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公開番号
2025005808
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-17
出願番号
2023106186
出願日
2023-06-28
発明の名称
水素製造装置、水素製造方法、および水素製造プログラム
出願人
三菱重工業株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C01B
3/30 20060101AFI20250109BHJP(無機化学)
要約
【課題】原料ガスの分解率を維持することができる水素製造装置、水素製造方法、および水素製造プログラムを提供する。
【解決手段】水素製造装置は、原料ガスである炭化水素ガスを、触媒を使用して熱分解することにより水素を製造する反応器であって、下部から前記原料ガスが導入されることによって内部に触媒の流動層が形成される反応器を有する。水素製造装置は、流動層から外れた反応器の上部と、流動層に対応する反応器の下部との間の圧力差を検出するように構成される差圧センサと、反応器に新規の触媒を供給するように構成される供給装置と、活性が低下した触媒を反応器から抜き出すように構成される抜出し装置と、差圧センサにより検出される圧力差が一定となるように、供給装置および抜出し装置の動作を制御するように構成される制御装置と、を有している。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
原料ガスである炭化水素ガスを、触媒を使用して熱分解することにより水素を製造する反応器であって、下部から前記原料ガスが導入されることによって内部に前記触媒の流動層が形成される反応器を有する水素製造装置であって、
前記流動層から外れた前記反応器の上部と、前記流動層に対応する前記反応器の下部との間の圧力差を検出するように構成される差圧センサと、
前記反応器に新規の前記触媒を供給するように構成される供給装置と、
活性が低下した前記触媒を前記反応器から抜き出すように構成される抜出し装置と、
前記差圧センサにより検出される前記圧力差が一定となるように、前記供給装置および前記抜出し装置の動作を制御するように構成される制御装置と、を有している水素製造装置。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記制御装置は、
前記反応器の状態変数に基づき、前記原料ガスの転化率を演算する処理と、
演算される前記転化率を、定められた目標転化率に追従させるべく、前記転化率のフィードバック制御の実行を通じて、前記圧力差の目標値である目標圧力差を演算する処理と、
前記差圧センサにより検出される前記圧力差を、前記目標圧力差に追従させるべく、前記圧力差のフィードバック制御の実行を通じて、前記供給装置による前記触媒の目標供給量と、前記抜出し装置による前記触媒の目標排出量とを演算する処理と、を実行するように構成される請求項1に記載の水素製造装置。
【請求項3】
前記流動層の上部の温度である第1の温度を検出する第1の温度センサと、
前記流動層の下部の温度である第2の温度を検出する第2の温度センサと、を有し、
前記制御装置は、前記第1の温度センサを通じて検出される前記第1の温度と、前記第2の温度センサを通じて検出される前記第2の温度との差に基づき、前記原料ガスの転化率を演算するように構成される請求項2に記載の水素製造装置。
【請求項4】
前記原料ガスの熱分解により生成される生成ガスであって、前記反応器から外部に導出される生成ガス中の水素濃度を検出する濃度センサを有し、
前記制御装置は、前記濃度センサを通じて検出される水素濃度に基づき、前記原料ガスの転化率を演算するように構成される請求項2に記載の水素製造装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記反応器の内部の加熱量と、前記原料ガスの熱分解反応における吸熱量とに基づき、前記原料ガスの転化率を演算するように構成される請求項2に記載の水素製造装置。
【請求項6】
前記反応器の圧力が大気圧より高い圧力であって、
前記供給装置が、新規の前記触媒を前記反応器の圧力以上の圧力に加圧して連続的に気流搬送するように構成される請求項1~請求項5のうちいずれか一項に記載の水素製造装置。
【請求項7】
前記気流搬送に使用される搬送ガスが、前記原料ガスである請求項6に記載の水素製造装置。
【請求項8】
新規の前記触媒が、重力落下により前記反応器に供給される請求項1~請求項5のうちいずれか一項に記載の水素製造装置。
【請求項9】
前記触媒が、微細な金属粒子であって、
前記触媒には、前記触媒の流動性を高めるための不活性粒子である流動材が混合されている請求項1~請求項5のうちいずれか一項に記載の水素製造装置。
【請求項10】
原料ガスである炭化水素ガスを、触媒を使用して熱分解することにより水素を製造する反応器の下部から前記原料ガスを導入することによって、前記反応器の内部に前記触媒の流動層を形成する水素製造方法であって、
前記流動層から外れた前記反応器の上部と、前記流動層に対応する前記反応器の下部との間の圧力差が一定となるように、前記反応器への新規の前記触媒の供給と、活性が低下した前記触媒の前記反応器からの抜き出しと、を制御する水素製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素製造装置、水素製造方法、および水素製造プログラムに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、メタンの熱分解により水素を製造する技術が知られている。たとえば、特許文献1の水素製造装置は、触媒が収容された反応器を有している。反応器の内部にはメタンが導入される。メタンは、反応器の内部において触媒と接触することにより、水素と炭素とに分解される。生成ガスである水素と、未反応のメタンとの混合ガスは、反応器の外部に取り出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-73411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水素製造装置には、水素を安定して製造するために、原料ガスの分解率を維持することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様にかかる水素製造装置は、原料ガスである炭化水素ガスを、触媒を使用して熱分解することにより水素を製造する反応器であって、下部から前記原料ガスが導入されることによって内部に前記触媒の流動層が形成される反応器を有する。水素製造装置は、前記流動層から外れた前記反応器の上部と、前記流動層に対応する前記反応器の下部との間の圧力差を検出するように構成される差圧センサと、前記反応器に新規の前記触媒を供給するように構成される供給装置と、活性が低下した前記触媒を前記反応器から抜き出すように構成される抜出し装置と、前記差圧センサにより検出される前記圧力差が一定となるように、前記供給装置および前記抜出し装置の動作を制御するように構成される制御装置と、を有している。
【発明の効果】
【0006】
本発明の水素製造装置、水素製造方法、および水素製造プログラムによれば、原料ガスの分解率を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
水素製造装置の一実施の形態の構成図である。
水素製造装置の一実施の形態の電気的な構成を示すブロック図である。
一実施の形態にかかる触媒層の高さとメタン転化率との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、水素製造装置の一実施の形態を説明する。
図1に示すように、水素製造装置10は、圧力容器11と、反応器12とを有している。圧力容器11と反応器12とは、各々、円形の断面形状を有する筒状であって、上下方向に延びている。圧力容器11の内部は、所定の圧力に保たれている。圧力は、たとえば、大気圧よりも高い。反応器12は、圧力容器11の内部に非接触状態で収容されている。反応器12の内径は、全長にわたって同じであってもよい。
【0009】
反応器12の内部には、分散器13が設けられている。分散器13は、たとえば反応器12の軸方向に直交する方向に広がる板状であって、多数の孔を有している。孔は、分散器13を板厚方向に貫通している。分散器13は、反応器12の軸方向の中心位置よりも反応器12の下端部に近い位置に配置されている。分散器13は、反応器12の内部を、上下の2つの空間に仕切っている。上側の空間が反応室12A、下側の空間が風室12Bである。反応室12Aと、風室12Bとは、分散器13の孔を介して互いに連通している。
【0010】
分散器13の上面には、触媒14が堆積している。すなわち、反応室12Aの内部には、分散器13に対して所定の堆積高さまで、触媒14が充填されている。上面は、反応室12A側の分散器13の面である。触媒14は、たとえば、鉄(Fe)、あるいは鉄を主成分とする微細な個体粒子であり、金属粒子である。反応器12の内部、ひいては触媒14は、加熱装置によって、所定の反応温度まで加熱される。加熱装置は、たとえば、ヒータ、または、排ガスあるいはスチームが流通するジャケットである。
(【0011】以降は省略されています)
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