサニディン(sanidine、鉱物、AlSi
3
O
8
)のXRDパターンである。
本発明の参考例2、実施例3、比較例1及び比較例2で製造されたゼオライトのXRDチャートである。
本発明の実施例1で製造されたゼオライトのXRDチャートである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
三菱重工業株式会社
水素製造装置
15日前
中外炉工業株式会社
アンモニア分解装置
2日前
三菱重工業株式会社
水素製造装置
15日前
古河ケミカルズ株式会社
酸化銅の製造方法
16日前
JFEスチール株式会社
リンの製造方法
2日前
三桜工業株式会社
水素発生装置及び水素発生方法
12日前
三菱ケミカル株式会社
ゼオライトの製造方法
12日前
三菱ケミカル株式会社
ゼオライトの製造方法
12日前
個人
オゾン発生用放電管
8日前
日本特殊陶業株式会社
多孔体
15日前
三菱ケミカル株式会社
球状ゼオライトの製造方法
15日前
株式会社神戸製鋼所
多孔質炭素の製造方法
12日前
住友電気工業株式会社
ゲルマニウムの回収方法
12日前
京都府公立大学法人
水素の生産方法、及び水素生産システム
2日前
デクセリアルズ株式会社
シリカエアロゲル分散物、シート、膜
8日前
明智セラミックス株式会社
活性炭の処理方法および蓄電デバイス
23日前
国立大学法人電気通信大学
窒素化グラファン
17日前
株式会社アドマテックス
一酸化ケイ素の製造方法
23日前
株式会社TBM
炭酸カルシウム粒子の製造方法
8日前
古河ケミカルズ株式会社
塩基性炭酸銅の製造方法および酸化銅の製造方法
16日前
東急ジオックス株式会社
発熱塗料の製造方法
15日前
小池酸素工業株式会社
ヘリウムガス回収精製装置
17日前
株式会社TBM
チューブ状炭酸カルシウムの製造方法
8日前
キヤノン株式会社
水素発生装置及び情報管理システム
16日前
住友金属鉱山株式会社
ニッケル硫化物原料の処理方法、並びに硫黄回収方法
8日前
株式会社MARUWA
窒化アルミニウム粉末及びその改質方法並びに高分子成形体
8日前
花王株式会社
表面に有機基を有する中空シリカ粒子の製造方法
2日前
三菱重工業株式会社
水素製造装置、水素製造方法、および水素製造プログラム
15日前
三井化学株式会社
水素の製造方法、光触媒及び光触媒の製造方法
12日前
東ソー・シリカ株式会社
加工されたもみ殻灰およびその製造方法
15日前
ジカンテクノ株式会社
シリカの製造方法
10日前
一般財団法人電力中央研究所
燃焼プロセスにおける反応性窒素の回収システム、発電設備
8日前
東ソー株式会社
疎水性ゼオライト、及びその製造方法
23日前
個人
抗バイオフィルム剤、組成物及び医療用機器並びに抗バイオフィルム剤に依る菌付着防止方法
12日前
DIC株式会社
シリコン粒子、シリコン含有活物質、二次電池用負極活物質、負極および二次電池
12日前
DIC株式会社
シリコン粒子、シリコン含有活物質、二次電池用負極活物質、負極および二次電池
12日前
続きを見る
他の特許を見る